「モバイルにWebKitは存在しない」

Quirks Blog の PPK さんが、複数の WebKit 系エンジンのブラウザで特定の機能がサポートされているかをまとめて表にしてくれた

僕としては、けっこうショッキングだった。"There is no WebKit on Mobile" というタイトルの意味は、それぞれのブラウザ(モバイル端末)の WebKit のバージョンに違いがありすぎて、"The WebKit" と呼べるものは存在しないということ。

「携帯市場では WebKit が既にデファクトスタンダードになり、それだけをターゲットに開発すればいい」という意見が多く見られるようになってきたが、そこにあるのは "Many WebKits" だよ、と。


今のままだと携帯ブラウザ市場はパソコン市場よりも酷い状態になるんじゃないか、という感想を持った。

この状態は、言うなれば、IE5、IE5.5、IE6、IE7、IE8 が全部使われている状態に近い。今年や来年あるという WebKit 搭載携帯ブラウザの発売ラッシュで、ある程度は足並みが揃った "The WebKit" っぽい何かが出来上がるかもしれないが、その翌年になって、出回っている何割のモバイルブラウザが最新版 WebKit を使っているのだろう、と。(そして WebKit エンジンの進化は速い)

思うに、ブラウザというのはソフトウェアの中でも特殊なもので、ユーザーの嗜好に関わらず、提供する側は常に全ユーザーが最新版を使っていることを求めないといけないものであろう (最新版じゃないブラウザでオンライン決済なんかされたらねえ)。携帯市場というのはこれとは真逆で、買った機能を捨てるまで使うという通念があると思う。今まではそれでよかったかもしれないけど、全ての機器 (携帯・固定関係なく) にブラウザが搭載される時代に、強制自動アップデート機構のないブラウザがあっていいのだろうか。

ブラウザをを提供している会社は、一度リリースしたら、少なくともその機器が使われなくなるまではよろしくアップデートするのが義務なんじゃないか、というのが僕の結論。


それから、僕は Opera 使いなので一応「Opera も忘れないで!」とも PPK さんに倣って言っておく。