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2009-10-02-Fri

ハートをつなごう「今夜はもっとつながりたい」安倍なつみ発言集

きのう放送された「秘密のケンミンSHOW」での、なっちの北海道トークは、愛情にあふれた素敵なものでした。でも、ああいう、ただ可愛いだけが安倍なつみではないことを、みなさんはご存知でしょうか?
ということで、9月28日と29日にNHK教育テレビにて放映された「ハートをつなごう」での、なっちの発言を書き起こしてみました。

ハートをつなごう」ではこれまでさまざまな生きづらさを抱える人たちの、打ち明けられなかった思いを拾い上げ、徹底的に語り合ってきました。番組宛のメール掲示板には6000件を超えるメッセージが届いています。
今回は2回にわたり、自らもさまざまな生きづらさに悩んだ著名人スタジオに招き、自分の心の琴線に触れたメールを選んでもらい、どん底にいたときの思い、そこからどのように復活してきたのか、周囲に何ができるのかを話し合います。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/hearttv/

ゲスト

司会

アドバイザー

安倍なつみ
歌手 元モーニング娘。
いじめ・摂食障害経験
(紹介テロップ



安倍 少しでもなんか、心に歩み寄ることができればなあっていうのは、思ってますけど、ちょっと緊張してます、はい。
(収録前コメント

ハートをつなごう」今夜はもっとつながりたい 〜第1回〜

9月28日


桜井 ゲストをお招きしています。まずは、安倍なつみさんです。よろしくお願いいたします。
安倍 よろしくお願いいたします。
桜井 なんか可愛らしい笑顔でいらっしゃるんだけど、昔、あのう、つらい時期があったんですね?
安倍 そうですね、中学生のときにいじめに遭いましたね。やっぱりそのときは、学校と家との、その世界だけだったので、もう自分の殻に閉じこもって、もうそのときは、すごく、はい、悩みました。


摂食障害
桜井 まずですね、最近特に多いのが摂食障害についてなんですね。安倍さん、読んでいただけますか?
安倍 はい、わかりました。

中3の頃に、ダイエットがきっかけで拒食症になりました。高校に入って間もなく入院したので、退院後、クラスに溶け込めず、不登校になり、拒食の反動か、過食に転じてしまいました。ストレスで過食、そんな自分にイラついて、また過食。悪循環です。今日も朝から過食です。毎日毎日つらくて、しかたないです。早く治して、やせて可愛くなりたいです。
(16歳女性からのメール

安倍 …という、16歳の、女性の方ですね。
桜井 高校生ですねえ。
安倍 私もですね、実は、ちょうどデビューしたのが16歳で、で、その年に北海道から東京に出てきて、初めて、こう、地元を離れて、ひとり暮らしをしたんですけど、こう、周りが大人の方ばかりで、メンバー、そのとき5人いたんですけど、みんなライバル視してたので、だから、悩みとか、こう、あっても、誰にも話せなくて、どんどんどんどん内にこもっていって。で、そんななか、やっぱり自分の心と身体のバランスがとれなくなっていって、で、どんどんどんどん、痩せていってしまったんですね。それが16歳とか17歳ぐらいのときなんですけど…
桜井 食べられなかったの?
安倍 食べられなかったです。(サマーナイトタウンジャケット写真からピックアップ)ここに写真があるんですけど、ほんとに気持ちが仕事ばかりに向いていたので、自然と食べるっていうことの意識が、どこかなくなって、だからもうどんどんどんどん痩せてく一方だったんですね。でも、あるときから、それの反動で、食べたいっていうスイッチに変わってしまって、すごく食べるようになっていってしまったんですね。
桜井 どんな感じで?
安倍 その時期は、もうなんか、自分が、食べたいっていうより、なんか、こうなんて表現していいか分かんないんですけど、食べることで、こう、いやなことを忘れられる? 食べたいっていうよりも、その、忘れたいって、なんか、逃げたいっていう気持ちから、その、口に運んでる? そのときが、ほんと18歳とか19歳ぐらいのときだったんですけど…
桜井 いま、写真が(ハッピーサマーウェディングジャケット写真からピックアップ
安倍 そうなんです。もうすっごく、ほんとにパンッパンになったんですよ。だから、でも、やっぱり周りからの目だったり、そのときの雑誌に、安倍なつみ激太りとか、こうなんか、いやなファンレターとか、なんか、メス豚テレビに出るなとか、もう、そういう、ときが、もうほんとに自分のなかで、ぐさぐさぐさぐさ、心をなんか、ナイフで刺されてるような気持ちになって。


石田 このモニターのときって(写真2枚並ぶ)、16歳と18歳とすると、2年間で体重はどれくらい違うんですか?
安倍 もう、どれぐらい? もう、十何キロとかです。もう、太っていくにつれて、はかるのがいやなんですよ。体重(計)乗ってその数字を見るのもいやで。現実逃避。だから、どんどん仕事にも行きたくないし、太っている自分を、認めたくない? もうほんとに、自分がいなくなったらどうなるんだろうなあとか、いろんなことも考えて。でもそのときの、チーフマネージャーさんて、マネージャーさんの方が、ある日、あのう、私が住んでた家の前に車で来てくれて、ちょっと安倍、出てこいと。なんかお前そのままでいいのかと。今の自分いやだろって。今変わらないでいつ変わるんだって。すごくこう、あったかい言葉で言ってくださって、そのときに、なんか自分のなかで、ふっと気づいたんですね、そうだって。やっぱり、自分で動き出さないと、変わることはできないんだと思って。そこから、ダイエットをしたり、頑張って動き出しましたけど。

