2010-02-08
■[美術]ウィリアム・ケントリッジのすばらしきアニメーションを国立近代美術館にて
南アフリカ
今年は、ワールドカップの開催で話題なのは南アフリカですが、そんな南アフリカを代表する現代美術家ウィリアム・ケントリッジ(William Kentridge)の個展が東京国立近代美術館にて開催されていて、開催期間が短い故に、2月14日には終了してしまうという展示に慌てていってきた。
映像中心
ここのところ、なんだか、映像関係の展示を見に行くことが多く、一時映像だと展示のしかたによっては、うまく楽しめなかったりして批判的な立場をとっていた私ですが、展示側が工夫するようになってからか、もしくは、こちらが慣れてきたが故なのか、最近は、そんな映像展示を十分に楽しめるようになってきた。ただ、時々、時間切れになって最後まで堪能出来ないということもしばしばという事態ではあって、しかし、今回のウィリアム・ケントリッジは最初からそんな映像中心の展示であると分かっていたので、十分な時間の余裕を持って鑑賞。
ウィリアム・ケントリッジ
で、そのウィリアム・ケントリッジについて少し紹介しておきますと、って偉そうにいうほど詳しくはないのですが、先述の通りで、映像作品が主となる作品。映像といってもいろいろあるけれども、この人の作品は、アニメーションで、しかも、その映像の作り方が、ドローイングを発展させてできあがったもの。というと、なんだかよくわからないと思うのですが、いわゆるアニメーションのように場面場面を一枚ずつ描いてというのではなくて、どちらかというとクレイアニメーションのイメージに近いそれ。木炭などを用いた基本白黒に若干青や赤が混じる程度の配色をベースにした絵画が、描かれては、少しずつ書き直されていく様をつなぎ合わせてアニメーションにしているものって、説明ではわかりにくいと思うので、以下を参照ください。
で、この人の作品、私はかつて何かの展示で見て以来大好きになって、現代の私の好きなアーティストの一人でもある。
3時間ぐらい
そんなアニメーションがずらりと並ぶ今回の展示は、確か、映像作品の全ての再生時間を足すと2時間にも及ぶもの。で、作品によっては、1回の再生では全てを味わい尽くすことが困難な作品もあるため、ちゃんと見尽くそうとすると、かなりの時間が必要、ついでに体力も。
私の場合は、全てを鑑賞したので、3時間くらいは鑑賞に時間を要しました。ということで、これから見に行く方は、ってもう今週末には終了してしまいますが、時間に余裕をもつことをお薦めします。ちなみに私は、平日にいったので、そこそこ空いていましたが、休日はどうなのかは分かりません。
すばらしい
全体の感想ですが、まぁ、好きなアーティストの作品ということもあって、すばらしいの一言。ウィリアム・ケントリッジのあの味わい深い木炭ドローイングのアニメーションをあれほどまでに堪能出来るともう満腹このうえない展開。特に私が好きなのは、若干まじりこむ赤と青の色合い。これがどちらも鮮明なそれではないだけに、全体の画面に漂う微妙な雰囲気がとても心地よいのです。
若干解説
作品数が多すぎて解説困難なのですが、すこしばかりしますと、アニメーション作品としては、若干政治的な風刺の臭いのする作品から、ただただユーモラスである作品から、現代を表現していると感じられる作品からと、様々な側面のアニメーションが展示されている。それに加えて、この作風は今回初めて知ったのだけれども、映像トリックを駆使した作品も多く展示されていたのは印象的だった。
さらに、最近は某映画が3Dで大ヒット中ですが、そんな3Dに見える作品の展示もありで、これは静止画のものと、円筒投影を利用したアニメーションもあり。
さらには、最後に鎮座しているロシアな作品がとても面白くて、ゴーゴリ-の鼻を題材にロシアをこれは、笑い飛ばしているといっていのか、どう解釈していいのか分からなかったのだけれども、ユーモラスに表現した作品へと。
ユーモラス
そう、今回の展示は、全体的にはユーモラスさが包み込んでいて、これがとても良かった。作品によってはシリアスなテーマもあるし、政治的なところもあるのだけれども、いずれもユーモラスに風刺するというスタンスに感じられて、この立ち位置がとてもよかった。ただ一方であるのが、その木炭な白黒な画面と色あせ気味の青と赤が感じさせる侘びしさというかが、これがちょっとひんやりと感じられるという側面。そう、ユーモラスの影にあるというか、ユーモラスで包み込みながらもそこにあるシリアスな貧aya理とした鋭さがこれがただの、アニメーションではない作品であるが所以だと思う。
超おすすめ
ということで、個人的には超お勧めな展示です。単純に、その木炭アニメーションの手法の面白さを感じたり、それ以外にも、トリック的なアニメーションなども多くあるので、じっくりと全てを楽しむというスタンスではなくて、なんと無く、それぞれのアニメーションを長めすぎていくというようなスタンスでも楽しめるのではとも思います。
ちなみに、この次は3月あたりから、広島市現代美術館へ巡回するらしい。

関連リンク:
展覧会情報ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……
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