今月の情報処理学会誌
今月の情報処理学会誌が届いた。ちょっと興味深い記事が多かったので、サーベイしてみる。
民主党の鳩山由紀夫衆議院議員が「ITと選挙」というタイトルでコラムを寄稿している。内容はITといよりは政治家として、選挙活動でインターネットを如何に活用したいかという話だが、現役のしかも野党第一党の幹事長を務める国会議員が技術系の学術誌でその意見を述べているのには一読に値する。本来は昨年の11月号に寄稿する予定だったらしいが、9月に総選挙があったために、2ヶ月遅れたとのこと。
疋田さんのコラム。これって、若手の会の飛び込みセッションで議論した事だよね。どうして音楽の固定料金化が普及しないのか。あのときは結論には至らなかったけど、なるほど、そういうことか。
和田先生の暦法算法も先日のプロシンで語っていた。修論終わったら鉛筆舐め舐めして、実際に手を動かして計算してみよう。
星野先生による、チューリングの名論「Computing Machinery and Intelligence(計算機構と知能)」の紹介。この論文で登場するチューリングテストについて、多くの人は誤解をしているからちゃんと理解しましょう、というもの。星野先生の著書のひとつはおいらの愛読書でもあり、その中で述べられていることを凝縮したような論文紹介だった。
特集の「マルチコアとソフトウェア」も修論明けたらちゃんと読もう。文章量多くて、いまは読んでいる時間がない。
インターネットを使った選挙活動
情報処理学会誌に寄稿された鳩山議員のコラムに関して。
先日、インターネットを使った一部の選挙活動が解禁になったというニュースを見た気がする(詳細は覚えていない)。
おいら個人的にインターネット、というか双方向かつ不特定多数が参加できる情報メディアを使った選挙活動の問題点は、本来インターネットが持つメリットであるはずの、物理的なドメインの制限、制約を受けないことにあると思っている。つまり、選挙というのは選挙区があって、候補者はその中で有権者や対立候補と議論、論戦を行う。また、選挙それ自体も国や自治体などの特定のドメインの中で行われるもの。ところが、インターネットではこのドメインを簡単に越えてしまう。特に、国政選挙において国家というドメインを越えた選挙活動が行われるのは非常に危険じゃないかと思う。そのあたりもっと議論があってもいいんじゃないかなぁ。
こういう考え方は古い?選挙の独立性や公平性を保つための議論だから、古いとか新しいとかそういう問題ではないけどね。