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2013-11-09

音楽好きならデトロイトテクノを聴いてみよう。

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Derrick May - Strings Of Life

日本デトロイトテクノと聞いて、どれくらいの人がピンと来るだろうか?

日本ではまず耳馴染みのない音楽ジャンルであると言えるのではないだろうか?

そもそも音楽カテゴライズすること自体が無意味な事ではあるが、音楽マニアと言われるような人達ほど、その細分化されたカテゴリーに拘るという厳然たる事実は存在する。

しかし、音楽を語るとき、細分化された狭いカテゴリーの中でしか音楽を語れない人達の多くは、音楽に対して相対化というものができないから、その音楽に対する理解が浅いという事に気づいていない人も多く見受けられる。

細分化された音楽の元を辿っていけば、最終的にはただの音楽という当たり前の事は誰もが理解できる事ではあるが、細分化された音楽カテゴリーが厳然として存在していると思っている人にとっては、カテゴリーの内側と外側にある音楽は全く違うものだという事を本気で信じている人もいて、それ以外のカテゴリーに多くの素晴らしい音楽が存在する事に目を向けようとしない。

世の中にある音楽は細分化され、あたかもそのカテゴリーが存在するように錯覚を覚えてしまうが、音楽カテゴリーが生まれたのはその音楽を系統立てて語りたい人間がいるせいなのだろう。

音楽は元々言葉にできないものを表現するものであるだから、それを文脈を用いて語り解体しようという試みはいかに無意味なものであるのかというのは、その音楽を生で体験したときに誰もが気づくものなのだとは思うが、音楽に対して頭の中で意味づけをしてしまっている人間にとっては、音楽を体験するという事の意味が理解できないというより、頭で音楽を理解しようとするから逆に体験から遠ざかり、その結果本当の意味で音楽を理解する事ができなくなるのだとは思う。

ライブハウスクラブで体験するロックバンドライブや、DJのパフォーマンスは頭でどれだけ理解しようとしてもできるものではなく、その音楽の情報を言葉で表すとしたら、その情報は体験した事のごく一部分でしかない。

しかし、多くの人はその情報があたかも自分が体験した事の全てであるかのように思い、音楽を語ろうとする。

そして、音楽は元々の体験の中にあるリアルな情報から遠ざかり、それを表現するミュージシャンとそれを受け取る側には大きな隔たりができる。

自分はライブにもクラブにも良く足を運んだものだが、通な音楽好きを自称する人ほど音楽を語りたがり、音楽を語れば語るほど、その体験から大きく離れていってしまうという事に気づいてはいない。実際にクラブライブハウス音楽を体験する為に行くのでは無く、音楽を語るためにロックバンドの演奏やDJレコードを回すのを見に行くような人種も多く存在していて、自分はそういう人達が音楽の何を理解できているのだろうかと思う。

その音楽の知識が多いという事が音楽を理解することだというのは勘違いであり、音楽を理解するためには、本物の音楽を数多く体験することでしか、リアリティは持ち得ない。

ここでようやくデトロイトテクノの話をしようと思うのだが、デトロイトテクノが属する大きなカテゴリークラブミュージックというやつで、自分はこのクラブミュージックという呼び方はあまり好きではない。

なぜなら、クラブミュージックという呼び方をする事で、このカテゴリー音楽を聴く人間はクラブ遊びをする夜の住人に限られてしまうからだ。

デトロイトテクノはその限定されたごく一部の音楽愛好家にしか聴かれないというには、その音楽の素晴らしさを考えると、あまりにももったいものだと言える。

日本における音楽リスナーの多くは日本語歌詞があるJ-POPだけが音楽だと思っている人も多いが、それよりも音楽好きになると、日本人のインディロックバンドや本格的なヒップホップを聴くような層で、さらにこれよりも音楽好きが洋楽ロックや本格的なヒップホップR&BヒップホップR&Bの中でもメジャーなものしか聴かない層は日本人のインディロックヒップホップを聴く層よりも音楽の趣向はかなり軽いとは思うが)を聴くという層があり、さらにそこから深く潜っていくとようやくテクノハウスエレクトロニカといったジャンルにたどり着く。

自分のこの見解は恐らく主観的すぎるのだとは思う。

初めに音楽をジャンルやカテゴリーで語るというのは無意味な事だと自分で言っているので、どのジャンルやカテゴリーを好むのかで、その音楽を聴く人間がどれだけ音楽が好きなのかというのを語る事自体が無意味な事だが、テクノハウスを好んで聴く人が日本では本当に少数であるという事が言いたいだけなのだ。

ではどんな人がデトロイトテクノを聴くのか?

日本に住んでいると、まずデトロイトテクノに辿り着くのは中々難しい。

一部のクラブ通いをする音楽好き(クラブに出会いを求めて行くような人種デトロイトテクノを聞くことはないので、これには含まれない)は最終的にはデトロイトテクノに辿り着くのだと思うが、それ以外だとたまたま大きな音楽フェスに参加した時にデトロイトテクノアーティストの素晴らしいライブを見て好きになるくらいのものだろう。

デトロイトテクノヒップホップR&Bと同じく、ブラックミュージックだとは思うのだが、ヒップホップが好きでもデトロイトテクノに辿り着く人はほんのわずかなものだと思う。

これはデトロイトテクノの代表的なアーティストの一人であるジェフ・ミルズがThe Wizardという名義でヒップホップニューウェーブなどをミックスするDJとしてキャリアをスタートした事から考えても、ヒップホップテクノは繋がりがあるというのは間違いない事だが、そういう繋がりがあるとしてもそれを認識するのは難しいというのも事実であり、ヒップホップテクノを同じように聴くという事はあまりないのだろう。

むしろヒップホップR&Bを聴く人よりもジャズソウルファンクといったルーツミュージックを嗜好する人達のほうが、デトロイトテクノを理解できるのではないかと思う。

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確かにデトロイトアーティストたちの、少ない音の中で極限にまで無駄を削ぎ落としたストイック音楽ミニマルテクノとも呼ばれ、聴く人を選ぶような敷居の高さを感じないでもないが、デトロイトアーティスが生み出す音楽電子音楽と言っても決して冷たいものでは無く、ソウルフルでエモーシャルな感動的な音楽なので、こういう素晴らしい音楽が世の中であまり聴く人がいないというのは寂しいものだと思う。

それでもインターネットSNSが世の中に定着した事で、情報を自ら探し出して選択する事が簡単になったことにより趣味趣向がより多様になって行く世の中において、音楽の世界でもその影響は大きく、ほとんどの人が同じような音楽を聴くという時代も終わり、多様な音楽の中でいい音楽を発見することが比較的簡単になってはいるので、その中でもより質の高い音楽カテゴリーの壁を越えて広がって行く下地はできていると思う。

その事によりいい音楽を作り続けることができるアーティストにとっては、それまでのジャンルの限られた世界の中だけではなく、その外側にまで広がって行くという可能性に大きな期待を持てるようになったということではないのだろうか?

こういう流れがある中で、毎年デトロイトテクノアーティスト音楽通が好むアーティスト(主にテクノハウスアーティストではあるが、モグワイフレーミングリップスといったロックバンドも出演している)が集まる音楽フェスとして知られ、本物の音楽好きが多く集まる日本で一番質の高いパーティーだと思われる(あくまで個人的な体験による見解です)メタモルフォーゼヘッドライナーURを持ってくるフェスなんて世界で他にはないだろう)が今年は開催される事がなかったので、来年はまた復活してデトロイトテクノの素晴らしさを広めていって貰いたいものだと思う。

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