女のいない男たち」/村上春樹

今週は村上春樹のこの短編を。

村上春樹作品はもうすべて読んでるんですが、短編は久しぶりの感じがあります。今回は愛した女性がいなくなった後の男たちについて。それは喪失感って言葉だけではない、なんとも言えない複雑な気持ちを丁寧に綴っています。最近の作品では青春時代の気持ちというか青い時代の話が多かった気がしますが、今回はほぼ大人の物語。大人になって人を愛することと、若い時に人を愛することはちょっと違うと思ってます。その愛していても切ない感じが、読んでいるとすごく胸に沁みてきてすごく良かった。

村上春樹の小説を読んでポジティブに感じるか、それともネガティブに感じるか。それで最近の精神状態がわかるところがあります。基本僕は村上春樹はネガティブだと思ってるんだけど、今回はどこかポジティブに思えました。それは作品がそうなのか、それとも僕の精神状態がそうなのか?そこは今のところ判断がついてないかなぁ。

いやしかしこの人の文章を読むと、自分で文章が書きたくなる。求心力のある文章はさすがだな。