滞在許可証の申請

さて、今回は、私にとっては最も大変だった、滞在許可証申請についてご紹介します。
必須手続なのにこれについてなかなか書かなかったのは、思い出して書くだけでも疲れるほど大変だったからです・・・


私の場合、フランスの大学の事務からもらったLettre d'accueil(学生ビザ申請のときにも提出したもの)の中で、フランスに着いた後に、これこれの書面をそろえて、どこそこにある学生専用の申請窓口まで滞在許可証の申請に行くように、と書かれていました。
そこに書かれていた必要書類は、以下のようなものでした。


・パスポート(原本+コピー1部)
・ビザ(原本+コピー1部)
・住居証明(justification de domicile、原本+コピー1部)
・戸籍の法定翻訳(原本+コピー1部)
奨学金証明書(原本+コピー1部)
・この書類=la lettre d’accueil(原本+コピー1部)
・写真3部(3.5cm×4.5cm)
※コピーはすべてA4サイズの必要あり。
※原本は返してもらえます。


ですが始めに言っておきます。
実際に申請に言ってみると、「住居証明」と「Lettre d'accueil」については、違う書類が必要でした。
特に、「住居証明」については、住んでいる場所の種類(シテか、一般住宅か、間借りか等)によって要求される書類が違うので、警察庁のサイトで確認するといいと思います。


さて、そんなことを知らなかった私は、上記のLettre d'accueilで要求されていた書類をいそいそとそろえました。
入居その日に大家さんから住居証明を交付してもらい、それで全部の書類がそろったので、パリ到着数日後、Lettre d'accueilに書かれていた申請場所まで出向いたわけです。

1回目(滞在許可証申請)

Lettre d'accueilに記載されていた申請場所に着いたところ、人が15人くらい並んでいます。
列に並ぼうとしたら、列整理をしているおじさんに「予約をとってきたか?」と聞かれ、「とっていない」と答えると、「なぜとっていないのか?ひょっとしてこれが初めての滞在許可証申請?」と聞かれました。
「そうです」と答えると、1ヶ月ほど前から、滞在許可証申請初回の人については、申請場所がシテ(国際大学都市)内の事務所に変更になったとのこと!
やはり一筋縄ではいかないなと思いつつ、そこからシテまで移動しました。


シテにある申請場所に着くと、7人ほどしか並んでおらず、受付の担当者が2人なので、思ったよりは早く順番が回ってきました。
入念に用意してきた書類だから大丈夫だろうと思いながらそれらを渡すと、担当の不機嫌そうなおばさんに早速駄目だしを食らいました。


「これ(←Lettre d'accueilのこと)じゃ駄目。正式に大学に登録した後の証明書を持ってきなさい。」
「あと、これ(←大家さんが作成してくれた住居証明)は日付が2004年になってるわね。駄目。」
「はい、次の人!」


こっちが質問したりする間も与えてもらえず、撃沈でした。
まぁ確かに、必要書類の日付が2004年ではどのみち申請はできないなと思ったので、その日は傷心のまま帰りました。


次の日に、大家さんとお会いして、今度はちゃんと2007年の日付が入った住居証明を交付してもらいました。
さらに、大学の留学生課を訪ねて、「正式な登録後の証明書が必要だと言われたんだけれどもどうしたらいいか?」と相談してみました(私は、Master2にもDoctoratにも登録しない身分での留学のため)。
そうすると、以前にも同じような事例があったらしく、そのときに作った証明書を参照しながら、大学の留学生課の課長さんの名前で、私が正式にフランスの当該大学に研究留学していることを証明する旨の証明書を発行してくださいました。

2回目(滞在許可証申請)

それらの新たな書類を持って、再度シテの事務所に行きました。
今度は、人が4人ほどしか並んでおらず、すぐに順番が来ました。
でも、また同じ不機嫌そうなおばさんに当たってしまい、嫌な予感。
留学生課発行の「(当該大学での研究留学)証明書」についてはパス。
しかし、2007年に書き直してもらって大丈夫なはずの「住居証明」については、
これじゃ駄目。賃貸借契約書か、住宅保険加入証明書(?assurance d'habitation)を持ってきなさい。」とのこと。


