嗚呼、テレ日トシネマ−雑記−


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2009-06-28(Sun)

[]『足利事件』報道についての比較検証その1(少女趣味の裏付けとされた押収物のゆくえ)

前回の記事(足利事件、逮捕当時(1991年12月初旬〜1992年1月中旬)の報道)のつづきです。各新聞紙面(ワイドショー含む)を比較して出てきた気になる点について2つばかり検証してみたいと思います。



検証その1:容疑者とされた男性の借家にあったと報じらた「少女写真」「少女を扱ったビデオ、雑誌」の行方

マスコミが好んでよく使う手法に「印象操作」というのがありますが、スクープ合戦が繰り広げられる事件の場合、速報性が優先されるが故に、間違った情報が検証されることもなく流布され、そのまま印象操作に使われるということが時折起こります。例えば最近では『秋葉原通り魔事件』の犯人が逮捕されたとき、犯行前に訪れたミリタリーショップの防犯カメラの映像がマスメディア各所で公開され、そこに映ってた犯人のとある仕草について、第一報では「ナイフで刺すような仕草」と報じておきながら、のちに「雪かきをしてる仕草」であることが判明し、慌てて当該部分の記述のみ削除されたというようなことがありました(関連:防犯カメラの前で犯人が見せたのは“ナイフで刺す仕草”ではなく“雪かきの仕草”?)。犯人の行った仕草がナイフで刺す仕草なのか雪かきの仕草なのかは、その仕草をしてたときに犯人と会話していた店員に確認をとれば済むだけの話だったのですが、「ナイフで刺す仕草」と言う情報が「操作したいイメージ」に非常に有利に働く情報だっただけに、誰も疑わず、真偽の検証が疎かにされたように見受けられます。今回の『足利事件』でも似たようなケースが見られたのでひとつ取りあげてみたいと思います。


比較する紙面は以下のサイトに掲載されたものを使用しますが、一語一句間違いのない正確な情報が知りたい方は、各新聞社の記事が検索できるサイト(有料)がありますので、そちらで再度確認していただけるとありがたいです。(→ G-Search 新聞雑誌記事横断検索(年会費1,000円+従量制(見出し5円/記事1件100円)))

【ほぼ全文】

足利事件当時の新聞報道 ※読売新聞(1991/12/1,2,1992/2/14付)の記事

足利事件 ※読売新聞(1991/12/1,3,22,25付)、朝日・毎日新聞(1991/12/1付)の記事

足利事件、逮捕当時の報道 ※東京新聞(1991/12/2,3,22,1992/1/16付)



【部分抜粋】

【足利事件】一部先走った報道 本紙新ガイドラインで検証(@産経新聞 09/06/23)

足利事件 一部マスコミの菅家氏への侮辱報道を暴く!(朝日・読売報道より)

足利事件、読売新聞報道を検証…DNA一致発表疑わず:社会:YOMIURI ONLINE(読売新聞)

尚、引用にあたり個人名は全てイニシャルに変えさせて頂きました。

 * * * *


容疑者とされた男性が捜査当局から任意同行を求められたのが12月1日(日曜日)早朝。事前に情報を掴み、同じ日の“朝刊”で「遺伝子ほぼ一致、重要人を近く聴取」とスクープしたのは読売・朝日・毎日の大手三社だったといいます。容疑者とされた男性が捜査線上に浮上した理由についてどのように書かれているのか、この三社の12/1付朝刊記事を読み比べてみたところ、朝日・毎日の二紙が「遺伝子がほぼ一致。犯人と同じ血液型(朝日新聞)」、「遺伝子がほぼ一致。少女が行方不明になったパチンコ店によく来店してた(毎日新聞)」と報じていたのに対し、読売新聞では「遺伝子がほぼ一致。犯人と同じ血液型」の他に次のような情報が付け加えられていました。

捜査本部は、これまでの調べで、男性が<1>少女を扱ったビデオソフトや雑誌を愛好している<2>Mちゃんが失踪したパチンコ店に度々きていたが、事件後、姿を見せなくなった<3>事件当日の夕方以降の足取りが不明――などをつかんでいる。


(1991年12月1日 読売東京 朝刊)

「少女を扱ったビデオソフトや雑誌を愛好している」という記述は、『宮崎勤事件』があった直後だけにかなりセンセーショナルな情報です。しかもこれを報じたのは読売のみ。ある意味、スクープともいえます。


