第492回 2月23日(土) 【15:30より】

●「ジャズと言えばピアノトリオ」

ジャズの基本編成であるピアノトリオは、ジャズの入り口に最適なのはもちろんのこと、多くのマニアやコレクターを引きつけてやまないジャンルです。実り豊かな歴史をまとめた『ジャズと言えばピアノトリオ』の著者が、おすすめの作品と共にその魅力を解説します。またゲストにピアニスト、西山瞳さんをお迎えして、お気に入りの作品をご紹介いただきながら、この世界の素晴らしさを語り合います。
 
          解説 杉田宏樹    ゲスト 西山瞳


第493回 3月9日(土) 【15:30より】

●「ジャズ・ファンに捧げるモダン・タンゴ名曲名演」
ジャズとタンゴは歴史が長い音楽として広くその名が知られています。そして、いくつかの共通点があります。まず、長い歴史において、1920年代に初期のスタイルが完成し、40年代にモダン化が進み60年代まで絶頂期、70年代以降は新機軸がない...といった大きな流れがあること。また、曲の出自に違いはありますが、スタンダードと呼べる曲が存在し、編曲や演奏、歌唱の創造性が高く、その創造性や個性が尊重されるのが特異な美的センスといえます。

ただ、ジャズには地域性が大きいことや、タンゴはかの地での音楽としての歌謡性/ヒット性が高く、しかもダンス音楽としての側面も大きいことなどが異なっています。あ、ジャズ・ファンの大半はモダン派ですが、タンゴ・ファンの多くは古典派(グァルディア・ビエハ)なのも違いますね。というわけで、ジャズ・ファンには潜在的にタンゴに興味を持つ層が一定数いると確信している(私がそうだからです)のですが、ガイド本も少ないし、CDも見かけないし...そもそもマジな鑑賞対象として認知されていないのでは?

そこで、ジャズのエポックと少しだけ対比させて、年代順にタンゴの名曲名演を紹介いたします。私はモダン派なので、ハード・バップ〜モーダルと同じように楽しめる50〜60年代の超名演を中心にお届けします。いーぐるのオーディオで聴くモダン・タンゴをお楽しみに。
                       解説 山本幸洋



第494回 3月16日(土) 【15:30より】

オーネット・コールマン/ハーモロディック・ファンク再考

ジャズ界トップ級の電波野郎たるオーネット・コールマンのあらゆる自由表現の礎となっているのが、自ら名付けたハーモロディック理論。そして、彼は1972年以降、ブラックホール的な流動性を孕む人間基準法違反ファンク表現に鋭意手を染めるようになる。ジャズと他のグルーヴ/ポップ語彙を交錯させるジャズ系担い手が脚光を浴びる今だからこそ、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーら同様の持ち味を持つ舎弟奏者たちの活動も追いつつ、アフリカン・アメリカンの美点が内在しまくるオーネット流突出ファンクの真価を情緒的に問い直す。
                             解説 佐藤英輔



第495回 3月30日(土) 【15:30より】

● 『ビートルズ音楽はいかにして生まれたか』

プレ・ビートルズ期という言葉があります。つまりビ−トルズ出現までの時代ですが、その頃の英国には、例えばトラッド・ジャズ、スキッフルのような独自の音楽フォーマットが生成しています。むろん外来輸入音楽としての米黒人音楽やロックンロールの流行も。今回はそれ自体の魅力も含め、映像・音源を駆使しながら当時のブリティッシュ音楽シーンを楽しく語ってみます。

                             解説 杉原志啓



第496回 4月13日(土) 【15:30より】

● 『ジャズ・ヒップホップ・マイルス 追加講習』

ジャズとヒップホップの関係を、中山康樹さんの名著『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』と、ところどころ交差しつつ、また別のラインから考察する。

                             解説 柳樂光隆



第497回 4月27日(土) 【15:30】

● 『エチオピアン・グルーヴ!』〜世界に拡散するエチオピア音楽

アフロビートに次ぐワールド・ビートとして世界中から注目を集めるエチオピア音楽。ボストン、メルボルン、パリ、ジュネーヴなど世界各地から、非エチオピア人によるエチオ・ポップ&グルーヴのバンドがゾクゾク登場し、いまやエチオピア音楽はミュージック・シーンの台風の目となっています。

70年代前半の黄金時代から現在までの本場エチオピアン・ポップと、世界へ拡散するエチオ・グルーヴのニュー・カマーをお聴きいただきます。

                             解説 荻原和也