Hatena::ブログ(Diary)

ゲームアプリPの業務メモ by @edy_choco_edy

2016-10-16

「This Is the Police」に感じる「ニッチだけど買いたくなる小規模ゲーム」像

どうも @edy_choco_edy です。

ブログも前回更新から数年経ちましたがせっかくなので徐々に復帰させようと思います。

引き続き、幸いなことにゲームアプリの開発を続けております。


今回はPCゲーム「This Is the Police」について。

http://store.steampowered.com/app/443810/agecheck?l=japanese


本作は「定年間際の警察署長になって、警察署をマネジメントして勇退を目指す」という大変渋いゲームです。

ジャンルでいうと「経営シミュレーション」✕「選択肢型アドベンチャー」でしょうか。


端的にいうと

▼警察署マネジメントパート

 ・警官(様々な事件に出動。とにかく頭数が必要)や刑事(主に重大事件にのみ出動)を雇用

 ・AシフトとBシフトに能力や頭数を考慮して配属

 ・市庁舎に向けて警官の増員や、サポートであるSWATの出動回数増加などを要請

  戦争モノでいえば、戦闘と戦闘の間の経営パート、ですね。


オペレーションパート

 ・本作の1番ゲーム的なところ。

 ・リアルタイムで発生する出動要請に、警官や刑事を派遣

   - 事件に対し、限られた人数のスタッフをどう派遣するかを考え、処理するパートです。

   - 例えば「不審者侵入」なら最大2名、「武装強盗」だと最大10名などの枠に

    何名を派遣するか、という判断。

    少ない人数を派遣したり、無能ばかりだと失敗し

    最悪の場合、警官が死亡したり、市民が死亡して市庁舎からの評価が下がったりします。

   - さらに面倒なのが「市庁舎」と「マフィア」の要請。

    「ちょっと警備の人数足りないから2人よこして」と電話がかかってきたりします。

    まあ、思いっきり癒着です。でも、田舎の警察っぽくてリアル。

    これに派遣できないと、それぞれからの評価が下がります。

    逆にマフィアのところに派遣した警官が

    「こんなことさせられるなら辞めるわ」といってきたり

    その裏で事件が起きて、結局手が回らなくなったり。


   刻一刻と変わる状況で、どこに誰を派遣するか、という行動だけで

   十分に「警察署長」をやっている気分になれます。

   (実際には指令室かなんかの仕事でしょうが、そこはご愛嬌で)