12月1日早朝に任意同行を受けた男性は、十数時間に及ぶ取り調べの末、同日夜10時頃に自供。翌2日未明に逮捕されます。その発表を受けた読売新聞は、翌2日の朝刊でも引き続き「ロリコン趣味の45歳」という見出しを使って以下のような報道を展開させていきます。

週末の「隠れ家」でロリコン趣味にひたる地味な男。その反面、保育園のスクールバス運転手を今春まで務めるなど、"幼女の敵"は大胆にもすぐそばに潜んでいた。


「週末の隠れ家」には、少女を扱ったアダルトビデオやポルノ雑誌があるといい、S容疑者の少女趣味を満たすアジトとなったらしい。


(1991年12月2日 読売東京 朝刊)

『足利事件』報道について社内検証を行った読売新聞は、当時のこういった表現について「予断や偏見を読者に与えた可能性はある」と記述*1。しかし情報の信憑性については当時取材に携わった10人以上の記者から聞き取り調査し以下のように報告しています。

◆「少女趣味」など予断を招く記述◆


 逮捕を伝える2日朝刊社会面では、「ロリコン趣味の45歳」の見出しで、菅家さんが週末を過ごしていた借家について「少女を扱ったアダルトビデオやポルノ雑誌があるといい、少女趣味を満たすアジトになったらしい」との記事を掲載した。


 記事は、県警担当の記者が菅家さん逮捕の約1週間前、県警幹部から取材をした情報がもとになっていた。別の複数の捜査幹部からも「逮捕できるだけの直接証拠ではないが、状況証拠の一つだ」との感触を得ていたことから、菅家さんの逮捕直後に記事にした。


足利事件、読売新聞報道を検証…DNA一致発表疑わず:社会:YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「逮捕直後に記事にした」とありますが、「少女を扱ったビデオソフトや雑誌を愛好している」という記事が最初に書かれたのは逮捕前の12月1日なので、少しばかり印象操作してますね。読売の記者は「複数の捜査幹部」からこの情報を得ていたようですが、毎日、朝日の記者は事前にこの情報を掴むことができなかったのでしょうか。掴んでいながら何か思うところがあり掲載を見送ったのでしょうか。



家宅捜索の結果が発表されると、容疑者の「ロリコン趣味」を印象づけるような情報が別の新聞社の記事からも報じられるようになります。まずは東京新聞

家宅捜査の結果、少女写真などが多数発見された。


(1991年12月2日(月曜日) 東京新聞 夕刊)

そして産経新聞。

「家宅捜索で自宅に「幼女趣味のビデオテープや写真集が散乱」しているのが見つかったと報道


【足利事件】一部先走った報道 本紙新ガイドラインで検証(@産経新聞)

ワイドショーも同様です。(注:以下に記すのは私が当時個人的に文字起こししていたもので、局や番組名等は不明。地検に送検される模様が記されているので、地検に送検された日(12月2日)か翌日(12月3日)のワイドショーだと思います。)

レポーター「ここはS容疑者が借りていた民家です。(中略)ここからは既に200本以上にのぼるアダルトビデオ*2、さらには幼い女の子の写真を載せたポルノ雑誌などが押収されています。」


12月2日未明に逮捕された男性は、その日のうちに身柄を宇都宮地検に送検されます。捜査本部は再度自宅と実家を家宅捜索し、翌12月3日の各紙でこれまでに押収された品物の詳しい内容が報道されます。しかしそれは、前日まで報道されていた内容を一部覆すものでした。

まずは東京新聞

捜査本部は二日、再度自宅と実家を家宅捜索、成人向け雑誌やポルノビデオなど約二百点、犯行に使ったとみられる自転車を押収した。(中略) 家宅捜索で捜査本部は手帳類、ビデオ、雑誌などを押収したが、ビデオのほとんどが成人対象のアダルトもので、内容的には幼女を扱ったビデオではないことがわかった。


(1991年12月3日(火曜日) 東京新聞 朝刊)

同捜査本部では同容疑者の自宅、実家から押収した手帳、メモ帳、アダルトビデオなどを分析しているが、いまのところ犯行を裏付ける証拠は見つかっていない。


(1991年12月3日(火曜日) 東京新聞 夕刊)

