そんなエサに釣られ…

新日本フィルハーモニー交響楽団
第462回定期演奏会 サントリーホール・シリーズ
指揮:ジャン=クリストフ・スピノ
メゾ・ソプラノ:リナート・シャハム


モーツァルト/歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》序曲
モーツァルト/歌劇《フィガロの結婚》より〈恋とはどんなものかしら〉
モーツァルト/歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》より〈この心の苛立ち,鎮めがたい思いよ〉
ハイドン交響曲第83番ト短調《雌鶏》
ロッシーニ/歌劇《セヴィリャの理髪師》序曲
ロッシーニ/歌劇《アルジェのイタリア女》より〈むごい運命よ,はかない恋よ〉
ロッシーニ/歌劇《セヴィリャの理髪師》より〈今の歌声は〉
ハイドン交響曲第82番ハ長調《熊》

大変楽しみにしてたプロなのに,つい錦糸町に行ってしまうという今年3度目の失態をやらかしてしまい,遅刻。もうやだ自分爆発したい。
着いた時には早くも《雌鶏》が始まっており,ロビーでモニター鑑賞。オーボエが立ったりベルアップしてた模様。
後半だけでも聴きに来た甲斐はあったというもの。《理髪師》序曲からしてニュアンスが徹底していて素晴らしい。シャハムも,スピノジのタクトに合わせて顔芸したりスピノジをどついたりとノリノリである。なかなか深い声のメゾで良かった。ロジーナは軽すぎると邪道な感じがするので。
《熊》はハイドンの最高傑作の一つに数えていいと思っているのだが,それを確信させるほどの理想的演奏だった。第4楽章ではコルレーニョまで使って愉快そのもの。それでも,ロック的云々という前評判ほどハチャメチャではなく,あくまで楽曲が求める範囲で目一杯遊んでるという印象である。偽の終止ではみんな見事に「釣られ」ていた。真の終止でも「ジャン!」を繰り返すおまけ付き。
あれだけ「やんちゃ」っぽい指揮をし続けるのは相当体力のいることだろうなあ。つくづく前半を聴き損ねたのが惜しい。また来日してください。