   おそらく、経営・戦略シミュ好きなら、かなり面白いパートだと思います。

   警官のパラメタやイベントによる増減のバランスは若干気になるところもありますが

   メインのゲームルールとしては十分面白いです。


▼ストーリーパート

 ・本筋のストーリーが進行します。

  マフィア同士の鞘当てだったり、連続殺人犯の登場だったり。

 ・ストーリー上の選択肢に加え、定期記者会見における記者への返答もあったりして、面白いパートです。

 ・それぞれ、オペレーションパートでの行動、成果によって分岐したりも。

   海外ドラマや刑事小説好きなら、それなりにあるあるな展開なのがまた楽しいパートです。



詳しくは各種レビュー記事(※)に譲りつつ

本稿ではゲーム開発者としての視点で感想を述べたいと思います。

※ご参考

警察署長ストラテジー『This Is the Police』初ゲームプレイトレイラー公開

http://www.gamespark.jp/article/2015/10/07/60781.html

面白いんですが、2ch含め、日本語情報が非常に少ない……


結論からいうと「このゲームの枠組みが、必要最小限なのに、万能過ぎる」という感想です。


ご存知の通り、世の中には「経営シミュレーションゲーム」という一大ジャンルがあります。

「テーマ○○○」や「○○○タイクーン」という呼称が確立する程度には、海外でも一定人気のあるジャンルです。


広義でいえば「神として信仰民を導く」というものから

おなじみの「市長になる」「遊園地づくりをする」というメジャーから

物流を一手に担う」「農家になる」「刑務所長になって設計から囚人の飯の世話」まで

内容は多岐にわたります。大変ニッチな職業も混ざっているところを見るに

「ある職業(や企業)を体験したり、運営してみたい」という憧れがあるところ

ゲーム化の余地あり、ということだと思います。


本作「This Is the Police」がすごいのは

非常にシンプルなつくり(基本的には繰り返し)にも関わらず

「どんなニッチな職業・企業でも、この枠組みなら(なりきりとしては)十分面白くなりそう」と思わせるところです。


なお、誤解を避けるためいえば「パーフェクト」ということではありません。

必要最小限、十分に面白い、というゲームをつくることができそうだ、ということです。


いかんせん、経営シミュレーションゲームを開発しよう、となれば

「やっぱり施設建設を充実させたい」とか「この職業ならこの行動は必須だ」

と、夢を広げてしまうところですが

本作を遊んでいると「これで(なりきり体感ゲームとしては)十分だな」と思えるところが素敵なところです。


つまるところ、経営シミュレーションゲームの本質が

リソースによる事前準備

・リアルタイムでの事案への対処

・それによるストーリーの(具体的もしくはプレイヤーの妄想としての)進行、リソース獲得

の繰り返しであり、本作がそれを、ほぼ必要最小限といってもいい枠組みで満たしている、ということだと思います。


けしてグラフィックが派手なわけでも

ものすごい特別な「シミュレーション」が行われているわけでなくても

十分に「警察署長」をやっている気分になれる。

となれば「警察署長」を以下のものに置き換えても、十分面白そうだなあ、と妄想できるし

また、つくってみたいなあ、と思えてしまうところに、大きな魅力があります。

※そういう意味で入国審査官になる「Paper,Please」とかとても面白いのですがこの枠組で、すぐに別のゲームをやりたくなるか、と言われると、ちょっと悩ましいところです。


(妄想例)

第二次世界大戦末期のドイツ軍の、とある都市の防衛司令官

 - 偵察報告や怪しげなメモの通告から、部下の士官(と部隊)をどこに送るか捌き続ける

 - 総統府(だんだんと指示がおかしくなる)、市庁舎(物資などの供給元)、赤軍シンパのレジスタンス(敵だが、降伏時や戦後処理の際の自分の身の安全のため重要)とどう付き合うかも重要。

パンデミック(伝染病の爆発的感染)の起きた世界での、とある国の感染対策責任者

 - 戦略級でも戦術級でも。国連や各国の保健相、CDCの連絡などから、部下をどこに送るか捌き続ける

 - 国連(動きが遅い)、CDC(指示は的確だがアメリカ第一)、多国籍の巨大製薬企業(超頼りになるが倫理的に怪しく、ぶっちゃけ癒着)とどう付き合うか

・ウェブメディアの編集長

 - 様々なタレコミから、ライターやカメラマンをどこに送るか捌き続け(以下略)

・X-COMっぽい宇宙人襲来

 - レーダー情報や週刊誌情報から、隊員をどこに送るか(以下略)

