やみつき CinemaCrew(「映画秘湯」改メ)

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2005-09-18 マブゼでもナルセでもなく

鉄路の男 01:15

国立フィルムセンター小ホール 13:00 151名 オトコ6:オンナ4


本日ようやく「ポーランド映画 昨日と今日」へ。

残念ながらイェジー・カヴァレロヴィッチ『フリギアの星の下で』は、

見逃しに終わるがアンジェイ・ムンクに大いに期待する。

日曜のためもあり上映10分前には満員打ち止め。早目に着いて良かった。


冒頭の機関車のシーンから、もうたまらない。

検札が来たため壁に吊るしたコートの下から慌てて身を現す男女、

線路上に人影を発見して急ブレーキで停車する列車、

飛び降りて確認に行く運転士たち、そして…。

適確な編集で話はスリリングに展開されていく。


車輪とシャフトが織りなすダイナミックな動き、警笛のけたたましい響き、

煤や油による顔や衣服の汚れ、硬質に光る鉄の車体、柔らかく流れる蒸気と、

映画的要素満載の乗り物=機関車の魅力を余すところなく捉えた傑作でした。


以前ムンクの『エロイカ』はNHK衛星で放映されたのだが、

WOWWOWも含めてこうしたモノクロ映画が紹介されることが激減したのは残念至極。

聞いた話ではモノクロは若い人が敬遠するからという理由で、

よほどの名作でない限り除外されてしまうらしい(特に海外作品)。

更に映画内だけでなく放映枠を米国野球欧州サッカーと争わなくてはいけない、

という何とも厳しいご時世なんです。

そしてこのご時世に頑張っている人たちの上映会へ。

Movies-High♯6 01:15

東京国際フォーラムD1 16:00 約100名 オトコ5:オンナ5


Movies-Highとは映画学校のニューシネマワークショップ(以下NCW)

実習短篇作品を集めた上映会のこと。

以下の文章ですがNCWは私が在籍した映画美学校のライヴァルであるので、

負け惜しみやら嫌がらせなどバイアスがかかっています。

また見たのは全4プログラム(生徒作品は2つ)のただひとつだけですので、

その点もご了解下さい。


まず上映前に場内を見渡すとみなさん格好がこぎれい。

同世代でも美学校より平均年収が100万円は高い感じ。なんか居心地悪い。

一方フィルムセンターやらアテネフランセに漂う映画マニア臭は全くなく、

若い人と女性が多いのは良い感じ。


作品は濱地沙絵さん『ボクと彼女とりんご』、吉田八郎さん『ソーダポップホリデー』、

室谷祐子さん『GAME OVER』、日隅あずささん『鳥』、

高野雄宇さん『一銭店屋の帰り道』、中村忍さん『放課後とキャンディ』、

今泉力哉さん『透明なシャッター』の7編。


タイトルからして美学校とは違う! と思ったのですが、

もう一方のAプログラムには『Nature Calls Me』、『痩せる薬』、

『マリアンヌの埋葬』など違和感のないものがありました。

チラシを事前に入手出来なかったせいもあり後から気づいたのですが、

このBプロは「ビター&スウィート」と題されている。

明らかにAの「スパイシー&ブラック」の方が趣味なんですが、

時間の都合もあったので仕方ありません。


その点からも少々私には刺激が弱かったです。

暴力ふるったりイジメたりする作品が5つあったのですが、

『透明なシャッター』以外は本気でやっているとは感じられなかった。

例えば『ボクと彼女とりんご』では女性が彼氏に手にしたスーパーの袋を

投げつけるのですがぶら下げたまま姿勢からアンダースロー

キチンと持ち直してオーバースローでぶつけて欲しかった、という具合です。


また『ボクと彼女〜』、『ソーダポップ〜』など音楽の使い方が安易に感じました。

『GAME OVER』の発想や展開はいいのだけどもっと画で見せて欲しかった。

その割りに全作品共通で説明がひとつ多い。


発想と言えば『ソーダポップ〜』の手旗信号でパイロットをナンパする=

飛行機を堕とす、という平和なテロリストは秀逸でした。


もったいないと感じたのは『放課後とキャンディ』で、

手前に人物を配し、隠れた画面奥の人物が駆け寄る・駆け去るというシーンです。

カメラ数センチのずれなんでしょうが唐突感が今いちスパークしなかった。

同じ構図が2度あることから意図的だと確信していますが、

トイレと廊下という狭い空間だったので、

単にカメラを置く場所がなかったと受け止められる危険さえありました。


『鳥』について。アニメーションの知識不足なので、

うまく言及できず申し訳ありません。

ただNCWにアニメーション科はないはずなのに、

自作の詩から作り上げたあなたにはガッツを感じました。



ところで各作品上映前に監督・スタッフの舞台挨拶があれば良かったです。

チラシに顔写真つきでコメントがあるとは言え、

7作品間なしに続けて見るのはちょっとつらかった。

ただしこれは美学校が第一映写室やらユーロやら、

ホームグラウンド(準)でやっているから簡単に融通が利く話なのかも知れません。


国際フォーラムという完全ビジターで、

誘導・受付など運営がキチンとしていたのは立派だと思います。

更に10月4日より今回の『ぼくと〜』、『透明な〜』を含む、

10作品の上映会を八丁堀リトルシアターでやるというのは、

本当に立派で内弁慶の私たちも見習うべきだと思いました。

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