Dr.マッコイの非論理的な世界 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2006-09-14

[] 「格差拡大」は正確な表現か?

私は今の内閣の経済政策、とくに「改革」と言われるものを全く支持していませんが、マスコミの批判もおかしいのではないかと思います。だいたい、マスコミが言う通りの政策をやってきたから、「格差拡大」という今の現状に至ったのだと思います。

その前にまず日本の現状を「格差拡大」などとマスコミは表現していますが、これは正確な表現でしょうか?これまでの私の論調を知っている方は「え?」と思うかもしれませんが、まあよく読んでください。

「格差」とは上と下の差のことです。

どんな社会も底辺と頂上に差があるのはあたりまえで、格差が拡大したと言えば普通に日本語を解釈すれば底辺と頂上の差が開くことを言うはずです。

だからこそ竹中大臣の屁理屈で、格差は拡大していないなどと言う反論を可能にさせてしまうのです。大富豪も乞食も、ともに昔から現代に至るまでかわらず存在しつづけています。問題なのはその分布と比率に大きな変化があるかどうかなのです。

どんな社会にも格差はあるのがあたりまえです。それを平等にしろなんてそもそも不可能な話です。従ってこの問題の本質は「格差拡大」という言い方ではうまく表せないのです。

問題なのは中間層の破壊による「二極化」のはずです。

というか、もっと正確に言うと、貧富がピラミッド型に序列化するということです。

正確なデータにもとづいた話ではなく、あくまでイメージで言いますが、日本はこれまで中間層が最も多く、その分布は菱形、つまり「◇」を示していたのが、今後はピラミッド型、つまり「△」の分布を示すようになるということだと思います。これが問題なのです。

しかし、こうなる事はずっと前からわかっていた事で、今の内閣の責任だけでなく、政治で言えば橋本行革以来の流れ、社会で言えば世代交代による価値観の変化によるものですから、ずっと前からの流れの延長線上にあるわけです。

そして、政治の流れよりも国民の価値観の変化によるところが実は大きいのではないかと思います。勤労意欲の低下によるニート・フリーターの増加や個人主義の蔓延による日本的経営や日本的集団運営法の破壊が「二極化」「ピラミッド化」の原因だと思います。そこに小泉「構造改革」がとどめを刺したというところでしょう。

ずっと前からこうなる事は予想できたはずなのに、学者や文化人その他マスコミも一体何をやってきたのでしょうか。というか、むしろ学者やマスコミ関係者が日本流をあらためてアメリカ流に「改革」しろとずっと言い続けてきたから、こうなったとしか私には思えないのです。

そうして国民の間に今の日本には「改革」が必要という意識が洗脳に近い状態で蔓延したために、多数世論の代表である政府が国民の求めている「改革」によって二極化を推進した、ということでしょう。政治家は「当選しないとただの人」ですから、所詮は世論に迎合してしまうものです。それではイカンと思うから私は政権を批判するわけですが。

いずれにしろ、小泉政権の政策によって中間層の破壊にとどめを刺されたとは言え、それをマスコミに「格差拡大」だと言って批判する資格はありません。今の政権はマスコミの言う通りにやってきただけです。

これを逆に見て、今の政権がマスコミや御用学者たちを利用して世論を誘導したという見方もあり、どっちが正しいのか私にはわかりませんが、いずれにしてもマスコミや経済学者、文化人という輩が有害無益であった事に間違いありません。国民は彼らに騙されないように常に勉強して賢くならなければならないから、大変だと思います。

まず必要なのはマスコミや学者、文化人らの言うことを疑ってみることから始めるべき、彼らを疑ってみることの必要性と重要性を、マスコミに毒されていないネットから発信することが重要ではないかと思います。

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[] イラク戦争についてしっかり考えよう

今日はちょっと敢えて耳の痛い話というか、まあ最近はこのブログのアクセスも減ってきているので、大丈夫かなとおもって敢えて面倒な話題を取り上げてみたいと思います。イラク戦争に関してです。

「保守」と呼ばれる人々が、「親米派」と「反米派」にわかれたきっかけがイラク戦争であったと思います。この時、保守の中で反米の側に立ったのは、実質的に小林よしのり西部邁くらいだったでしょう。

その後、小泉政権の政策支持かどうかで親米派の中でも許容範囲である「知米派」と、限界を超えた「媚米派」とにわかれたように思います。

ただここでは便宜上「知米派」と「媚米派」という言葉を使っただけで適切かどうかわかりませんが、一応、西尾幹二氏とか西村眞悟氏、平沼赳夫氏などは知米派(実際にアメリカに詳しいかどうかは不明)、岡崎久彦とか村田晃嗣とか小泉マンセー軍団その他大勢が媚米派という分類です。

