いーぐる後藤の新ジャズ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-02-05

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第467回 『ジャズレーベル完全入門 〜 増補版』発売記念イヴェント

2012年2月4日    解説  後藤雅洋

●大物の作品

1, United Artists

ビル・エヴァンスジム・ホール『アンダーカレント』より

     《マイ・ファニー・ヴァレンタイン》          5’ 20

2, Roost

バド・パウエルの芸術』より

     《インデイアナ》                   2’ 44

3, Storyville

リー・コニッツ『イン・ハーヴァード・スクエア』より

     《ノー・スプライス》                3’ 30”

4, Tampa

『マーティ・ペイチ・カルテット・フィーチャリングアート・ペッパー』より

     《あなたと夜と音楽と》                3’ 19”

ハードバップの傑作

5, Jaro

J.R.モントローズ『メッセージ』より

     《グリーン・ストリート・シーン》           6’ 19”

6, Jazz Craft

チャーリー・ラウズ『モーメント・ノティス』より

   《ザ・クラッカー》                   4’ 50”

ピアノ・アルバムの傑作

7, Owl

ミシェル・ペトルチアーニ』より

     《オマージュ・ア・エネルラム・アセトニグ》       4’ 22”

8, Black Lion

ハンプトン・ホーズ『スパニッシュ・ステップス』より

   《ソノラ》                       4’ 53”

9, Spotlite

アル・ヘイグ『インヴィテーション』より

     《ホリーランド》                    5’ 32”

フリージャズの古典的名盤

10, Horizon

オーネット・コールマン『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』より

     《テーマ・フロム・ア・シンフォニー 2》        11’ 05”

11, J.C.O.A.

ジャズ・コンポーザース・オーケストラ』より

     《コミュニケーションズ #11》             15’ 10

12, Shandar

アルバート・アイラー・ラスト・レコーディングVol.2』より

     《ミュージック・イズ・ザ・ヒーリング・フォース・オブ・ユニバース》 8’ 15”


Total Time 76’ 19”

2012-02-01

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第466回 『ヒップホップ講座』 2012年1月28日

解説   長谷川町蔵  大和田俊之



1 ヒップホップの誕生

GIl Scott Heron "The Revoluion Will Not Be Televised" 1970

Bobby Byrd "I know You Got Soul" 1971

Fantastic Freaks at the Dixie From『Wild Style』O.S.T. 1983

Sugarhill Gang "Rapper's Delight" 1979

Afrika Bambaataa "Planet Rock" 1982


2 イーストコースト

Eric B & Rakim "I Know You Got Soul" 1987

Pete Rock & CL Smooth "They Reminisce Over You (TROY)" 1992

Black Star "Definition" 1998

Gangstarr "Mass Appeal" 1994


3 ウェストコースト

Dr.Dre "Let Me Ride" 1992

Snoop Dogg "Ain't No Fun" 1993

Pharcyde "Drop" 1995

Dr.Dre "The Next Episode" 1999


4 ヒップホップソウルティンバランドのサウンド革命

Mary J Blige "Be Happy" 1994

Destiny's Child "Get On The Bus" 1998

Missy Elliot "Get Ur Freak on" 2001

R.Kelly "Ignition Remix" 2003

Snoop Dogg "Drop It Like It's Hot" 2004

Busta Rhymes "Touch It" 2006


5 サウス

Jay Z feat.UGK "Big Pimpin" 1999

Juvenile "Ha" 1998

Lil Jon & East Side Boyz "What U Gon' Do" 2004

T-Pain feat. Ludacris "Chopped N Skrewed" 2008


6 ヒップホップの現在

Kanye West "Runaway" 2010

Drake feat.Rihanna "Take Care" 2011

Lil Wayne "6Foot 7Foot" 2010

Tyler, the Creator "She" 2011

Lil B "The Wilderness" 2011

2012-01-30 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

1月28日(土)

良い講演はお客様のリアクションがはっきりしている。長谷川町蔵さんと大和田俊之さんによる話題の名著『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)刊行を記念した本日の『ヒップホップ講座』、講演終了後の質疑応答では高度かつ中身の濃い質問が多数出て、めったに無いことだけど、こちらから「もうこの辺で」と終了宣言を出すほどお客様の反応が熱かった。

例のごとく、曲目ごとの詳細な解説は熱心なジャズブロガー「いっき」さんがご自分のブログに掲載されているので、そちらをご参照していただくとして、私は全体の印象、個人的な関心事を書いておく。

