2011-09-25
防振台のアレンジ・パート2 (測定編)
ドラム | |
タイヤふにゃふにゃシステムを導入して、4年と半年が経ちました。
このシステムは防振性能・費用対効果ともに非常に優れているのですが、タイヤチューブを使うという性質上、パンクに伴うメンテナンスを避けられないのが大きな欠点です。
家計簿からこの4年半の統計をとったところ、タイヤチューブを購入した本数は合計24本、費用は平均 3,627 円/年といったところでした。これはシステム導入当時の私の想定(4,000 円/年)とほとんど合致していますので、価格面については、特に問題はありません。
しかし、24本買ったということは、4年半でおよそ20回近くはチューブの交換作業を行っているということです。
何が面倒かって、この交換作業が非常に面倒なのです。
このあたりの愚痴と、システムのアレンジの試み、そして失敗までの経緯は過去の日記に書いておりますので、お暇ならご参照下さい。(→ふろろぐ:「タイヤふにゃふにゃシステムのアレンジ」)
前回の試みから1年半。
失敗に懲りずに、この面倒な交換作業を減らすため、タイヤチューブに替わるさらなる新しい素材を探し続けてきました。
そして数日前、ふと思い立って購入しましたものがあります。
それが、「バランスディスク」です。
はい。フィットネス器具です。
バランスボールの親戚ですね。
直径34cm×厚さ7cm(負荷無し時)、素材はゴムではなくPVC(ポリ塩化ビニル)製で、内部には、大人が両足で乗っても足が地面に接地しない程度の空気が入っています。パンパンの状態から半分くらい空気を抜いたって感じですかね。ディスクの片面には、足や腰のツボを刺激するための突起が無数に並んでいます。
このバランスディスクを床に置いてその上に両足・片足で立ってバランスをとったり、イスにおいて腰回りを鍛えたりするのが正しい使い方だそうです。
……しかし、
- タイヤチューブと同じ、空気を基本としたエアクッション。
- 動画で観た限りは、かなりやわらかそう。
- 器具の重さは1kg程度。それでいて 100kg まで耐える荷重性能。
これって、タイヤチューブの代わりに使えるんじゃね?
と思ったわけです。
気になるのは、その硬さと柔軟性です。
たとえば、タイヤふにゃふにゃシステムでも「タイヤチューブを敷き詰め過ぎたら制振効果がなくなった」という例が報告されています。チューブをみっちり敷き詰めたために個々のチューブの伸縮性が弱くなり、上からの平面圧力に対する抗力(=そのまま下に伝わる力になる)が強くなったんですね。
バランスディスクについても、PVCが硬めだったり分厚くなってたりすると、エアクッションの効果はあっても制振効果はない、ということがあり得るかも知れません。
しかし、もしこれがタイヤチューブと同等の性能を発揮できるのであれば、バランスディスクは、その目的からしてタイヤチューブとは比較にならないくらいパンクに強いので、交換作業が事実上なくなるのでは!?という期待を抱いています。
それを確認してみるためにはまず実際に自分の手で触ってみるのが一番なのですが、残念ながら、自分の回れる限りのデパートやスポーツ店ではバランスディスクを扱っていませんでした。
ということで、困ったときの Amazon。
いくつかあるメーカー品の中から、100kg荷重に耐えられ、余計な備品(トレーニング冊子・DVDなど)が一切付いておらず、ポンプも必要の無い(最初から膨らんでいる)、シンプルで安いものを1個だけ発注しました。それが先ほどの写真の商品です。
前置きがえらく長くなってしまいましたが、今日のテーマは、バランスディスクにどの程度の制振効果があるのかを具体的な数値で検証してみることです。
そのために、簡単な実験装置を作ってみることにしました。
まず用意したのは、PC用のコンデンサマイク。
小さい割に、結構な集音力があります。
これを、スポンジゴムの切れ端を使って、こんなふうにセッティングしました。
そして、このマイクを、桂で出来たミニ土台の裏に装着します。
この土台を床板と見なすわけです。
……はい。ここまででもうお分かりかと思いますが、マイクを振動計の代わりに使おう!という魂胆です。
高いんですよー!振動計ってヤツは!本当に!(涙
たった1回限りの実験のためにホイと買える値段じゃないです、あれ。
業者向けには機器のレンタル業まで成り立ってますよ……。
というわけで、振動をマイクの音量として相対的に振動量を知ろうという目論見です。
