絶対矛盾的自己同一

9文字なので、半紙に書こうとすると
絶対矛
盾的自
己同一
であるが、改行の位置が悪い。意味的には
絶対矛盾的
自己同一
の改行が良いだろうけれども、大分狭くなる。この言葉がとっつきにくい一因ではないか。

なんとなく仕事や生活に行き詰って、昔大学一年の一般教養で必修の空いた時間に取った哲学を思い出した。
理系の大学だから、専門ではなくて導入だけである。
前期がヘーゲル弁証法で、後期が西田の絶対矛盾的自己同一だった。
年表的に時間を考えると、現在というのは過去から未来に流れているが、
砂時計的に考えるとガラスのくぼんだ、砂が上から下へ、未来が過去から流れ去るところが現在である、
未来は未だ来たらざるものでありながら、その元となるものは現在にすでに表れている、
過去は過ぎ去ったものでありながら、その痕跡は現在にも残っている、
という話が印象的だった。
 
Youtubeで絶対矛盾的自己同一と検索すると、生物学者福岡伸一先生がそれを読み解くという本が紹介されていた。
動的平衡と西田哲学の解説本を読む。
 
昔、戸山高校の数学の谷畑先生が「足し算を教えるのが一番難しい」といっていたのを思い出した。
りんごが2つあるのを見ているとき、りんごという認識に当てはめてそう認識できるものが2つあると解釈しているけれども、
実際、左にあるりんごと、右にあるりんごは異なるものである。
AさんとBさんは同じ人間であるが、同一人物ではない、と考えると分かりやすいかもしれない。
ロゴスとピュシスというと分かりにくいが、りんご2個と見るか、別々のりんごと見るか(そもそもりんごと識別しない)、そういう話であるように
思える。色即是空、空即是色も関係あるか。
 
生命という確固とした存在があるわけではなく、ぼんやりとした流れがある。ライフゲームもグライダーは動いているように見えるけれども、
実態はそれぞれのマスが、わずかなルールに従って動いているだけである。
大学で量子力学を学ぶ。古典物理的ではなくて、波動性と粒子性をもった確率分布であると聞かされる。
オームの法則も極低温では大きく外れ、温度のマイナス何乗かに比例した項が無視できなくなる。
 
コンピューターウイルスとウイルス対策ソフトの進化は終結を見ない。
アンパンマンバイキンマンの戦いは終わらない(酵母菌もばい菌も人間の役に立つかどうかの違いであって、同じ仲間である)。
 
この一年、子供の誕生や親の死が起きて、感情の動きが大きい。ようやく落ち着いたところだ。