地震が来ても大丈夫!? 耐震避難カプセル

地震の際、とっさに逃げ込んで倒れてくる家具や柱、壁から身を守るため、和歌山県由良町衣奈のお好み焼き店経営大川勝義さん(69)が2年がかりで「耐震避難カプセル」を考案、特許を取得し、試作品を完成させた。

 大川さんは、「私自身が怖がりで、何とか助かる手だてはないかと考えたのが発想の原点」と笑い、出来栄えに満足そうだ。

 
大川さんは、阪神大震災新潟県中越沖地震などのニュースを見るたびに、自宅でがれきの下敷きになり、亡くなる人が多いことに胸を痛め、「倒れて来るタンスやテレビから身を守る方法はないか」と考えるようになった。家具の配置に加え地震の備えには、安全な空間を確保することが第一。揺れが来たらすぐに避難できるよう、耐震性のある半球形のカプセルを作り、寝室に備えておけばよいのでは、と思いついた。

 昨年、特許を取得。地元には試作品を手がけてくれる業者は見あたらず、製作は東京のプラスチック製造工場に依頼。ファクスで約20回やり取りしてデザインなどを固めていき、今年5月、完成にこぎ着けた。

 材質は、軽くて強度があり、ボートの船体などにも使われる繊維強化プラスチック(FRP)を採用。厚さ3ミリで、直径1メートル、高さ1メートルの半球形とし、幅50センチの入り口を2か所作った。重さは15キロで持ち運びも可能。500キロの耐圧があり、タンスやテレビが飛んできても安全が確保出来るという。

 2人が入ることが出来、内部に水やラジオ、非常食などを備えれば、救出までに多少時間がかかっても、しのぐことができる。FRPをもっと厚くし、大きなものを作れば、集団での避難場所にも応用できるという。