延期になった面談、ようやく今日して頂けた。会社を疑ったことはあってもこの人を恨んだことなかったの思い出す。いい返事もらった。年の功、だけじゃない何か、話して少し安堵。本物の大人を目の当たりにすると自分の無力さに涙が出てくる。早く何処かへ辿り着きたいから結婚するのかもしれない。


入居日の三月一日に対して異動は五月。足並み揃えたいがしばし二重生活。いくつか頂いた候補の勤務地、想定外ながら興味湧く箇所ひとつ。こちらか最寄りか要検討。準備期間に有給で大型連休いただく旨は、すんなり通じた。心から頭下げる。すべては六月の誕生日から逆算されている。




先週末、彼がいよいよ結婚の挨拶をした。宇都宮から兄も来て、私の実家で家族みんなと食事。何しろ早々に、意表を突く立派な挨拶をして、プロポーズみたいだった。反対する理由がない。お父さんが急におじいちゃんに見えて、はじめから降参している老兵にように居て、父親の一仕事をとっくに終えている。なんだか直視できなくて、私は泣かないようにうつむいて、お母さんが作ったたくさんのロールキャベツとか唐揚げとかぼんやり見てた。





まだ暮れまい、もうちょっとは暮れまい、と思うようになる今どきの日脚の伸びたころの夕暮れには、足をすくわれる。
あ、暮れた、と思った次の刹那に、ひしひしと心細さが押し寄せてきてしまう。
— via「センセイの鞄川上弘美