大和田さん、長谷川さんとも初対面。しかし、あらかじめご著書を読ませていただいているので、何とはなしに親近感がわく。また、現在大和田さんの名著『アメリカ音楽史』(講談社選書メチエ)も熟読中なので、お二方の音楽に対する基本姿勢みたいなものには大いに共感を抱いている。

「共感」の中身を思い切り要約してしまえば、“音楽から聴こえてくるものを大切にする姿勢”だと思う。これは当たり前のことのように思われるかもしれないが、世に流通する「音楽書」は必ずしもそうはなっていない。

ジャズ小説の傑作、ジェフ・ダイヤー著『バット・ビューティフル』(新潮社)の書評(『JaZZ JAPAN』掲載)でもちょっと触れたが、文学、美術などに比べ、音楽は一番記述するのが難しい分野なのだ。詳しい説明はいずれ「think」に書こうと思っているので省略するけど、その難しさを理解したうえで、いかに“音楽が鳴っている現場”に寄り添うことが出来るかが「音楽書」のキモなのだが、お二方の『文化系のためのヒップホップ入門』も、大和田さんの『アメリカ音楽史』も、そのポイントがしっかりと押さえられている。

今回の講演に即して言えば、何よりも“具体的な音”の説明がキチンとなされた上で、それが出て来た背景、“物語”等の解説が為されているところだと思う。たとえば、黒人音楽を語るときに、紋切り型のように為される「抵抗の神話」についても、そうした側面を認めつつ、ブラックピープル自身がそれを“相対化”し、あるいは“利用”しているという複雑な内実に対してもサラっと注意を喚起する姿勢は、知的であると同時に、音楽と異文化に対するさり気無い誠意が感じられた。

講演、著書を含め、個人的関心に引きつけて言えば、私の好きな黒人音楽の「黒人性」とされる要素が、必ずしも単純に成立してきたわけではなく、それ自身が「黒人(性)」に対する差異化の視線から生み出された「白人」音楽の影響を想像以上に受けており、また、それらは歴史的に相互に干渉し合ってきたという複雑なループの存在を、具体例を挙げつつ簡明に解説してくれたことだ。

当日の音源について言えば、以前鷲巣功さんに『ヒップホップ前夜』というタイトルで講演やっていただいた頃は、いわゆる「前期」というのだろうか、ちょっと荒々しい感じのトラックが自分の好みだと思ったものだが、その後、原雅明さん、D.J.アズーロさんに『ヒップホップ・プロデューサーを聴く』というタイトルで講演をお願いし、「それ以降」のヒップホップも別の意味で面白いことを知った。そして今回の講演では、そのことが「ヒップホップ史」の流れの中で確認されたことが大きい。

つまり、なるほど、こういう風に変わって来たんだということが少しずつではあるけれど見えてくると同時に、「それぞれの時代の特徴」「それぞれの面白さ」が、うっすらとではあるけれど見えてきたのである。

また、黒人音楽について必ず言われる「アフタービート」の由来について、実はオリジンと思われ勝ちなアフリカのリズムが必ずしも「後乗り」というわけでもないことや、ヒップホップにおけるラテンリズムの影響など、このところ考え続けている問題が俎上に登り、大いに啓発された。

まだまだシロウトに毛が生えた程度のにわかヒップホップファンだけど、このジャンルの面白さが二つの意味で実感されたことが、お二方の講演を聞いての大きな収穫だった。まずは理屈抜きの音の面白さであり、そしてこのジャンルの持つ不思議な音楽的意味である。つまりオリジナル神話に対する挑戦であると同時に、テクノロジーが人々の聴感を刷新していくダイナミズムの現場を垣間見る面白さだ。

そしてこうした風景は、まさに現代的であると同時に、実は太古の昔から音楽とはこうしたものだったのではないかという、不思議なデジャヴ感覚だ。出来うれば、今後もお二方に講演をお願いしたいと思う。

2012-01-26 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

1月26日(木)

中山康樹さんの新刊『かんちがい音楽評論〜ジャズ編』(彩流社)が各所で話題を呼んでいる。私がcom-postに書いた大西順子バロック』(Blue Note)のレビューが取り上げられたりしており、ひとことコメントしておくべきだろう。