さて、この分類の中で私のスタンスはどうだったかと言うと、イラク戦争開戦当時は自衛隊の派兵やむなしという考え方でした。湾岸戦争で自衛隊を派兵しないでイラク戦争に派兵するのは逆だと感じてはいましたが、まあ湾岸戦争で日本は金しか出さないみたいに言われた苦い経験もあるから、やむを得ないかなあという事もありました。

前のエントリーで「私はイラク戦争はアメリカの侵略戦争だとずっと思っていた」などと言いましたが、正確には最初からそこまで思っていたわけではありません。

ですから、小林&西部両氏に対してはそこまで反対しなくても・・・という感じでした。その理由は、前のエントリーに対してTBをいただいたsinji_ssさんとほぼ同じ認識だったからです。

Dogma_and_prejudiceさん

イラク戦争肯定論には大義も実利もない」より

これでこれまで日陰の存在だった自衛隊にも脚光が当るかも知れないとか、「拉致問題」で、北朝鮮と事を構えざるを得なくなった日本としては、アメリカとの友好関係の維持・強化のためには、ここで協力をすべきなのかも知れないという思いもありました。

ただ、これに関してもアメリカのイラク攻撃が正当なものであるという前提での話、つまり、フセイン政権が大量破壊兵器を所持しており、かつアルカイダなどのテロ組織を支援しているという前提が正しい上での事です。

これらの根拠なしにアメリカがイラクを攻撃すれば、それはあきらかに侵略戦争、というか無茶苦茶な戦争です。予防的先制攻撃については私は認めてかまわないと思いますが、その根拠がなければ認められません。

しかし後になって大量破壊兵器がなさそうだとなってくると、今後はイラクを民主化とか言ってましたが、民主主義がどうのこうの言うなら北朝鮮や中国とか、あと中東で言うならサウジアラビアとかが先でしょう。

フセイン統治のイラクはインフラも整備され教育レベルも高まり、あのまま行けばしっかりした国になったはずです。現状を見れば「民主化」して混乱極まりないイラクよりも、かつてのフセイン統治のイラクのほうが遙かにまともであったと言えます。

そして、アメリカによるイラク攻撃の根拠があやしいとなれば、日本の自衛隊は不名誉な戦争に加担させられたということにもなりかねません。軍人にとって最も重要なことは名誉だと思います。その名誉を汚すことにもなりかねないわけです。

ただそこは日本人の知恵なのか、あくまでイラク人と協力してイラクの戦後復興のために尽くすというスタンスを取ったのでギリギリ救われた感じでしょう。しかしイラク人は本当にそう思ってくれたのか、アラブの人々は、ヨーロッパはどう見ていたのかについては難しいところがあるでしょう。

そして、大きな目で見れば、中東の人々の日本観を大きく変えてしまったのは間違いないと思います。それまでは大東亜戦争で神風特攻隊による攻撃までして必死で米軍と戦い、原爆や大空襲でやられるほど頑張ったことをアラブ系の人たちは皆よく知っていて日本人はかなり尊敬されていたのですが、戦後はどうしてアメリカの手先みたいになってしまったのかと、かなりの失望感を与えています。

いずれにしろ、その後イラクには大量破壊兵器がなかったことがわかり、何よりアメリカ人自身の半分以上があの戦争は間違っていたと認識しつつある現状にあって、日本国内でイラク戦争についてまともに捉え直そうという風潮がまったく見られないのはかなりご都合主義ではないかと思います。

また、北朝鮮の問題で日本はアメリカに協力をあおがねばならないからイラク戦争でも協力しなければならないという件に関してならば、じゃあ過去の日本とアメリカの関係はどうだったのかという事になります。

日本は独立国としては異例な規模で戦後ずっと米軍の駐留をみとめてきました。そして基地関連に莫大な思いやり予算を投じてアメリカとずっと協力してやってきました。

その事だけ考えてみても、アメリカが北朝鮮問題で日本を助けてくれないというのならば、これまでの日本側の努力は一体何だったのかということになります。沖縄での基地の負担や莫大な金を投じたのは完全に無駄であったということになります。

同志社の村田氏などはコストとリスクを考えると日米同盟は最高だみたいに言っていますが、常にアメリカの言うとおりに従って行かなければこれまでの「投資」が無駄になってしまうという点で、日米同盟はかなりコストが高いとすら言えると思います。

ふたたびDogma_and_prejudiceさん

イラク戦争肯定論には大義も実利もない」より

 ところが、大量破壊兵器はとうとう見つからなかったし、アメリカ兵士のイラク人に対する虐殺・暴行事件は頻発するし・・・。結局、アメリカは、フセイン政権を崩壊させたのはいいが、イラクを以前より酷い状況にしてしまいました。

