「Crosseyed Heart」/Keith Richards


音楽は魔法であって欲しい派です。なので鍛錬があって、研究があってこそなのもわかりますが、そういう仕組みとか技術とか理論とかをパッと超えて差し出される良い音楽にとても惹かれます。


誰もが知ってるロックアイコンのキースはそんな一人。上手くならないことが美徳とされるとても不思議な人。でもこの人が独特のタイミングでコードをザクザク刻み、転がるようなリズムが流れれば、すべてがカッコいいR&Rになる。これぞマジック、魔法以外の何物でもない。


そしてソロアルバムでは、ストーンズではなかなか聞けないこの人の味わい深い歌が聴ける。僕は本体よりキースのソロが好きなんだけど、それはたぶんミックよりキースの歌の方が好きだからだと思う。この深いしわがれた声!たまらん。


まさかこの年になって傑作のソロを発表してくれるとは思わなかったなぁ。別に何か今までと違うわけではないのに、なぜかモダンに響くR&R。何かが違うんだろうなぁ。


まあ憧れるはもちろんあるけれど、こういう人にはなりたくてなれるものじゃない。最初からキースはキース。僕らみたいな普通のミュージシャンは鍛錬と研究をして音楽を作るのです。魔法かぁ・・・。