・なろう系

 - 全略。まあ、ほぼ皆さまの想像通りです。


……と、もとが優れている分、妄想はいくらでもできるわけですが、それがまた、重ねてになりますが本作の素晴らしいところだと思います。

そしてまた、自分レベルの(ちょっとした)経営シミュレーション好きが妄想してわくわくする、ということは

世界レベルにすれば、それなりの方々が潜在的な購買層として存在していると思います。


特に海外ドラマ(特にアメリカ)における「本格職業モノ」というのは根強いものがあります。

本作は『必ずしもゲーマーじゃなくても納得して遊べるレベルのゲーム性』というバランスも満たしている印象で

となると、そのときの流行りによって幅広い打ち出し方もありそうだな、と思ったり。


警察モノについては、もはや説明不要かと思いますが

「ER」のような医療モノ、「ホワイト・カラー」のような法律リーガル物や

「サード・ウォッチ」や「シカゴ・ファイア」のような911(消防救急)物などはすぐにでも応用できそうです。

「ウェストウィング(日本ではホワイトハウス)」や「ハウス・オブ・カード」のような政治でも、時間軸を工夫すれば行けそうです。

※余談ですが911モノならば「911 Operator」という期待作もあります。

ただ、こちらは「ストーリーパート」がやや弱そうなので、「This Is the Police」との比較で言えばかなりゲーム寄りです。



ニッチだけど買いたくなる小規模ゲーム」というのは様々なアプローチがあると思いますが

まさしく、本作のような「枠組みとして最低限のものを満たしている」という感覚は

購買者の求めるものと、開発者として「実際に開発しきれる」もののバランスを考える上では非常に重要だと感じます。

そしてまた「似たようなゲームをもっと遊びたくなる」という需要を掘り当てることができれば、商業的にも素晴らしいことだと思います。誤解のないようにいえば「どんどん横展開できるようなものをつくろう」ということではなく、それくらい「最低限必要なギミックで、人を満足させる、需要を刺せるというのは素晴らしいな」、と。


インディーズゲームの最新流行などは自分もまだまだ不勉強なのですが

本作には大きな魅力を感じましたし、ビジネス的な可能性も感じました。


本作の開発元は、なんとベラルーシミンスクにあるインディーズデベロッパーとのこと。

weappy-studio

http://weappy-studio.com/

突然の横展開や版権展開、とはいかないと思いますが、今後が楽しみです。


というか、どこかのパブリッシャーが目をつけてブランド化したりとか、ないですかねえ。

「This Is the Police ツクール」とか、超欲しい。いや、マジで。

いつかベラルーシに行くときは、彼らを訪問する、という楽しみができました。今後にも期待です。

2012-05-03

ねとぽよ「ソーシャルゲーム講義録」などなど

どうも @edy_choco_edy です。こんばんは。

最近はネットの寄稿はお休みで、電子書籍「ねとぽよ」の方にお世話になっています。

特にねとぽよ第1号の方では「ソーシャルゲーム講義録」という形式で日米のソーシャルゲーム史をまとめました。

各所で好評だったようなので、興味のある方は下記リンクからどうぞ。

「ねとぽよ」第1号

http://netpoyo.jp/sample/01/

また、第1号のソーシャルゲーム特集から波及したリアルイベントにも(遠隔)参加しました。

こちらもなかなか好評で盛り上がったのは嬉しかったですね。

「朝まで生ソシャゲ」(開催済)

http://netpoyo.jp/event/20120331

今後ともソーシャルゲーム界隈で頑張っていきたいと思いますので

引き続きよろしくお願いいたします。

2011-09-21

DeNA&GREEの海外展開についてまとめてみた【田中翔太】

DeNA&GREEの海外展開についてまとめてみた【田中翔太】

http://techwave.jp/archives/51701083.html


Techwaveさんに寄稿させて頂きました。

なかなか好評のようで嬉しい限りです。

2011-09-05

【予告】DeNA&GREEの世界展開まとめ/海外ソーシャルゲーム施策記事、書いてます

どうも、ご無沙汰してます。@edy_choco_edyです。

今回は記事予告でして、近いうち、ふたつほど記事をアップロードする予定です。


1.DeNA&GREEの世界展開まとめ

f:id:edy_choco_edy:20110905200802j:image:medium

上のような表をメインに、2社の世界進出の現状をまとめます。

例によって参照用リンクもたくさん用意するので、レポートや資料作りに最適です(笑)


こちらはいつもお世話になっているTechwaveに寄稿させて頂く予定です。

興味のある方、お楽しみに。



2.海外ソーシャルゲーム施策の分析


主に米国で人気のソーシャルゲームを取り上げて、海外におけるソーシャルゲーム施策について分析した記事になる予定です。特に、日本では定番となった「ガチャ」や「イベント」などの施策が、海外でも徐々に取り入れられている、という点について触れたいと思っています。


最近、iOSアプリのセールスランキングの推移を見ていると上位はほとんどソーシャルゲームです。いろいろと計算してみると、上位アプリだとARPU・ARPPUともにかなり高い水準に到達しているようです。このようなARPU・ARPPUの押し上げにはどんな要因があるのか。マーケティングというよりかは、ゲームサイクルや施策の視点から分析したいです。


記事投稿はもうちょっと先になりそうですが、ぜひゲーム関係の方に読んで頂きたいです。

こちらも寄稿を予定していまして、ゲーム関係の方に読んで頂けるメディアに掲載して頂けそうです。


さて、あとは、しっかり記事を書くばかり、頑張ります!