 自衛隊に関しても、自衛隊に危険な任務を押し付けながら、現地視察さえ行わなかった小泉首相の自衛隊に対する冷たい態度や、サマーワでの、対日イメージの緩やかな低下傾向を知るにつけ、アメリカの非道に付き合う、このような任務は自衛隊にとっても、望ましいものではないという思いが強くなってきました。隣国との緊張が強くなっていくさなかに、自国防衛とは直接関わりのない地域に兵力を分散させてどうするんだという思いも起こってきた事を付け加えておきます。つまり、私にとっては、理想論的にいっても、功利的にいっても、イラク戦争は否定すべきものになりました。

 イラク戦争での対米追従を端緒に、今後、自衛隊がアメリカの意向の元、全世界に展開していくという未来図が現実のものになっていきそうですが、そういうのは歓迎したくないです。

 また、大量破壊兵器など持ってないと言い、実際になかったイラクを攻撃しながら、「核を持っている」と公言している北朝鮮に対して、軍事行動を取らないアメリカはどう見ても、ダブルスタンダードです。こうしたアメリカの不正義に付き合うことで、これまで良好だったイスラム諸国を敵に廻すのも愚かなことではないでしょうか。

 イランのアザデガン油田開発に関しても、米国が日本に圧力をかけていますが、日本はアメリカに義理立てして、油田開発を諦めるのでしょうか。

小泉首相がまっさきにイラク戦争支持を表明したときに、この人は度はずれな親米派、つまり媚米派であることに気づくべきでした。

今になって考えてみれば、当時「反米」と言われた小林よしのりや西部邁の言っていたことが正しかったのではないかと私は思います。

国益の観点から日米同盟は大切だと言われ、それはそうかもしれませんが、この場合の国益とは国民の生命と財産を守るということに限定されています。しかもイラク戦争支持は、国民の財産という点でもかなり怪しいので、上の引用文中でsinji_ssさんはイラク戦争は実利すらないとおっしゃっています。私も、今となってはその通りと思います。目先の国益すらないと言えるでしょう。

ちなみに、よく言われる国益とは生命と財産の事のようですが、私は国家にとって価値が一番大切と私は常に思っています。その価値を守るためなら場合によっては自分の生命や財産を犠牲にすることもありうるという点で、国民の生命と財産は(大切ではあっても)最上位の国益ではありません。

戦前の日本人は国家の独立と自尊を何より大切と考え、勝ち目のないアメリカと戦ったほどそれらを大切と考えていたはずなのに、戦後はどうしてそれらを完全に捨ててしまって、極端に生命と財産のみに執着するようになってしまったのでしょうか。

しかし、それほど生命と財産に執着しても、結局のところ拉致問題や核問題などみれば分かるとおり、長期的には国民の生命など守れていないわけです。長期的に国民の生命と財産を守るためにだって、最低限の独立・自尊の構えが必要なのです。

日本人が大切と考えているもの、日本の歴史や伝統や文化や価値観や、もちろん皇室だって、日本という国の独立が守られなければ徐々に衰退してゆくものです。

独立の気概なしに、本当に大切なものは守れないと思います。

日米同盟も日米の協力関係も否定しませんが、まずは日本がしっかりと独立国らしくなって、つまりアメリカに限らず中国や韓国の内政干渉などもきっちり排除して、自分の国のことは自分たちで決める、大切なものは命がけでも守る、そういう覚悟を持って、しっかりと自分たちの足で立つことが先ではないでしょうか。

結局、北朝鮮にしても、日本が自分自身で対応する力がなかったからあそこまで増長させてしまったのです。当面は対北朝鮮問題解決のために、アメリカの力も利用するということには依存ありませんが(しかし日本がそもそも他国の力を利用したりと、そこまで巧妙に立ち回れるとは到底思えませんが)、いざとなったら自分たちの力で解決するのだという覚悟が最も必要とされることでしょう。その覚悟がなければ、第二の拉致事件、周辺諸国の北朝鮮化(つまり北朝鮮のように日本を攻撃してくる)を許してしまうことになるでしょう。現に中国も韓国もそうなっています。

対中国も対北朝鮮もアメリカまかせでは、もしアメリカが日本よりも中国や北朝鮮と組んだほうがアメリカの国益になると判断してしまったらどうなるというのでしょうか。媚米派は、「そうならないために、日本はどこまでもアメリカの言うとおりに従うべきだ」「どこまでもアメリカに付いてゆくべきだ、それが国益だ」、なんて言うんでしょうね、たぶん。

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