だんなさんがウツ気味です。【ツレうつ】を映画館でいっしょに見ていたころなどは、ぜんぜんもんだいなく、「良い夫婦だねえ」などと言っていた。ウツはここ最近で、原因はわたしで、わたしといっしょに居る疲れが、知らないうちにたまってきたのかもしれないらしかった。わたしがぶったり、おにぎり投げたりしたからかもしれない。今までに無い感じの話し合いをしたら、すこし元気を取り戻して、わたしもおんぶにだっこは辞めました。



先月、夏物製品の展示会へ行ったら、エリア長にお会いし、「最近成績が伸びてるね」と言われた。顔と名前が一致し、成績も把握しているのだった。去年までの個人売りが黒字だからこのまま行けたらとりあえずこの会社に居る意味があるようです。今の仕事を良く言えば、常に笑顔でいられることだと、このあいだふと思った。それから毎日知らないひとに、自分から、声をかけるという不思議。



ビギンの音楽を流しながら夕飯を作っていたら、ちょうどだんなさんが帰宅して、「沖縄の割烹料理屋みたいだねえ」と言って笑った。

たとえばおなかが痛くなったとき、かみさまを恨むひとと祈るひとがいて、彼は後者です。




洗濯機から冷たい衣類を取り出して干しにゆく。
手がちぎれるくらいに冷たいけれど でも今日は晴れていて、
胸いっぱい息を吸って吐いてみれば 頭の言葉が散ってゆく。霧みたいに。
— via「発光地帯」川上未映子