太田忠司『予告探偵 西郷家の謎』

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

予告探偵―西郷家の謎 (C・NOVELS)

 2005年12月購入。1ヶ月の放置。戦後間もない1950年、西郷家に一通の手紙が届く。「すべての事件の謎は我が解く」と書かれた手紙。果たしてその謎とは?
 古式ゆかしい旧家で起きた殺人事件。おぞましい人間関係。そして名探偵。物語はいかにもな舞台と登場人物で繰り広げられるが、最後に大技が待ち受けている。これをどう受け止めるかで評価が真っ二つに分かれる。私は全然OKだが、バカミス壁本認定する人も多いだろう。実際ネット上での評判も賛否両論といったところで、各所のレビューを読み比べるのも一興。殊能将之の『黒い仏』でやはり同様のリアクションが生まれていたが、その人の読書志向が垣間見えて非常に興味深い。