記事アップロードの際はよろしくお願いいたします。


@edy_choco_edy


(追記)

最近、就活生向けサイト carippo.com にて主に就活生の記事を投稿させて貰っています。

慣れないことで、回りくどく説教臭いところもあると思いますが、興味のある方は一読頂ければ、と思います。

http://carippo.com/carrier/tanakashota/

こちらもよろしくお願いします。

2011-04-22

【SNS/海外戦略】GREE Open Feint買収についてまとめてみた

どうも、@edy_choco_edy です。今日もweb業界、というよりソーシャルゲームプラットフォーム業界(?)で大きな動きがありました。


GREEによるOpenfeintの買収です。


グリー、全世界で7,500万ユーザーが利用するOpenFeint社を完全子会社

〜 世界最大級のスマートフォン向けソーシャルプラットフォームに 〜

http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0422_02.html


グリー、世界最大級のスマートフォン向けソーシャルプラットフォーム「OpenFeint」を85億円で買収

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000003-isd-game&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter


朝方の発表で、通勤中もtwitterタイムラインが大盛り上がりでした。

この買収については今後どのような展開が予想できるのか、過去のニュースと合わせ、自学のためにまとめてみたいと思います。


1.Openfeintって何?

まず、Openfeintについて。

GREEプレスリリース資料で「スマートフォン向けゲームにコミュニティ機能を追加できるソーシャルゲームプラットフォーム」と紹介されている「Openfeint」。


まず運営元は米国カリフォルニア州のOpenfeint社。

http://www.openfeint.com/


もともと「Aurora Feint」社の「Openfeint」というサービスでしたが(DeNA-mobageと同じ関係)、サービスの拡大に伴い、社名を変更したようです。

iPhoneアプリでよくゲームアプリを落とす人は、グリーン地に白い双葉をあしらった丸いマークが、アプリの右下などに表示されているのと見たこともあるのではないでしょうか?


Openfeintは「GREE」や「Facebook」といったSNS自体というよりも「開発者がアプリソーシャルな要素を加えるための追加機能のセット」と考える方が理解しやすいかもしれません。


もともと独立したゲームアプリに、Openfeint機能を「組み込む」ことで、そのゲームアプリスコアを他のユーザーと競ったり、海外ゲームによくある「実績」を比べたりすることが出来る、というイメージです。



例えば架空のパズルアプリ「つみワンコ」というものがあるとします。可愛い子犬を、何匹積み上げることが出来るか、というゲームだとすればここにOpenfeintを組み込むことで


・他に誰がプレイしているか=フレンド機能

・何匹まで積み上げたか=スコア

・特別な犬をX匹積み上げた!、特別なペアを5セット揃えた!=実績

・どうすれば100匹の壁超えられるか相談する=Forum(掲示板)

・友達に「いま200匹いった!」と自慢する=メッセージ


といった「ソーシャルゲーム」的な要素を追加することが出来ます。


iPhoneアプリに搭載されている「OpenFeint」機能とは

http://mikan8929.blog6.fc2.com/blog-entry-23.html

※こちら、実際の画面イメージが分かりやすく解説されています。


OpenFeint: 世界と繋がるソーシャルゲームネットワークが熱いぞ!使い方の解説&マニュアル

http://www.appbank.net/2010/01/21/iphone-application/86580.php

※開発者視点からの詳細な説明。その魅力が分かりやすいです。


ソーシャルアプリの作り方 第三回 - OpenFeint

http://lab.klab.org/young/2010/03/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9-%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%9B%9E-openfeint/

株式会社Klabの若手エンジニアブログ。Openfeintの実装方法について。


2.なぜプラットフォームなの?

