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2006-10-18
■[政治] 核武装議論、「空気」と「前提条件」の変化
核武装の議論が、具体的に起こっているとはまだ思えませんが、少なくとも核武装について「議論する」と言っただけでは、それほど大問題にはならない空気にはなってきたようです。
まあ昨日書いた通りあいかわらずマスコミは議論さえも封じようと中川昭一氏を批判しているようですが、でも数年前と比べるとずいぶん変わったと思います。
こちらのサイトに、1999年に核武装発言で防衛政務次官を事実上更迭された西村眞悟衆議院議員に関する記事がまとめられています。
西村議員も、「日本も核武装したほうがええかもわからんということも国会で検討せなアカンな。 」というように、国会で検討、つまり議論したほうが良いと言っただけで更迭されたわけです(それプラス、発言があまり上品でなかったから!?)。
こちらにインタビューの全文が掲載されています。ちょっとお世辞にも上品とは言い難い発言で溢れていますが、西村議員もプレイボーイという雑誌に合った受け答えで、ずいぶんサービス精神旺盛ですね。
それはともかく、当時はタブーとされている問題に政治家が一言でも触れると「責任をとれ」といって辞任を迫られる悪しき風潮があったわけです。
そのいくつかあるタブーのうち、拉致と核という特に大きな二つのタブーをうち破る過程に西村議員がかかわっていたというのは、振り返ってみると、これはあらためてすごい事だなあと今更ながら思います。
今では少なくとも核武装の「議論をするのは良い」という程度で更迭されるということまではなくなりました。あとは一歩ずつ議論を拡大してゆく努力が必要だと思います。
ところで、すでにあちこちで取り上げられている話ですが、かつて民主党の鳩山由紀夫が、西村議員の件の時にはこんな発言をしていたようです。
「核武装論議は容認の姿勢」 西村問題で民主・鳩山代表
8:52p.m. JST October 27, 1999
民主党の鳩山由紀夫代表は27日、東京都内で講演し、核武装をめぐる発言で辞任した西村真悟前防衛政務次官の問題に絡んで「核武装してもいいかどうかを国会で検討したらどうかと言った瞬間にクビを切られるとなると、国会で核をもつべきかどうかなんて議論がなされなくなる。議題に乗せることすらしてはいけないという発想もいかがなものか」と述べ、核武装の是非を国会で冷静に議論すること自体は容認する考えを示した。
ずいぶんまともな事と言っているじゃないですか。しかもこの時辞任を迫られていた西村議員は連立与党の一員で、鳩山氏の民主党は野党です。
野党でもこんなに良識のある事を言えたわけですが、今は何と言っているかと言うと、昨日も引用しましたが、こうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061016-00000001-maip-pol
民主党の鳩山由紀夫幹事長は大阪府茨木市内での演説で「(中川発言は)目には目をみたいな話。北朝鮮が核を持ったら日本も持つという発想は、世界全体に核が拡散してしまう論理になる。日本は唯一の被爆国として核を持たずに、世界の核廃絶に向けリーダーシップを発揮しなければならない」と批判した。
北朝鮮が核武装し核実験をした今こそ日本も真剣にその対応を考えなければならない(これとて遅いですが)わけなのに、今になって核武装の議論はダメだと言うとは、どういう感覚なんでしょうか。
野党というのは、小沢一郎なんかもまさにそうなのですが、このように、ただ与党の言うことと反対の事さえ言っていれば良いような安直さがあるから政権目当てだとか言って批判されるのです。
自民党だって権力にしがみつきたくて世論に迎合したり、あいまいな事を言ったり、公明党とズブズブになったりしているわけで、別に野党だけが卑しいとか言うつもりも無いし、むしろ与党がむやみやたらに妥協したり無責任な対応をすることにほうが問題だと私なんかは思ってしまうわけですが、まあ野党がだらしないから与党も油断してお互いに腐っているんでしょう。
核武装に関しても与野党を超えて国会で真剣に議論して欲しいと思います。
あと話は変わりますが、昨日のエントリーで「核武装論者」って誰かいるのかと尋ねたところ、インデペンデンスさんにお教えいただきました。
【即時核武装論者】
・中川八洋氏…1987年「軍事研究」誌に『日本核武装論』を発表
・兵頭二十八氏…1996年「諸君!」誌に核武装論文を発表
・小林よしのり氏…2003年『わしズム Vol.7に核武装に賛同意見
・福田和也氏…坊ちゃん保守を卒業し、米国も標的に含む核武装論を主張
【核武装準備論者】
・中西輝政氏
・副島隆彦氏
・西部邁氏
副島氏がちょっと意外で知りませんでしたが、ここで上げられた方々が具体的にどんな事を言っているのか、ちょっと調べてみたいと思います。
それから、これも備忘も兼ねてですが、てっくさんのところで過去の日本の核武装に関する議論についての資料を引用してくださっています。私はあんまり調べる能力が無いので、こういうのがあると大変参考になります。以下、「日本の核武装議論の歴史」の後半部分から引用です。(改行や太字は私が改変)
なんと、あの外務省が、この研究会とは別に1968年に「外交政策委員会」を非公式に発足させた
んで、「我が国の外交政策大綱」と言う文書を作成した
なんて書いてあったか・・・
「核兵器製造の経済的・技術的能力は常に保持するとともに、これに対する制約は受けないようにする」、と明記してある
その後、1970年に中曽根防衛庁長官の核武装に関する私的研究会はなんて言ったか・・・
当時の日本政府の核武装に関する公式見解は「核武装は主権防衛の為に国防政策の選択肢の1に入る」ってなってたんよね
それに対して
「5年で核武装可能」って報告書を出した
まだある
昭和57年第96国会参議院予算委員会
内閣法制局長官の発言
96-参-予算委員会-20号 昭和57年04月05日
○政府委員(角田禮次郎君) 核兵器と憲法との関係については、これまで再々申し上げておりますが、基本的に政府は自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは、憲法九条二項によっても禁止されておらない。したがって右の限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わずこれを保有することは同項の禁ずるどころではない、こういう解釈を従来から政府の統一見解として繰り返して申し上げているところであります。
したがって、核兵器のすべてが憲法上持てないというのではなくて、自衛のため必要最小限度の範囲内に属する核兵器というものがもしありとすればそれは持ち得ると。ただし非核三原則というわが国の国是とも言うべき方針によって一切の核兵器は持たない、こういう政策的な選択をしている、これが正確な政府の見解でございます。
核武装の可能性については政府の側も肯定的な話について結構言及しているようです。
中川昭一政調会長の「憲法でも核保有は禁止していない」という発言の根拠もここらへんにあるようですね。なるほどと思いました。
さらにここで注目すべきなのは、非核三原則というのは単なる政策的な選択にすぎないという事です。
政策だったら、状況が変化すれば変えて当然、前提が変わればむしろ政策を変えないほうがどうかしているという事になります。そこらあたりも押さえた上で、国会でも議論が起こることを期待したいと思います。
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