Hatena::ブログ(Diary)
ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

eakumの読み捨て御免っ! このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter







カレンダー
2007 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 |
2009 | 01 | 02 |
2011 | 07 |
2012 | 04 |

2009-02-19 ミヒャエル・エンデ 『自由の牢獄』

[]第42回 エンデ 00:21 第42回 エンデを含むブックマーク 第42回 エンデのブックマークコメント



        はろはろ!
        いっぱんじんがごちゃごちゃいうな
        と言われかねない独断と偏見
        不偏不党のレヴューを今日もお送りいたします


        イミフな方は参照先を
        いっぱんじんがごちゃごちゃいうなとは - はてなキーワード


        ではいつものように拙速



   第42回 『自由の牢獄』 ミヒャエル・エンデ
     ― ボルへシアン特捜隊 報告書#1 ―

自由の牢獄 (岩波現代文庫)

自由の牢獄 (岩波現代文庫)




 ボルヘス系傑作短篇を探索する途は、あるイミ、傑作パワー・ポップを探索する途に似ている。
両者とも時として、才能・努力経験技術とはカンケーなく突発的に生まれ、その道を知る数
奇者の嗅覚によって見出されるのをひっそりとどこかの片隅で待っているものからだ。このシ
リーズではわたしが発見したボルヘス短篇をひっそりと紹介していくことにしよう。


 ミヒャエル・エンデの名は、『モモ』と『はてしない物語』の作者というだけでもう十二分に
有名で、ボルへシアンがその渉猟の旅路の途上ででくわすものでもないように思われる。が、エ
ンデ晩年のこの短篇集は、モチーフ手法、軽みの点で実は強力にボルヘス風味であり、その白
眉たる2篇では、ある意味ボルヘス以上にボルヘス流であったりもする。とりあげない4篇も優秀
ファンタジーであることをお断りしつつ、ここではあくまでボルへシアン視点から、読むべ
き4篇を紹介するにとどめておこう。


 「ボルミオ・コルミの通廊 ― ホルヘ・ルイス・ボルヘスへのオマージュ」はその副題どおり、
ニートにコンパクトにまとまった、ボルヘス短篇モデル化とも言えるパワー・ポップだ。奇
譚のネタ自体を語る以上に眩惑的衒学ネタを過大に語り、言わば “ 怪談を装った笑い話 ” に仕
立てるのはボルヘスのオハコだが、ここでのエンデは実に見事にそーゆーボルヘスになり切って
いる。幻想譚に対するメタ幻想譚 ― そのメタな部分こそがボルヘス流の旨味の真髄なのだが、
微妙なバランスが勝負の難しい料理であり、この短篇ほどの成功例は珍しいと言っていい。


 続く「郊外の家 ― 読者の手紙」は、『「ボルミオ・コルミの通廊」の著者へ』という書き出
しで始まる、旧き良き手紙フォーマットによる幻想譚。ボルヘスによるラヴクラフトパロディ
といった感のある佳作だが、遊戯性にやや欠けるのがタマにキズか。だがむしろ、この「ボルミ
オ」>「郊外」とつながる構成上の流れこそがより強い遊びとなっており、エンデの構想として、
一冊まるごとボルヘスメタ幻想譚、といった絵図があったのではないかとうかがわせる。


 「夢世界旅人マックス・ムトの手記」は、エンデ一流の広大なファンタジー世界ボルヘス
的飛び道具メソッド20ページに集約してみせる、単なるオマージュを超えた離れ業だ。ヒーロ
ー:マックス・ムトが行く先々で遭遇する数々の怪異の事件簿 ― そんな胸躍る長大シリーズ
ほのめかしだけで包含するとは!長篇ファンタジーの一流作家エンデ晩年の、より論理的で、よ
無能で、より怠惰マスターピース


 “ 20世紀文学最前衛/最先端 ” などと不用意・無責任キャッチを打たれることの多いボル
ヘスだが、その方法論/文学観の真に恐るべき点は、文学最先端だとか実験性だとか進化だとか
そんな考え方自体を無視し無化するところだろう。その方法論を推し進めた先には、作者という
名の無数にして一人の作家の、文学という名の無数巻にして一作の作品があるのみ、なのだ
 上記の「マックス・ムト」、及びこの「自由の牢獄千十一夜の物語」は、そんなボルヘス
コンセプトを如実に具現化する会心の一作と言っていい。説話集/寓話集の中の作者不詳の一話を
擬したこうした短篇を、物語作家としての力量の粋を尽くしてでっちあげる ― 個性や記名性を意
図的に排したそんな創作こそが、短篇創作アンソロジャイズが等価であるようなボルヘス道の、
当然の帰結であるハズだ。と、まあ、そんなヒネクレた理論的賞讃はさておいても、ラファティ
シェクリイを想わせる数理論理学ギャグだけでも十分に楽しめる傑作悪フザケ短篇



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
にほんブログ村




セブンネットショッピング

icon
icon

icon
icon


        お気に召したヒトは褒め言葉として
        「いっぱんじんがごちゃごちゃいうな
        ってコメントしてって下さいな
        2009年はてな流行語大賞ミニーなんですっ!

        拙速
        また次回っ!






liquidfishliquidfish 2009/02/22 15:48 いっぱ(ry
はじめまして、キーワードから参りました_(_ _)

ミヒャエル・エンデは大好きですが、知っているのは有名な作品ばかりだなあ…。書評を拝読し(特に「マックス・ムト」)、これは絶対読まねばと思いました!

またお邪魔してもよいですか?^^ SFに疎いので、是非参考にさせていただきたいです。なかなかにハードルが高そうですが(笑

eakumeakum 2009/02/22 17:05 おお!早速のいっぱ一派からのお越し、心強い限りです!
いっぱんじんがごちゃごちゃいってるだけのブログなんで
どうぞお気軽にお越し下さいませ

本屋に5時間本屋に5時間 2009/10/13 01:34 はじめまして。
福岡の20の大学生です。

同じくブックレビューのブログをしているものです。
よかったら遊びに来てください。
http://yomumonosubete.blog91.fc2.com/
始めたばかりです!

kanae-noguchikanae-noguchi 2010/04/09 23:53 いっp(ry
こんばんは!ハイクの方で少しお世話になりましたね←

ちょくちょくコメすると思いますが、ヌルーバチ恋ですので←

でわ。いきなりすみませんでした((汗



あ、ちなみに、うごメモの方もやってます←

魔がさしたらでいいので、『1000』と検索してみてください。
AHOなメモばかり出してます←

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/eakum/20090219/1235056887