産経新聞。

「家宅捜索で自宅に「幼女趣味のビデオテープや写真集が散乱」しているのが見つかったと報道した翌日、捜査本部が押収したビデオが「幼女を扱ったビデオではなかった」と修正するなど、女児との関係性を求めるあまり、先走ったとみられる報道もあった。」と記述されてる。


【足利事件】一部先走った報道 本紙新ガイドラインで検証(@産経新聞)

そして読売新聞も。

12月3日読売新聞・朝刊・社会面で「一方、二日午後、借家と実家の二か所で家宅捜索が行われた。同本部では借家から市販のビデオテープとレーザーディスク計二百十一本、ポルノ雑誌十数冊と犯行の際、容疑者が乗っていた自転車などを押収した。ビデオ類の七割は成人向けだったが、雑誌類を含め、ロリコン趣味を思わせる内容のものはなかった。」と報道されている。


足利事件 一部マスコミの菅家氏への侮辱報道を暴く!(朝日・読売報道より)

逮捕を伝える2日朝刊社会面では、「ロリコン趣味の45歳」の見出しで、菅家さんが週末を過ごしていた借家について「少女を扱ったアダルトビデオやポルノ雑誌があるといい、少女趣味を満たすアジトになったらしい」との記事を掲載した。


記事は、県警担当の記者が菅家さん逮捕の約1週間前、県警幹部から取材をした情報がもとになっていた。別の複数の捜査幹部からも「逮捕できるだけの直接証拠ではないが、状況証拠の一つだ」との感触を得ていたことから、菅家さんの逮捕直後に記事にした。*3


しかし、県警の捜索で少女を扱ったアダルトビデオなどは発見されなかった。このため、翌3日の朝刊社会面の記事で「ロリコン趣味を思わせる内容のものはなかった」と修正したが、菅家さんについての予断や偏見を読者に与えた可能性はある。


足利事件、読売新聞報道を検証…DNA一致発表疑わず:社会:YOMIURI ONLINE(読売新聞)

読売新聞が県警幹部や複数の捜査幹部から得ていたという「容疑者の男性は少女を扱ったビデオソフトや雑誌を愛好している」という情報は、結局警察が世論誘導のために流した「ガセネタ」だったってことなんでしょうか(※ちなみに当時のワイドショーでは男性が毎週のように通っていたビデオレンタル店にインタビュー取材し、借りたビデオの内容や頻度を聞き出していますが、そこでも「ロリコン趣味を思わせる内容のビデオ」を借りたという証言は得られていません)。“家宅捜索で押収した”と報道された「少女写真(東京新聞)」「幼女趣味のビデオテープや写真集が散乱(産経新聞)」「幼い女の子の写真を載せたポルノ雑誌(TVレポーター)」というのは結局なんだったのでしょう。警察はありもしないものを家宅捜索の結果「見つかった」「押収した」とウソの公式発表を行ったのでしょうか。これについてはどこの記者さんでもかまわないので当時家宅捜索に関わった捜査員に取材して確かなことを確認し、記事としてきちんと残しておいてほしいなと思います。


尚、大手新聞各社による検証記事は以下にまとめてあるので併せてどうぞ。

「事件報道ガイドライン」と『足利事件』報道についての社内検証状況まとめ



そういえば、容疑者とされた男性の釈放後単独インタビューにどこよりも早く成功したのは「読売新聞」でしたが、男性が当時の報道を知っていたらどう対処するつもりだったのかというのは気になるところです(追記:残念ながらインタビュー記事は掲載から2週間を経過したので削除されたようです)。




2つめの検証はまた後日。


-追記-

書き上がりました。

『足利事件』報道についての比較検証その2(DNA鑑定に使用された「毛髪」のゆくえ)


*1:可能性どころか、予断や偏見を読者に与えるためにわざと書いてるようにしか読めないので、ここは産経新聞のように「女児との関係性を求めるあまり、先走ったとみられる報道もあった」と潔く認めるのが頭の良いやり方だと思います。

*2:これは正確な数字ではありません。番組後半では「204本のビデオが押収され、そのうち7割がアダルトものだった」という説明がなされます。

*3:「逮捕直後に記事にした」とありますが、これは自分をよく見せようとする印象操作ですね。実際は任意同行を求めた12月1日の朝刊で既に「<1>少女を扱ったビデオソフトや雑誌を愛好している」と記事にしています。

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