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うたかたの空夢 Twitter

2009-02-05 Roundabout

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Wiiの『FRAGILE〜さよなら月の廃虚〜』をクリアしました。

ラスト直前のセーブデータで13時間ちょい。ゲームオーバーになった分も計上すると15時間弱といった感じでしょうか。


まず、システム面での不満があります。

視界の左右移動もしくは向きの反転など、リモコンを使った移動面はかなり操作しずらかったです。敵のバランスがぬるめだったから対応できましたが、結果として無駄なダメージを数多く受けました。


またアイテム管理は「かばん」と「手荷物」の二段階になっているのですが、これが非常に不便。

装備品および使用アイテムは「手荷物」に入れておかなければなりません。

この「手荷物」は3×4のマス目で構成されています。(進行状況で拡張される)アイテムは「回復のあめだま」は1×1、武器の「鉄パイプ」は1×2、飛び道具の「クロスボウ」は4マスの凸形など。これを向きを変えつつパズルの様に納めなければなりません。

そして、ダンジョンに配置されているイベントアイテムや敵の落とすドロップアイテムも「手荷物」に収納しなければ持ち帰る事ができません。なので「手荷物」に「空き」を用意する必要があるのです。入手したアイテムは「謎のアイテム」扱いで、セーブポイントの「焚き火」に入って初めて正体が判明します。そのため、少しアイテムを獲得しては「焚き火」に戻りを繰り返す事になります。これがとても面倒。

さらに武器は何度か使っていると壊れる事があります。壊れると当然の事ながら攻撃力が激減しますので、場所によってはピンチに陥ります。対処法として予備の武器を用意しておくべきなのですが、上記の「手荷物」制限のため予備の武器を持ち歩く余地がほとんどありません。後半に拡張されても、私の場合は棒系武器と飛び道具を1個ずつ持つのが限界で、予備は我慢。槍系、ハンマー系は一切使いませんでした。

このシステムを考えた奴、バカだろ。


マップ関係。リアルな方向に持っていきたかったのか、とにかく広い。

広いだけならともかく、何も無いのに広い。ただひたすら何も無い長い通路を延々と歩かされる。途中で「これ、昔のRPGによくあった、無限ループ通路の罠とかじゃないよな?」と思った位。

「廃虚探索RPG」というジャンル設定にも関わらず、探索できない。舞台は地下鉄の駅、地下商店街、倉庫、遊園地、ホテルと続きますが、ほとんどの場所で置いてあるオブジェに干渉できない。商店街の店はシャッターが降りていて、結局は何も無い地下道と一緒。遊園地もイベント上でコーヒーカップとジェットコースターのレールに乗れただけ。テクスチャーを貼った背景が続くだけで、これならそこらのFPSの方がよっぽど探索してます。

ガラスを割れたり、倒れている家具を動かしたり、それによって行き止まりを進める様になったり。そういうゲーム性が望まれているんじゃないかと。

崩れる床などの理不尽な地形はあるけれど、通常の床はまっさらな物で、その辺りも割れたガラスを踏み砕いている様なジャリジャリ感が表現できなかったのだろうか。


そして、これはモンスターのデザインにも関わるのだけど、全体的な雰囲気がホラー系に偏っている。

モンスターにしろ、主人公に同行するキャラにしろ、霊的な存在が多い。これはオートマータやロボット、人口知能などで十分だったと思うし。中盤以降、「不思議なライト」で壁に隠された文字を読む事ができるのだけど、それもプレイヤーに不安感を抱かせる類の物だったり、部屋一面びっしり書かれた文字が「死にたくない」だったり。

「廃虚」が数年前から静かなブームになっていて、私もライトではありますが好きです。

そのマニア層の趣向が一部で心霊ファン層と重なっているのは確かです。心霊現象目的の廃虚探索オフなんてのも珍しくはないでしょうし。ただイコールではないんですよね。心霊とは全く関係なく廃虚に魅力を感じた人が、このソフトに期待していたと思うんですよ。ノスタルジーと言うか、諸行無常と言うか。廃虚的な魅力で言えば、私は『サイレントヒル』シリーズの方がよっぽど良かったですよ。

「RPG」を謳っていますがそれこそバトルやレベルも必要ないでしょう。探索面を重視して、オブジェなどをもっと作り込んで、そういう方向性で行けば評価されたと思います。


「記憶アイテム」から宿った記憶を読むという設定は良かったです。『バイオショック』でも音声ログを使ってましたが、これによって物語の背景に何があったかが何となく伝わってきます。このソフトの場合、聞いて鬱になる様な悲劇ばかりですが。


ネタバレになってしまいますが、人間が滅びた理由が「人類補完計画」だったのは今さら感がありました。

ラスボスもね、動機は認めるにしても、倒した後の展開は無いだろと。ある意味、『トラスティベル』よりヒドいオチだぞ。

エンディングで、生き残った少女レンと一緒に他の生存者を探す旅を続ける事になるのですが、数年後に「本当に僕はひとりぼっちになってしまった」と語られます。レンは死んでしまい、主人公のセトは一人で旅を続けるのでしょう。

そういう展開にするなら尚更、霊は出さないでほしかった。霊とは言え、意志の疎通ができる相手がいるのと、心を持たない機械しかいないのとでは、一人ぼっちの意味が違ってしまうでしょうに。


何と言うか、本当にもったいないソフトだと思う。素材は良かった。グラフィックも音楽も、声優さんたちも、そして「記憶アイテム」によるサブストーリーも。「廃虚探索」をテーマにする事も間違ってなかった。でも調理方法を間違ったんだな。どこの黒毛和牛を使おうが、最高級のキャビアを使おうが、お客さんの前に出された料理が全てであって。その最終段階で満足されなければ素材なんか何の意味も持たない。小さな中華料理屋が出したレバー焼きの方が美味しかったりするのですよ。そこが、このスタッフにはわかってなかったのかな。まぁ、納期の件で妥協したのかもしれませんが、それはそれで問題ですけどね。

後半プレイ中もクリアしたら買取に持っていこうか悩んでました。でも、手元に置いておく事にします。

いずれ買取価格が下がった頃に手放す気になるかもしれないけどね。クリアしたゲームを持っておきたい「コレクター癖」の哀しい性なのよね。点数は100点満点で58点て感じかな。


ああ、猫はかわいかったわ。猫にももっと干渉したかった。犬は眼を赤く光らせて、口からは炎が吹き出て、まるで地獄の番犬ガルムみたいのばかりだったけど。


ちなみにサブタイトルの『Roundabout』は私の大好きなプログレ、YESの『Fragile(こわれもの)』の1曲目。リック・ウェイクマンの在籍していた黄金期のアルバム。

私は高校の時、かがみ♪あきら氏のファンで、彼の影響でYESを聴き始めた。今でもCMに使われる『ロンリーハート』の収録されている『90125』が最初だったけど、本当にYESが凄いと思ったのは『Fragile(こわれもの)』だった。

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