ハートをつなごう」今夜はもっとつながりたい 〜第2回〜

9月29日


【いじめ】
安倍 私も、あのう、中学生のときに、いじめに遭ったんですけど、すごく、先ほどの内藤さんの話*1も、似てる点がすごく何点もあって。仲良くしてた、7〜8人のグループだったんですけど、ある日突然、学校帰りに、公園行こうって言って、もう友達の様子おかしくて。もう学校に来るなと。もう見てるだけでむかつくからって言って。ひとりづつ、殴っていい?って、言われたんですね突然。「えーどうしよどうしよ」みたいな、「でもやれよ」みたいな、「あんたやんなよ」とか、そういう会話になっていって。ひとりづつがもう、殴ってビンタだとか。
内藤 あったあった。
安倍 ほんとに、「死」っていうことが、生きてて初めて頭のなかに降りてきて、もう生きてることさえも、つらくなるぐらい、もう今まで感じたことないような、そんな気持ちになりながら帰って。でもやっぱり、親に言えなかったんですね。でもその日、母は帰ってきて、私の様子がおかしくて「どうしたの?」って言われて、話を聞いてくれて。でもやっぱり、次の日もほんとに学校行きたくなくて、でも明日行かなかったらあんたは負けるよって。行きなさいって。ほんっとにいやで。で、学校に行ったら、やっぱり、上履きもないし、教室に入ってったら自分の机もない。自分の居場所がないんですよ。そういうのがもう何日も続いたり。先生にも、助けてっていう思いで言っても、そんな、やっぱ、助けるっていうことまでしてくれない。先生に言っても無駄だって自分のなかで思った瞬間から、ほんと、孤独との戦いで。で、そのときに、たまたま聞いてたラジオで、音楽のフレーズに「ひとりじゃない」っていうメッセージが入っていたんですよ。その言葉がズーンって自分のなかに…

♪『小さな頃から』JUDY AND MARY

安倍 この曲なんですけど、JUDY AND MARYってそのとき知らなかったんですよ。そのラジオで知ったんですけど、その『小さな頃から』っていう曲のワンフレーズに、ほんとに、生きる勇気、パワーをもらって。私にもできるかもしれないって。学校に行ったらひとりだけど、おじいちゃんだったりおばあちゃんだったり、家族もいるって。家族にあんまり言えなかったけど、でも、こんな自分でも、死んだら終わりだって思って。生きなくちゃ、っていうふうに思いながら、そのいじめと、戦った。で、頑張って頑張って過ごしてたら、友達が話しかけてきてくれて。その、いじめられたグループじゃない子に。で、そうやって徐々に改善してったって感じでしたけど。やっぱりそれでも負けないって気持ちを持ったり、するのは大事だなって思うけど。





話しながら、なっちは泣いていたんだと思う。鼻をすすっていたりしていたから。


この後、なっち内藤さんらが、いじめで悩んでいる女性電話で励ましていた。
収録後、桜井洋子アナウンサーは、ブログで以下のように書き記している。

大丈夫だよ。いっしょにがんばろうよ」 と粘り強く声をかけ続けた内藤さん、マネージャーの方や周辺の人まで「こんな彼女は見たことがない」というほど、振り絞るように話をした安倍さんなど、ご自分のつらい体験を語る中で何かしらのメッセージを届けようと皆さん一生懸命でした
http://www.nhk.or.jp/heart-blog/people/sakurai/4.html



なっちがいじめを受けていたということは、エッセイでも書いているし、ラジオでも何度か語ったことがあるので、ぼくはよく知っている話ではあった。それでも、今こうやってテレビで語ることは、なっち自身つらかっただろうと思うし、見ているぼくも、中学の頃にいじめられた体験をしていることもあって、やはりつらかった。ファンレターの話とか、なっちの口からそういう下品な言葉を聞いてしまうのは、なんともやりきれないし、なっち自身も、言いたくないに決まってるだろうし。


それでもぼくは、いってみれば何度も死を体験した彼女が、多くのひとたちの救いになるだろうと信じている。そして、人間の弱い部分を知っていて、それを隠さない彼女だからこそ、それは強さになるし、だから、信頼に値するものだと、ぼくは感じているんだ。


世界がこの先どうなるかわからないけれども、この自分の生きる世界に期待したいという願いから、ぼくは、彼女にすべてを託した。彼女が笑顔でいる限り、まだまだ終わらせるわけにはいかない。

追記

再放送があるようです。
10月5日(月)、6日(火)午後1時20分〜1時49分

*1内藤大助もいじめを受けていたという話をしていた。