神田川氾濫戦争

13:30 Aプロ 約40名 15:50 Bプロ 約60名
17:50 Cプロ 約80名 19:00 Dプロ 約110名
オトコ6:オンナ4


本日は2日目の映画美学校映画祭。
米国在住の方よりの出品(出演は米国人)や青森で撮影された作品、
ホラーから恋愛もの、下ネタまでヴァラエティに富み、
最後のDプログラムはスクリーン手前まで人で埋まる盛況ぶりでした。
最前列で御覧戴いた方、姿勢が辛かったと思います、失礼致しました。


楽しみにしていた西山洋市監督の『INAZUMA 稲妻』は、
スクリーンから50センチしか離れていない左下から見上げる形、
美しき宮田亜紀さまのお顔も歪みまくりという状態だったので、
論評は差し控えます。


その西山ゼミによる『ナオミ昇天』も素晴らしかったのですが、
本日はむしろ怪作をご紹介しましょう。


まず田村匡宏さんの『白山』。
<ビャクザン>とでも読むのかと思っていたら何のことはない、
文京区の<ハクサン>でした。
今回出品された全47作のうち最も長尺の88分なのですが、
大半はその狭い一画でオトコがオンナを追いかけているだけ!


こりゃこのままで終わるんだろうなと油断していると、
突如とんでもない事態が勃発する。


しかも春夏秋冬と季節は一巡します。
スタッフが集合するのが難しいので短期間に撮影されることが基本の、
自主映画の世界でこれはかなり稀有な事態だと思います。
そのくせ遠出した堀切菖蒲園では一本も咲いていないという念の入れよう。
監督は相当の確信犯だと思われます。


もう一本は宮本亮さんの『とっぴんぱらりのぷう』。
タイトルからして変化球臭プンプンですが期待以上でした。
<映画の道を断念し実家へ帰ることを選んだオトコを、
三人の友人がそれぞれの思惑で最後の話し合いに臨む>のですが、
これは実話に基づいています。
というと内輪ノリと思われるかも知れませんがそこはキチンとしています。
半分しか見ていない段階で何ですがわりと音の処理で技術の差が出やすい。
この作品の音の使い方は見事でした。


ところで三人の思惑は無残にも打ち砕かれるのですが(本当に実家に帰っちゃいました)、
それもむべなるかなと思われるほどオトコの怪人ぶりはヒドイ。
恐るべきことにこれも本人の地のままだそうです。


変化球でも直球でもキレのある作品がたくさんあるなと、
打ち上げで美味しくお酒を戴いていると、
「オマエんとこ避難警告出てるぞ、酒飲んでる場合か」と、
近所に住む友人から連絡があり慌てて帰宅。