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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日、有料コンテンツ配信サイトAstandで「Web新書」販売開始

 朝日新聞社は、有料のテキストコンテンツを配信するポータルサイト「Astand」(エースタンド)をこのほど本格オープンした。新聞・雑誌の記事を切り出し、「Web新書」として有料配信するほか、独自の有料記事を掲載。講談社など大手出版社も参加し、「厳選した質の高い情報を有料で届ける」としている。
 Web新書は、新聞・雑誌記事を切り出し、Webブラウザ上のビューワで閲覧する電子書籍。第1弾として、Twitterについてまとめた「ネット生中継とツイッター」(朝日新聞社)、小沢一郎民主党幹事長について深掘りする「思考解剖 小沢一郎 見えない行動、難解な性格」(講談社)など計34種類を、当初はすべて105円で販売する。
新聞・雑誌記事を“Web新書”として電子書籍に 朝日新聞が新ポータル - ITmedia ニュース

 朝日新聞社がウェブ上の有料コンテンツの販売に力を入れ始めた。有料コンテンツ販売サイト「Astand」で、自社の連載記事をまとめたコンテンツ(5000字〜10000字程度)を「Web新書」として販売するほか、朝日新聞の校閲セクションが日本語について語る「ことばマガジン(月額525円)、昔からある天声人語やニュースを英訳した学習教材なども販売する。また、講談社、朝日新聞出版、時事通信社、小学館、ダイヤモンド社、文芸春秋からもコンテンツの提供を受け、ウェブ上の「課金ポータル」として運営していく姿勢だ。
 現状ではFLASHベースによるパソコン画面での閲覧にとどまるが、当然KindleiPadといった電子書籍向けのデバイスにも配信させていくつもりだろう。
 ちなみに、朝日新聞社にはかなり昔から「CLUB A&A(参考)」という有料コンテンツ販売サイトがあり、個人利用の記事データベース検索を行えたり、英語教材のテキスト販売をウェブ上で行っていた。確かウェブメールも提供していた記憶がある。それが2007年10月くらいに「アサヒコム・プレミアム」という名称に変わり、今年になって「Astand」にリニューアルされた。いろいろ変遷がめまぐるしい。朝日としてもニュースを無料で提供するだけでなく、なんとかコンテンツに課金する道も探るという二正面作戦をずっと取り続けてきたということだ。
 さて、ここで気になるのは朝日新聞購読者向けのウェブ会員サービスである「アスパラクラブ」との今後の棲み分け。おそらく社内でも別々の部署が企画・運営しているのだろうが、この体制をこのまま続けていくのだろうか。それとも日経新聞の「日経ID」のように、グループの統一IDを導入する目標があるのだろうか。
 ライバルである読売新聞社の場合は、同じく読者会員サイトである「yorimo」から、有料の医療情報サイト「ヨミドクター」を申し込める。しかも長期購読者には料金の割引をするということまでできるようになっている(ただし支払いは現状クレジットカードのみだが)。有料コンテンツ販売の品揃えを広げることも可能だろう。
 朝日としては、あくまで「アスパラクラブ=読者サービス」、「Astand=ウェブのコンテンツ課金」と目的の二本立てでいくつもりか、それとも会員相互のサービス乗り入れも考えているのか、それとも最終的に統一IDにもっていくつもりなのか、今後とも注目したい。