もちろん、コンデンサマイクでは固体伝搬音を直接測ることはできませんが、マイクが伝搬物体ぎりぎりの位置で拾う音量と制振性能には比例した相関関係がある…… と信じてます。(ぉぃ
そんでもって、土台の上に防振台の板と同じ厚さの木板を買ってきて配置し、その上に、ドラムの荷重を再現するための段ボール箱を置きます。段ボールの中には中身の入ったビンがいっぱい入ってまして、全体の重さは約15kgになります。
うちのTD-12の場合、いろいろ含めて、全体で 50.1 kg が防振台に載っています。これを1枚の板と5つのタイヤチューブで支えているわけで、実験するなら1つにつき 15kg もあればいいかなーという感じで。実際にはTD-12の4本足すべてに平等に荷重がかかるわけでもないんですけどね。向かって左前の足なんて 6kg しかかかってないです。(でもその下のタイヤチューブは容易にパンクした…)
そして、これが荷重用段ボールの上部。
段ボール箱に固定した空箱と、300mlほどの水がはいったプラスティックボトルがあります。こいつが、ドラム演奏中の振動を摸す「簡易振動発生装置」です。
測定時は、ボトルの底側を以下のように空箱に乗せて、口側を手に持ちまして…
手前に引いてゴンッと落っことす、と。
このときにマイクが拾う振動を、フリーウェアの Sound Engine Free で録音します。
そして音波を解析して最大音量を出してもらい、それを比較するという手順になります。
固定伝搬音の伝搬媒体が金属じゃないため本番とは測定値が違ってくると思いますが、知りたいのは相対的な値なので今回はこれで。
以上が今回の実験装置です。
しょぼいですね。
言うな。
今回は、以下の6パターンについて測定しました。
1. バランスディスク(土台と板の間に挟んで振動を計測)
2. タイヤチューブ(同上;ふにゃふにゃシステムで使い初めてまだ2ヶ月のもの)
3. スポンジゴム1cm厚(同上)
4. ぷちぷち4枚重ね(同上)
5. 板のみ(土台と板の間に何も挟まず振動を計測)
6. 環境音(振動を与えず計測)
音を抑えるために窓もドアも閉め切り、扇風機もクーラーも止めて、15kgの荷物を何度も上げ下ろししつつ、やり直しも含めて約2時間。汗だくだく。
苦労の末、測定結果は以下のようになりました。
表の見方は以下の通りです。
「最大音量」は、マイクで測定された音量の最大値です。Sound Engine は 0 dB を最大音量とするソフトですので、値がマイナス方向に大きいほど小さい音だと言えます。
「量子ビット数」は、言うまでもなく、録音時の PCM のサンプルビット数です。
続く「ダイナミックレンジ」は、量子ビット数から機械的に算出されます。16bit PCM では、96 dB の範囲を持つ任意の音圧を表現することができます。ここでは 0 dB を最大音圧(音量)としますので、-96dB が最小音圧(音量)となります。
「音圧レベル」は、最大音量ではなく最小音量を 0 dB に変換してみた値です。
正数の方が直感的で好き。
「p/p0」は、最大音量を 1 と見なして正規化しつつ、かつ、対数目盛(dB)ではなく直線目盛(パスカル)にマッピングした場合にいくつになるかを示しています。パスカルとはいえ、あくまで相対値です。例えば、ある音Aと音Bのこの数値が 1:2 であれば、音Bは音Aの2倍の大きさに聞こえるよ、という、それだけのことです。実際の絶対音量は不明です。つーか今回の実験では知る必要もありません。
写真下部のグラフは、その「p/p0」を横に並べて比較してみたものです。縦軸は棒グラフなのに絶対値ではなく相対値であったりするわけですが、絶対値だと考えても特に問題ないと思ったので、棒グラフにしました。
グラフを見ると、バランスディスクの音量(≒振動)が、タイヤチューブよりも小さいか、ほぼ互角だということが分かります。
これなら、タイヤチューブに取って代わることが十分に可能そうですね!
さっそく今日、Amazon で同じバランスディスクを追加で5つ発注しました。
1個 1,868 円なので、今持っている1つを含めて全部で 11,208 円の投資になりますが、この4年半でのタイヤチューブの購入総額は 16,320 円にもなっているので、これで交換作業なしで5年以上持つなら大歓迎です。
今週中には届くと思いますので、バランスディスクで防振台を組み直したら、また日記でレポートしたいと思います。
うまく行くといいなー。