具体的な内容については特に異論は無く、ごくまっとうだと思う。ただ、一般的なジャズファンと、私たちのように、ジャズジャズファンの間に位置する人間では、微妙に受け取り方が違ってくるタイプの読み物だとは思った。

皆さんご存知のこととは思うけれど、私と中山さんは個人的知り合いでもある。だから「仲間褒め」と思われる向きもあるだろうが、それはそれで仕方ない。その上で言えば、やはり中山さんは「最後のジャズ評論家」だとつくづく思った。

このところジャズ業界(音楽業界全体に敷衍できるのかもしれないが・・・)では「評論無用論」が幅を利かせているようだが、良く考えてみれば、そもそも「評論」の名に値するような文章が音楽雑誌から姿を消してからもうずいぶんと経っている(一般誌、文芸誌などでは、時折優れた読み物に出会えるのだが・・・)。つまり、もともと無かったものを「無用」と言っても意味がないとも言えるのだ。

これは本書で中山さんがいみじくも語っているように、ライナーノートや雑誌という媒体の性質上、最初から肯定的に書くことを運命付けられているような文章に、批評性などあろうはずも無い。

結局、ジャズ界で批評性のある文章を発表するには単行本しかなく、多くのファンが「ジャズ評論家」と信じて疑わない「ジャズ(音楽)雑誌レビューアー」の書いているものは、そもそも初めから「批評」足り得ないことを運命付けられている。

こうした「業界メカニズム」を知り尽くした中山さんは、単行本という自由な媒体で自らの音楽評論を次々と発表している。この姿勢は「評論家予備軍」は心して学ぶべきなのだが、どうもそのあたりがうまく機能していない。今年還暦をお迎えになる中山さん以降の世代が思うように育っていないのだ。

もちろん優れた感覚、体験、文章力を持つ書き手はいくらでもいるのだが、今回の中山さんの著書のような「あえて火中の栗を拾う」体の「過激な」発言は、雑誌では封印されている。結果、中山さんが「最後のジャズ評論家」となってしまっているのだ。

中山さんだってこういった状況をよしとしているわけは無く、ある意味で若手(と言っても、中山さん以降の世代はもう50代に差し掛かっているのだが・・・)を挑発する意味でこうした著書を発表されたんだと思う。そうした中山さんの「苛立ち」は私も常日頃感じているところで、ほんとうに音楽に対する「愛」があるなら、一刻も早く「ぬるま湯雑誌媒体」を卒業し、単行本で勝負すべきと思うのだ。

余談ながら、中山さん以降の世代でも、たとえば原雅明さんの『音楽から解き放たれるために』(フィルムアート社)などは優れた批評性を感じたし、また、今週末イヴェントを行う大和田俊之さんと長谷川町蔵さんの『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)など、ジャズ以外のフィールドに属される方々の優れた「音楽批評」は、むしろ増えているように思う。

これもまた中山さんの「苛立ち」の原因だろう。そしてその「苛立ち」、というより、自らが属する「ジャズ業界」の不甲斐なさを、私も人一倍強く感じている。まあ、エラそうなことを言うならオマエが書けというおことばが聞こえてきそうだが、やはり若手が育ってくれないことにはいかんともしがたい。

最後はグチになってしまい、もうしわけありません。

明星一平明星一平 2012/01/28 13:52 もしかしたらいーぐるは「最後のジャズ喫茶」なのかもしれませんね。

aaaaaa 2012/02/01 01:30 「ジャズ業界」がふがいないのではなく、「ジャズ批評家業界」がふがいないの間違いでは。

村井康司あたりを除いて、未だに技術的・学理的な指摘ができない批評家が多すぎる。

これは「演奏技術や学理に精通していなければ、ジャズは解らない」と言っているのではない。

最低限音楽を言葉で説明し、またその内容を批判したいのならば、大学卒業論文程度の文章力と旋律・和音のトランスクライブができて然るべきだ。

それができないのなら「取りあえず褒めておく」評論家やブロガーの方がまだ物書きとしてまともだろう。
何故なら自分の感性のみで批評を展開する「印象批評家」のように、無責任な発言をまき散らさないからだ。