Openfeintを組み込んだアプリはおよそ5000あると発表されています。この5000のアプリダウンロードしたプレイヤーは、Openfeintを利用することを勧められます。その方が「他のユーザーと競えて面白いよ!」と言われる訳です。

ここで登録すれば、他のOpenfeint対応アプリでも同じアカウントでプレイできるため

Aアプリに「edy.choco.edy」で登録⇒Openfeint対応のB、Cアプリでも「edy.choco.edy」でスコアを競える

ということになります。

これは「mixi」に登録すればどのmixiアプリでも同じアカウントと遊べるのと近いイメージです。

mixi」に「エディ」で登録⇒サンシャイン牧場マイミク通信簿も遊べる。

ただ、Openfeintはあくまでソーシャル要素を「追加」するパッケージのようなもので、Openfeintそれ自体からゲームをダウンロードする、仮想通貨を共有する、といったものではありません。mixiGREEmobageのように「Openfeintにアクセスする」というイメージはほとんどないはずです。「あ、このアプリはOpenfeint対応なんだな。アプリのメニュー画面からスコアを見にいってみよう」という感じです。


日本のモバイルSNSの場合、ユーザー間のコミュニケーションを可能とするソーシャルプラットフォームとしての面と、仮想通貨の決済などを行う課金プラットフォームとしての両方を備えているとすれば、Openfeintは前者のソーシャルプラットフォームそのものです。(ちなみにOpenfeintはtwitterFacebookアカウントと紐付けられるサービスであることも注目です)。


以上の点から現段階で約7500万ユーザー(Openfeint-GREE発表)を擁していることから、世界最大級のゲームによる「コミュニケーションプラットフォームであることは間違いありません。


ちなみにOpenfeintに類似のサービスとしてappleの「GameCenter」のほか「Come2Play」「J2Play」などがあります。


apple Game Center 世界中と遊ぼう

http://www.apple.com/jp/ipodtouch/features/game-center.html

※公式サイト


このapple公式のサービスの登場で「Openfeintは大丈夫なの?」と心配されましたが

先行者優位があること(すでにOpenfeintはかなりのユーザー数を獲得していた)

・機能面ではOpenfeintが優れている面も多いこと

・Gamecenterはアップル製品限定(iPhoneiPod touchなど)であること

 (Openfeintはそのような縛りがない。Andoroid版もありクロスプラットフォーム化している)。


などの要因から、Openfeintはスマートフォンにおけるゲームプラットフォームの先頭ランナーとして注目され続けています。


[GDCOnline2010][iPhone Summit] Aurora Feint & Playfish

http://shimakiki.wordpress.com/2011/01/28/gdconline2010iphone-summit-aurora-feint-playfish/

※Aurora FeintのEros Resmini氏によるOpenfeintについてのコメント。「クロスプラットフォーム」志向につい


て強い意欲を示しています。

GameCenter Vs OpenFeint

http://www.spiritjb.org/2010/09/gamecenter-vs-openfeint-this-is-second.html

※「Interface」や「Social networking」など項目ごとにそれぞれの優位性が語られています。英文。


Come2PlayやOpenFeintがめざすソーシャルゲームプラットフォーム新世界

http://www.socialapplication.jp/2009/06/developer/566/

※必読記事。Openfeintと類似の他サービスについて記述。この分野の日本語記事は希少なのでとても助かる内容です。アメリカは早い時期からこのようなスマートフォン向けゲームプラットフォームが模索、注目されていたことが分かります。なぜそうなったかについて、後半で「これらは完全に新しいジャンルなのか?」と分析。アメリカにおけるオンラインゲーム、ゲームロビーアプリケーションについてのまとめが大変勉強になります。


3.ビジネスとしてはどうなの?

Openfeint社は2008年8月に設立された非常に若い会社です。

2010年12月期の業績は「売上高28万2500ドル、営業損失658万9000ドル」とのこと。

先に述べたとおり、Openfeintは「組み込み」で「コミュニケーション」を提供するサービスです。組み込む機能の開発用パッケージ(いわゆるSDK)は無料で公開されており、コミュニケーション機能の利用も無料なので、明確なビジネスモデルが出来ている、とは言いにくい面があります。(もちろん、ゲーム内課金や決済モデルがはっきりしている日本のSNS各社と比較して、ですが)。

この点についてはOpenfeint社自身も前提としており「新しいビジネスモデル」を志向しているようです。


iPhoneソーシャルゲームプラットフォームOpenFeintX登場

http://www.istpika.com/blog/1430/

株式会社istpikaブログ。以下引用。


Facebookは巨大な市場を生み出しました。それはFacebookのゲームがバイラルテクノロジーにより簡単にユーザー同士に伝播する能力をもっていたからです。そして、その中のごく一部の人たちが現金でバーチャルグッズを買います(アイテム課金)。それによって大きな市場となったのです。もし、iPhoneでもそのやり方をコピーできるなら、多くのiPhoneゲーム会社も潤っていたでしょうが、現在そうなってはいません(儲かっているiPhone開発者はごく一部です)』


