4×5+1のIgMをつかまえた!

毎週恒例のRCSB PDB新データのチェックで見慣れない五角形の星型分子が目についた。2rcjを見るとなんとIgM免疫グロブリンM)ではないですか!
拙著「動く分子事典」新版ではp.257に免疫グロブリンの記載があり,IgA・IgD・IgE・IgG・IgMの5種類のうち前4者はよく知られているY字型で,IgMだけそれが5本ヒトデ型に集まった形状である図を示しているが,まさにそれを目の当たりにできる。PDBを再検索したらこの五角形構造は今回初めて公開されたもののようである。


2rcj
(α炭素だけなので注意;生体分子は対称形がお好き?で閲覧可能)

4本鎖で形成される基本のY字構造が5本集合し,1個だけ別な鎖が入り込んだ独特の形であることがわかる。


分子モデルを動かしながら,苦労して構造解析してPDBにアップロードしてくれる多くの研究者に改めて感謝しているところである。