「子午線」vol.2インタビュー・評論の内容紹介

インタビュー
大杉重男「文芸批評は不可能であり、不可避である」
さきごろ『早稲田文学』で連載を終えた憲法九条をテーマにした「日本人の条件」、鎌田哲哉さんと立ち上げた『重力』などもお聞きしました。先日、Twitter東浩紀さんが批評とは文芸批評である云々とおっしゃていたように、その当否は別として日本思想では文芸批評が大きな役割を果たしました。大杉さんが「最後の文芸批評家」であると考え、文芸批評を考え直すきっかけになれば、とインタビューをおこないました。

安里健「プロレタリア詩人・安里ミゲル運動以前史」
武井昭夫松本圭二安川奈緒のほか、だめ連、貧乏臭さを守る会(現・素人の乱)、フリーター労組、NAM、日本共産党活動家集団思想運動などに関わった安里さんに90、00年代の運動についても語ってもらいました。

評論
すが秀実小林秀雄マルクス主義」(一二〇枚)一挙掲載。
日本資本主義論争が戦後思想に与えた影響、小林秀雄が講座派理論からどのような影響を受けたかが考察され、「小林秀雄マルクス」という「神話」がここで解体されます。すが秀実さんが小林秀雄を論じるのは『詩的モダニティの舞台』以来かと思います。小林秀雄の評伝が新潮で連載されていますが、いまなお小林神話が再生産されている状況で解体を目指した貴重な論考だと思います。

石川義正文芸時評1 銀河鉄道の労働者」
早稲田文学で「小説空間のモダニティ」を連載中の石川義正さんに五大文芸誌の九月、一〇月号の時評をお願いしました。論じられる作家は小山田浩子古川日出男高橋源一郎などです。石川さんには半年間の文芸時評をお願いしています。また、文芸時評は積極的に読まれるべきとの考えから、webで公開、文学フリマ「エ-40」でフリーペーパーとして配布する予定です。

長濱一眞「魔法の鏡の社会への註解 アレント,アガンベン,シチュアシオニストを巡る」(200枚)。
本誌同人の長濱がハンナ・アーレントの『人間の条件』における「社会」が持つ射程の広さ、およびギー・ドゥボールの今日的な可能性について論じております。

綿野恵太「正しく飢えなくてはならない 黒田喜夫を論ずるためのノート」 前号の松本潤一郎インタビューでも議論された黒田喜夫ですが、特に八〇年代に書かれた評論集『人はなぜ詩に囚われるか』を読み直しています。通販できます。

11月上旬には各所主要書店に並ぶと思いますが、「子午線」vol.2は通販の予約を受け付けています。
ご注文はこちらから→http://shigosen2011.web.fc2.com/

11月4日(月・祝)文学フリマ「エ-40」でも頒布します。よろしくお願いします。