つまるところ、Facebookのように(そして「GREE」のように)プラットフォーム内課金モデルを構築したい、ということですね。印象的なのは『Aurola Feintの従来のプラットフォームであったOpenFeintは、iPhoneのためのXbox Live』という一文。つまりは『メイン機能があっての無料』サービス。次にOpenfeintが狙いたいのは『スマートフォンゲームにおけるFacebook』、むしろ『mobage』であり『GREE』なのでしょう。


個人的には、このユーザー数でもってGREEが注力しているスマートフォンアドネットワーク事業がどう活きてくるかにも注目しています。広告モデルは基本であり、スマートフォンにおける広告モデルには大きな可能性があります。


GREEスマートフォン向けアドネットワーク企業を買収

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/18/news082.html

※『グリーは1月18日、スマートフォン向けアドネットワーク事業を展開するベンチャー企業アトランティス東京都千代田区)を買収し、同事業に参入すると発表』。買収金額はおよそ16億円だそうです。


アドネットワークとは(日経ネットマーケティング

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080411/298767/

※『アドサーバーを運営する事業者が、複数のメディアサイトと提携して広告を配信する。

広告主にとっては、一つのアドネットワークに発注すれば、傘下の多数のメディアサイトに広告を配信できるため手間が省ける』。簡単にいうと、広告配信を取りまとめて配信するサービスですね。いま、スマートフォンへの広告配信で注目されている分野です。広告主がGREEに依頼すれば、個別に配信を依頼しなくても一斉にアプリに配信してもらえる、というイメージ。

グリー、アトランティスアドネットワークGREEプラットフォームに提供開始

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3240

グリー、開発パートナー向けアドネットワークサービス「GREE Ad Program」の提供を開始

http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0224_02.html


現段階では膨大な売上を狙えるモデルがある、とはいえませんが、そうなる可能性はある、ということです。

GREEノウハウでもって、7500万人のユーザーが有料課金に乗り出せば……、という想像は夢が膨らみます。

スマートフォンにおけるゲーム内課金は「グローバルでは日本ほど上手くいかない」と言われてきましたが、最近は海外のソーシャルゲームデベロッパーからも、以下のような報告もされています。


iPhoneゲーム,アイテム課金で売上が劇的に改善。ARPUFacebookの6倍,GREEレベルに

http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/07/iphone-95ac.html

※「米国モバイル市場調査会社Flurryによる調査結果とiPhoneアプリデベロッパー数社のコメント」が主な内容。「課金売上単価が約10倍(1.49ドル→14.66ドル)」といったデータも。iPhoneゲームはその課金単価からするとFacebook(平均2.5ドル)より魅力的なプラットフォームになりつつある、という指摘。


少なくとも、一度そうなればOpenfeintにはそのユーザー数を背景とした爆発力があるわけです。

そのため、投資・出資の対象としても注目されており


インテル中国のThe9、OpenFeintに出資

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2304

※2010年10月の記事。『2社の出資額は800万ドル』とのこと。

そしてお馴染みDeNA


米国Aurora Feintとの資本業務提携に関する基本合意のお知らせ(株式会社ディー・エヌ・エー)

http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html:title=http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html

]

このように2009年10月05日の段階で資本業務提携を行っていました。今回のプレスリリースの中でもOpenfeint

の大株主の中に、第2位として株式会社ディー・エヌ・エーの名前が登場しています。


当社子会社であるGREE International,Inc.によるOpenFeint,Inc.子会社化のお知らせ

http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=878969

※『株式会社ディー・エヌ・エー (18.3%) The9 Limited (14.3%) Intel Capital Corporation (10.7%)』


この点、DeNAは2010年10月に米国ngmoco社を買収しており、同社のもつPlus+ネットワーク(現在はmobage)と資本提携先のOpenfeintとの事業領域の重なりが指摘されており、その動きが注目されていました。


米国ngmoco社の買収について〜世界No.1のソーシャルゲームプラットフォームの構築を加速〜

http://dena.jp/press/2010/10/ngmocono1.php

DeNA南場智子社長インタビュー翻訳(要約)

http://d.hatena.ne.jp/soechan129/20101016/1287231643

※Inside Social GameによるDeNA南場社長のインタビュー。

『Q:DeNAが20%の株式を持っているOpenFeintとPlus+ networkは競合するのでは?