印象批評家はスポーツ番組に時々出てくる、ゲームのルールを知らない芸能人解説者と同じように振る舞う。

すなわち勝つために戦略や戦術をどのように変えればいいかではなく、精神論やランキングにしか言及できないのだ。


従って、もし「ジャズ批評家業界」を本気で憂うのなら、批評家一人一人が自分の文章力と聴音力にもう一度謙虚に向き合うよう呼びかけるべきだ。

eaglegotoeaglegoto 2012/02/02 00:52 明星一平さま

確かにいーぐるは「最後のジャズ喫茶」なのかもしれませんね。そう言われて嬉しいやら寂しいやら、複雑な心境です。

aaaさま

おっしゃりたいことは良くわかるのですが、ふがいないのはジャズ批評家ばかりではないのですよ。ジャズ業界もまた、ふがいない。

楽理にも通じ、文章表現にも優れたジャズ評論家(仮にAさんとしておきましょう)が書いたアルバムレビューを読んだ某ベテランミュージシャンが、記事を掲載した雑誌社に猛烈な抗議文を送りつけてきました。気骨のあるAさんは、抗議文とそれに対するAさんの反論を次号雑誌に掲載するよう雑誌社に提案したのですが、事なかれ主義の雑誌社は「まあ、まあ」と表ざたにすることを拒んだのです。

雑誌レビューに対して、当の書き手ではなく、掲載誌に圧力をかけるのはどう考えてもまっとうなあり方とは思えません。また、それに対し、毅然とした態度をとることなく「隠蔽」する日本のジャズ業界の体質は、私には健全なものとは思えません。いくら優秀な評論家がいても、その能力を発揮できる状況がなければいかんともしがたい。

また、aaaさんが見過ごされているところもあるかと思います。それは、(「学理」ではなく)楽理や演奏技術を指摘した批判は、ミュージシャンには理解できても、一般の音楽ファンには届き難いという問題です。

ですから、そうした知識をふつうの方々にもわかることばに翻訳しなおす必要があるのです。もちろん村井さんはそうしたことは百も承知ですから、一般音楽ファン向けの記事では、生な形で楽理や演奏技術の解説はしていないはずです。

また、アマチュアミュージシャン以外の一般音楽ファンは、楽理や演奏技術に対する関心より、それらのもたらす「音楽的効果」の方に興味の中心があるので、それが「どのように聴こえるのか」といった感覚的な記述を行うことは、あながち間違っているとは言えないのではないでしょうか。

こうしたジャズの批評の原理的問題については、いずれthinkで取り上げることもあるかと思いますので、その折にでも改めてご感想をお寄せいただければと思います。

最後に付け加えれば、いくらふがいないとは言え、「大学卒業論文」程度の文章力でジャズ評論家として通用するほど、この業界は甘くはありません。

2012-01-24

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第466回 1月28日(土) 15:30より

●『ヒップホップ講座』

 話題の著書『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)の著者、長谷川町蔵さんと大和田俊之さんをお招きし、ヒップホップについて音源を聴きながら熱く語っていただきます。

                     解説 長谷川町蔵 × 大和田俊之

第467回 2月4日(土) 今回に限り16:00より

●『ジャズレーベル完全入門 〜 増補版』発売記念イヴェント

 好評のロングセラー『ジャズレーベル完全入門』(河出書房新社)発売を記念して、新たに増補された19レーベルのうち、オススメのアルバムをご紹介いたします。なお、当日は著書の販売もいたします。

                              解説 後藤雅洋

第468回 2月25日(土) 15:30より

●『文藝・別冊 ジョン・コルトレーン特集号』(河出書房新社)発売を記念して、中平穂積氏撮影による貴重なコルトレーンの映像を見つつ、ジョン・コルトレーンを熱く語るイヴェントです。

                              解説 中平穂積

第469回 3月3日(土) 今回に限り16:00より

●プロデューサー・シリーズ 〜 第1回

 あまり知られることのないレコード、CD制作の内幕を、日本を代表するジャズ・プロデューサーに聞くシリーズ企画の第1回目は、日本におけるブルーノートの名声を確立させたEMIの行方均さんをお招きし、音楽プロデュースの実際を語っていただきます。

                              解説 行方 均

第470回 3月10日(土) 15:30より

●仮タイトル「ジャズラテンの関係」

 近頃言及されることの多いジャズラテン・ミュージックのかかわりについて、実際に音を聴きながら解説していただきます。

                              解説 山本幸洋

第471回 3月17日(土) 15:30より

●『サンバの「超」粋な男と女たち』

 昨年講演を予定していましたが、地震で延期となっていた講演を行います。

                              解説 荻原和也