阪神 尼崎 駅前篇

いつもなら東に向うのか西に向うのか?と同行のA君に尋ねてから決める。
この時はそろそろ尼崎に行こう!という話になり行った。
まだまだ寒い頃の話である。

立呑屋を探してぶらぶら歩いていたがシャッター通りの商店街は
閑散として不景気であることを実感した。

雰囲気が良かったので飛び込んだが、偶然2席だけ空いていて
座る事が出来た。
ここは立呑みというより一応席がある。

酔客のおばちゃんやおっちゃん(すでに我々もそんな世代であるが)が
金の支払いで大見得を切っていたりする。


おでんを頼んだ相手は女性で少し言葉使いが異なっていた。

後で彼女は上海での燃え墜ちるビルの画像を見ながら「ワタシノクニ」
とそっと呟いた。

おでんの後で焼き鳥等を頼み、ビールから熱燗に切り替えた。

その時点から応対してくれたのはどうやら店の大将であった。

もっと排他的な気分が味わえると思ったが結構開放的な雰囲気で
金さえきっちり払えば誰でも対等に相手するよ、という様な
感じであった。

雰囲気はメキシコ南部の都市の中心地付近にある呑み屋に近い。

店とも縁の問題でこの後で別の人間と続けていくことになった。