 A:競合するかもしれない。※OpenFeintには長期で投資しているだけ(Passive Investor)だから、Plus+networkを戦略の中心に置く。つまり、西洋の市場ではPlus+ networkを展開していく』。


GREEプレスリリースIR資料を見る限り、今回はOpenfeintへのDeNAの出資額(約20%)は他の株主と同様、

GREEが現金で引き取る、という形になったようです。この辺りもどういう駆け引きがあったか気になりますがこちら2社の比較についてはまた別の機会にじっくりやってみたいと思います。


4.GREEとOpenfeintのこれから

GREEとOpenfeintのこれからについては、奇しくもDeNAの過去のプレスリリースが参考になりそうです。


米国Aurora Feintとの資本業務提携に関する基本合意のお知らせ(DeNA

http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2009/10/aurora_feint.html


の中に、『Aurora Feintは、同分野のトッププレイヤーで、多数のゲームデベロッパーコミュニティユーザを擁する「OpenFeint」に、DeNAが「モバゲータウン」で培ったコミュニティ運営やマネタイゼーションのノウハウを融合することにより、同事業を飛躍的に成長させる』という記述があります。


結果としてはその後、ngmoco社の買収、Plus+ネットワーク統合による『mobage』のグローバル化に動いた訳ですが、2009年の段階で、こういった戦略は提示されていました。


一方、それから2年以上が経った今、GREEはどう動くのか。


過去にGREEとTencentの提携の記事でも書いたのですが、GREEは非常に大きな構想をもっているように思います。短期的にはマネタイズローカライズなどで苦労するかもしれませんが長期的にみれば、大きなプラットフォーム連合の盟主となる資格を有しているのではないでしょうか?


GREEソーシャルゲームアプリのイメージが強いのですが、その開発パートナーにはゲーム以外のプレイヤーも意外と多いことが知られています。


スマートフォン向け「GREE Platform」に171社がアプリを提供へ

http://www.gree.co.jp/news/press/2010/1217.html

※例えば出版や占いコンテンツなど。代表格として、以下の角川グループも。

角川グループとグリー、インターネットコンテンツ事業で業務提携

http://www.gree.co.jp/news/press/2011/0224_01.html



こうした幅広いコンテンツでもって、アジア圏に打って出るのも面白いかもしれません。GREEパートナーがもつ日本の漫画、アニメ、映像コンテンツなどはひとつの魅力となるでしょう。



SNS/海外戦略】mixiGREEDeNA中国進出をまとめてみた

http://d.hatena.ne.jp/edy_choco_edy/20110126/1296051806

※自分の過去記事です。GREEのTencentとの提携について興味ある方はぜひ。



かつて上記記事のなかで

『うまくいけばGREEを軸に有力なSNSが繋がっていく「SNSプラットフォーム」化というのが、この先には見えてきそうです。ある意味、Facebook帝国に対するGREE共和国?』と書いたのですが、より現実味が出てきたように思っています。



GREEはその後、東南アジアを中心とするmig33との提携も発表しています。

グリー、「mig33」とスマホ向けプラットフォームの仕様共通化で合意

http://gamebiz.jp/?p=9428


これにより、GREE-Tencent、GREE-mig33、GREE-Openfeintという大きな連なりが見えてきます。

GREEを軸に、Tencentやmig33、更に今回Open Feintも加え『スマートフォンプラットフォームの仕様を共通化』していくというのは、面白い試みになりそうです。この『仕様の共通化』が何を指すかはおいおい見えてくるでしょうし、その内容によってインパクトも変わってくるでしょう。


