2008-08-31

8月30日(土)
「耳が良い」ことで定評のある阿部ちゃんのデクスター・ゴードン特集。聴いているうちに、途中から「気持ちワルく」なって来た。かけるトラックが私の好きな曲ばかりなので、まるで自分が講演の選曲をやっているような気分になったからである。
たとえば、『ダディ・プレイズ・ザ・ホーン』(Bethlehem)。こういう作品はけっこうコワく、何をかけるかでその人のデックス観が見えてしまう。それを阿部ちゃんは的確にこのアルバムの目玉《ナンバー・フォー》で勝負。圧巻は後半のキメどころで、現在廃盤のため、あまり知られていないブラック・ライオンの『モンマルトル・コレクション』から、ロリンズに迫る名演《ソニー・ムーン・フォー・トゥー》。もちろんこれはサイド、ドリューの名演でもある。そして、これまた凡演も多いためちょっと視線から外れがちなスティープル盤から、的確に傑作『バウンシング・ウイズ・デックス』の《カタロニアン・ナイト》。もう、言うことナシです。
もっとも私の認識不足を教えてくれる選曲もあって、他のトラックがイマイチなので無視していたジャズランドの『ザ・リサージェンス・オブ・デクスター・ゴードン』から、バラードの聴かせる曲《ジョディ》。やはりちゃんと聴いている人はツヨイ。昔のジャズ喫茶ではこういう耳の良い人が一目も二目も置かれていたので、頭デッカチの能書き小僧など出てくる幕はなかったのである。
決まり文句ながら講演のレベルが高いと打ち上げも盛り上がり、ジャズがらみの話題、まったくもってバカバカしい最近の身の回りの出来事などをタネに、爆笑の連続。実のある話ももちろんあり、雲ちゃんに某雑誌での対談企画をお願いする。雑誌編集の実績のある雲ちゃんは事前に見事な企画書を用意してくれ、これで行くことがその場で決定。
また、以前から予告していたジャズ・サイトのデザイン等が本決まりとなり、実施手順の詰めが、技術部門責任者須藤さんと、編集部門責任者益子さんとで話し合われる。横で聞いていたが、ネット技術はちんぷんかんぷんのワタクシは、曖昧に頷くのみ。それでもプロジェクトは進んでいく、ありがたいことだ。須藤さん、益子さん、感謝!
阿部さん、お疲れさまでした。
後藤さん、カタロニアンは、ファイヤーじゃなくて、ナイトですよ(笑)。
リズム隊がずっしりとしたブルーノートのデックスも好きですが、私はスティープル・チェイス盤もけっこう好きでして、昨日おかけになられた、『バウンシング・ウィズ・デックス』はもちろんのこと、
『ジ・アパートメント』のタイトル曲なんかもゴキゲンで、よく歌っていて個人的にはお気に入りです。
ドリュー、ペデルセン、ヒースと、スティープルチェイスおなじみの顔ぶれが、楽しげに演奏している隠れた(?)名演なんじゃないかと思っています。
ただ、昨日も質疑応答で申したとおり、上記顔ぶれでの演奏は、ブラックライオンの《ソニー・ムーン・フォー・トゥ》で、もうメイッパイ堪能したので、次曲のスティープル・チェイスからのセレクトは、ピアノがテテの《カタロニアン・ナイト》で大正解だったと思います。
これが、選曲リストだけを見て感じる感想と、実際に現場で音を体感した感触のギャップの怖さで、
近々アップされるであろう選曲リストを見ると、16曲中の半分以上がブルーノートでバランス悪いんじゃないか!?と感じられる方も出てくるかもしれませんが、いえいえ、そんなことなかったんですよ。
もちろん、リストを渡されたときは、私も最初はそう感じたのですが、実際通しで聴くと、そのような違和感はまったく感じませんでした。
飽きない流れとメリハリの効いた、バランスの良い素晴らしい選曲だったと思います。
すごく講演時間が短く感じられましたから。
というか、昼間の「いーぐる」でコーヒーを飲んでいる時と同じ感覚で過ごせました。
だから、後藤さんが「気持ちワルい」と言うのも、なんとなく分かるような気も(笑)。
客としては気持よくても、音をかける方としては、そう感じるものなんでしょうね。
特に、ラストナンバーは、ハードに迫り、ゴードンもリズムセクションも一丸となってすごい勢いです。
ただ、この曲名、なんて読むんだろ?>Antabus
わからないので、いつも、アンタブスといってます(笑)。
『スイス・ナイト』は、たしかにえらく長い演奏があったり、デックスの怪唄があったりで、よく聴けば、いい演奏もあるんだけれども、まるごと1枚、コレがいい!という決め手にかけるのが難かもしれません。
『サムシング・ディファレント』もジャケ写とともに、中身もイイですよね。