今回は、私も食い下がりました。
そんなこともあろうかと、賃貸借契約書と自分の保険加入証明書も持ってきていたのです。
「これでどうですか?」とそれらを渡してみました。


「これ(←賃貸借契約書)はファックスしたやつじゃない?原本を持ってきなさい。」
「それから、これ(←私の保険加入証明書)も駄目。これじゃなくて、あなたの大家さんのaccurance d'habitationが必要なの!」
「どっちかでいいから持ってきなさい!」


今回もやっぱり撃沈でした。
賃貸借契約書については、まぁ言い分は分かります。
私の場合、日仏間でファックスを使って契約書を交わしたから、そのファックスの契約書が正式な契約書なんですが、何回もファックスしているせいで、文字が読み取りにくかったりして、正式な契約書と言うにはあんまりな代物だったからです。
でも、前回は住居証明の日付が2004年だから駄目だって言っただけなのに、今度は、その住居証明自体が駄目で他の書類を持って来いってどういうこと(怒)?それなら始めからそう言ってよ(怒)!
とても嫌な気分でシテを後にしました。


さて、どうするか。
選択肢の1つ、assurance d'habitationというのは、いまいちよく分かりません。
私のが留学生保険(住宅関係トラブルの保険込みなのですが)だから駄目と言われたわけではなく、大家さんのassurance d'habitationが必要だと言われたのも、よく分かりません。
だから、もう1つの選択肢、賃貸借契約書のほうでいこうと思ったのですが、例の日仏間でファックスを使って交わした契約書では受け付けてもらえません。


それなら、もう一度、契約書を交わしてしまおう!


ということで、ファックスする際の元になった契約書書面をプリントアウトし、契約した日の日付(つまり過去の日付)でサインをし、大家さんにも、事情を説明した上で、契約した日の日付でサインをしてもらいました。
これで、「賃貸借契約書」完成。

3回目(滞在許可証申請)

その「賃貸借契約書」を持って、三度、シテの事務所へ行きました。
今度は、ものすごい行列です。
それでも待って、あと数人で私の番というところまで来たのですが、そこから一向に進みません。
どうやら、2つある受付でそのとき申請していた留学生双方に、何らかの特殊な問題があるらしく、受付の人がどこかへ電話したり、席を立って何かを調べたりして、全然進まないのです。
だんだん、事務所が閉まる時間が近づいてきて、嫌な予感がしました。


それでも何とか私まで順番が回ってきました。
しかも、今度は、あの不機嫌そうなおばさんではなくて、やさしそうなお兄さんのほうに当たりました!
これは幸先がいいと思って書類を出したら、「賃貸借契約書」についてもOKが出ました!!
しかし・・・
「今日はもう閉まる時間なので、明日また来てください。明日はこの列に並ばずに直接受付に来ていいから。」
とのこと。
ちょっとがっかりしましたが、書類にOKが出て、確実に受付をパスできることが分かって、それだけでほっとしました。

4回目(仮滞在許可証取得)

そして翌日、シテの事務所4回目。
もう、事務所で働いているメンバーの顔や担当内容も覚えました(苦笑)。
言われていたとおり、列を無視して、昨日と同じ受付のお兄さんがいたので、彼に書類を渡しました。
そうすると、番号を渡されて、中の待合室のスペースにやっと入ることができました。


ここでの待ち時間は、それほど長くなかったです。
すぐに番号を呼ばれて、その担当者に書類を渡せば、あとは向こうがパソコンに情報を打ち込んだりしてすいすい作業を進めて、仮滞在許可証が発行されました。
記載内容を確認した後、サインして、無事に仮滞在許可証ゲット!


それと同時平行で、滞在許可証取得のために必要な、健康診断受診のための予約をとりました。
これは窓口が別で、仮滞在許可証発行に少し時間がかかる間に、この窓口に移動して予約をとる形でした。
担当者が、具体的な日付(私の場合、約2週間後)と時間の選択肢を提示してくれたので、その中から都合のよさそうな日時を選びました。
そうすると、その場で、Convocation(召集状、健康診断の際に必要な書類)を発行してくれました。


ということで、受付を通過してしまえば、あとは順調でした。
健康診断と滞在許可証取得については、日を改めて。