同社はプレスリリースの中で以下のように述べています。


『グリーは、現在グローバル戦略の下、日本に加え海外で事業展開を進めています。今回の買収により、2,506万ユーザー(2011年3月末現在)が利用するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「GREE」と、スマートフォン向けゲームにコミュニティ機能を追加できるソーシャルゲームプラットフォーム「OpenFeint」で1億ユーザーを超える世界最大級のモバイル端末向けソーシャルプラットフォームを構築します』。


そもそも『モバイル端末向けソーシャルプラットプラットフォーム』とは何なのか。その答えが、これからの

GREEには求められてくるのではないでしょうか。


少なくとも私は。このような手本がない分野において、日本企業が世界をリードしている現状にとてもわくわくしています。


5.(おまけ)海外地域進出とグローバル進出という見方

今回の提携のニュースをみて、ふと思い出したことがありました。DeNASamsungとの提携です。


世界のサムスン電子スマートフォンDeNAグループのソーシャルゲームプラットフォームmobage」を提供

http://dena.jp/press/2010/12/denamobagedena.php


DeNAGREEの2社はいずれもグローバル志向を掲げ、積極的な買収・提携を繰り返してきました。

『海外地域進出』と『グローバル進出』という切り口でみることが出来ると考えています。


(地域)北米のngmoco(Plus+)、中国の天下網⇔中国のTencent、東南アジアのmig33

※地域・言語圏に根付いたネットワークを買収、提携することでユーザーを獲得し、現地デベロッパーとの関係を深める戦略。


(グローバル)Samsung端末へのプリインストール提携⇔Openfeint買収

※グローバルに展開するネットワーク(サービス、プロダクト)と提携、または買収し、一挙にグローバルなユーザー獲得につなげる戦略。


この若干性質が異なる買収・提携の二段重ねが今後どのような結果をもたらすのか。非常に興味深いと思います。ある意味で、地に足をつけた地域進出と、飛び道具的に一気にグローバル化するグローバル進出では、どちらが効果的なのか。いずれ結果が見えてくると思いますが、その成果も踏まえ、この2社の戦略から学ぶところは多いのではないでしょうか。


なお、参考までにソーシャルゲームメディア分野で注目されているサイバーエージェントも先日、北米市場でのソーシャルゲームプラットフォーム『GameWave』を発表しています。


サイバーエージェントiPhone向けソーシャルゲームプラットフォームを今春提供 グローバル展開を推進

http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2011/0228_1.html


JPモルガンサイバーエージェントの「GameWave」に関するレポートを発行

http://gamebiz.jp/?p=5975

JPモルガンによるレポート。『JPモルガン証券では、このプラットフォーム・モデルは、OpenFeint やScoreloopと類似するものと指摘している。また、同サービス開始に伴い、多額の投資コストは発生しないものと見ているようだ』とのこと。


こちらのプラットフォーム株式会社パンカクの『Pankia』を元にしており、これはOpen Feintに近い形式です。


株式会社パンカク

http://www.pankaku.co.jp/

PANKIA公式ページ

http://pankia.com/

米国Appstore有料ランキング1位を獲得した『Light Bike』が有名ですね。Pankiaは『6634765人』のユーザーがいるとのこと。



今後ともGREEとその周辺のプレイヤーが繰り出す海外戦略からは目を離せない日々が続きそうです。

引き続き、キャッチアップしていきたいと思います。

(追記)


グリーの国際展開におけるOpenFeint社 買収の位置づけ

http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?template=ir_material&sid=8916&code=3632


GREEの戦略についての公式資料。やはりポイントは『世界最大級のユーザー数を有する「OpenFeint」に、国内/海外で開発した自社ソーシャルゲームを展開し、収益化を図る』という目標でしょう。『収益化/仮想通貨、仮想アイテムの販売管理システム成果報酬型広告』という部分が、業績にダイレクトに影響しますから、直近の目標はここでしょう。


(追記終)

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 以上、今回のニュースをまとめてみました。なにぶん、浅学な学生のまとめたものですので抜け漏れ、誤りなどがあるかもしれません。ぜひご指摘いただければと思います。またリンク・引用させていただいた元記事の筆者の皆様に御礼申し上げます。引用についてはすべて出典を記しておりますが、何か問題あればお手数ですがご連絡いただければと思います。

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