Summicron 35mm 8element

嫁さんにボーナス(コレ、私の稼ぎです)でLeicaをかってもらった。2001年の7月。
清水の舞台から飛び降りる想いだった。


M3+Summicron50mm。


その1ヶ月足らず後の8月、ヨーロッパに出張する機会を得た。

ドイツとスイスのフリータイムで、カメラ屋を探しまわった。

ケルンの街中で出会ったのがこのSummicron35mm初期型8枚玉である。



ウインドーの中のそれはボディが傷だらけであった(今も傷だらけです)。


非常に気になったのだが、傷だらけ。
工具箱の中にでも放り込んでトラックで揺さぶられてたのかと思った。
でもねぇ・・・・・いくら相場よりかなり安いといっても、高いし。1000DM=57,000円。
ぼろぼろだ・・・・・ちゃんと写るのかよ。


距離のインジケータはメートルとフィート両方で表示されているのだが、
ご当地ドイツではなじみのないフィートの字は消されている。
打刻されているので、そこに染み込んだインクが丁寧に消されている。


また、Leitz社のレンズでいちばんおいしいところであるf4とf5.6の部分だけ、赤に塗られているのも印象的。



一度は旅行客でにぎわうその店を出て思案した。


ぼろぼろだ・・・・ぼろぼろだ・・・・・あぁ〜〜〜〜〜〜〜


ちょっと待て!
ぼろぼろになるまで使いこなされているのは、
実は銘玉だから前の所有者がとことん使い込んだのではないか!


そして店へ戻った。
そして店員に質問したっ!

"Is this a good lens?"

年配の店員はちょっと間を置いて応えた。


"Yes・・・,it's a good lens."


よぉ〜し、買ったぁ!!!


で店を出たところですぐ袋から出して光にレンズをかざしたのですが
・・・・・き、傷だらけやんか!!!


日本に帰ってきてからネットで調べ、
山崎写真光学研究所がレンズ磨きではベストだという
情報を得て磨きに出した。


という経緯で入手した8枚玉です。


これが銘玉かどうかは知らないけど(ぼくはそうでもないと)、
ある瞬間、すごい空間描写をするのは確かなようです。



たしかに、ボケた部分の質感描写はいつも良い感じに写ると思う。
しかし肝心の被写体の肌の具合が時にノッペリとした感じになる場合がある。
8枚玉の作例はネット上で多いので注意してみて欲しい。
この写真(カラー)はマシだけど。
人肌を綺麗に写し出すのが名レンズなら、8枚玉はちょっと外れなのかも・・・



子供と外出する時はスーパーに行く時にも雨の日以外、たいていM2+Summicron35mmを持って出る。