蜂太郎日記

森昌子を聴きながら・・・

他10、森昌子に宇都宮市民栄誉賞を


 美空ひばりはいない。阿久悠もいない。遠藤実玉置宏もいない今、戸倉俊一はJASRAC会長だし、ペギー葉山は少し前まで日本歌手協会の7代目会長(現在は理事)だった。また、小林幸子には2005年新潟市長岡市より特別感謝状を受けると、2006年には松尾芸能賞大賞や紺綬褒章をはじめ、他にも多くの受賞歴がある。都はるみは2010年62歳の時に紫綬褒章を受けている。
 そんな今日この頃、田中裕子に紫綬褒章が授与された。ドラマ「想い出づくり」主役三人の内の一人である。田中裕子の受賞を聞いて、森昌子にもそろそろ何かをとふと思い、ナベサダの略歴を見て気なるものを見つけた。ナベサダこと渡辺貞夫には数々の受賞があるが、その最初となった「宇都宮市民栄誉賞」である。


 よくよく考えれば森昌子の受賞は多くない。若い時にデビューしたこともあってか、歌謡界初、芸能界初の修辞がつくことは多いのだが、そのデビューのインパクトや、その後多方面に渡って歌謡界を支え続けたことを考えれば、確かに受賞歴が多いとは言えないだろう。そしてそれは「賞に興味はなかった」と自著に書くように、本人が賞そのものに執着しなかったことにもあるのかもしれないが、ジャンル分けの好きな日本人や業界が、多方面に渡る彼女の才能を適正に評価し得なかったとも言えるのではないだろうか。だからといって、彼女の才能や活躍が否定されるものでないことは言うまでもないだろう。

 そして今、業界の表彰を除いて彼女に最も相応しい賞は何かと考えた時、渡辺貞夫の経歴にある「宇都宮市民栄誉賞」に眼が行った。デビューから森昌子が陰に日向に宇都宮を支え、宇都宮を背負って来たことは事実だろう。宇都宮市が彼女を表彰するのに支障があるとは思えない。40周年を迎える今こそ、宇都宮市森昌子を表彰してその貢献を称えるべきだろう。

 郷土の先輩渡辺貞夫は確かに偉大だが、ジャンルは少し違うのだが、それでもいい見本となる。渡辺貞夫の略歴の内、受賞関係の項目を以下に記すのでご覧頂きたい。


渡辺貞夫

  • 1932年2月1日誕生
  • 栃木県立宇都宮工業高等学校卒業
  • 1977年    アルバム「渡辺貞夫リサイタル」で芸術祭大賞を受賞
  • 1984年4月  第1回宇都宮市民栄誉賞受賞(52歳)
  • 1988年5月  ロサンゼルス名誉市民賞受賞
  • 1995年11月 紫綬褒章受章(63歳)
  • 1996年    米国バークリー音楽大学 名誉音楽博士号授与
  • 2002年6月  第1回栃木県民栄誉賞受賞(70歳)

渡辺貞夫は52歳の時に受けた宇都宮市民栄誉賞」を皮切に、以降、次々と受賞する。また、「宇都宮市民栄誉賞」受賞者は現在2名で、もう一人は馬渕まり子。ソフトボールの選手である。


増渕まり子


 私は森昌子40周年を期に「宇都宮市民栄誉賞」の受賞をと思っている。そしてそれを糧に歌い続けて欲しいと願っている。60になったらまた別の目標を、別の褒章を彼女を支える人たちが考えてくれるだろうから、それはその時のこととして、今は「市民栄誉賞」だろうと考えたのである。


 栃木県にはまた県民栄誉賞なるものもある。これは前述の渡辺貞夫船村徹、またプロ野球石井琢朗、ロッテのサブマリン渡辺俊介等が受けている。渡辺貞夫以外の人たちは皆、宇都宮以外の出身である。宇都宮生まれの森昌子は市民栄誉賞が先でなければならない。県民栄誉賞は市民栄誉賞の後でいい。先に受けたら宇都宮市の立場がない。また宇都宮市にその制度があるのに、それを受けてない者に県民栄誉賞を与えるとなると、県側は二の足を踏むだろう。県民栄誉賞は50周年或はそれまでの間にとして、当面は市民栄誉賞だろうと考えた。
 それで最近、私は宇都宮市にメールした。「歌手の森昌子さんを市民栄誉賞の候補者としてご検討頂きたい」と。勿論、実名でである。匿名では真意を疑われる。以前にも、市民栄誉賞の選考基準や、一般からの推薦が可能かどうか等の問合わせはしていて、「ご意見をお寄せ下さい」との返答は頂いていたのだが…。
 改めてこの場を借り、宇都宮市の本賞に関係される方々に、森昌子さんに対する「市民栄誉賞」の授与を前向きにご検討頂きます様、心よりお願い申し上げます。


 「宇都宮市民栄誉賞」の説明と二名の受賞者に関する記述を、宇都宮市のホームページから引用します。

 市民栄誉賞とは、市政功労表彰・うつのみや市民賞に規定する基準に該当する個人又は団体のうち、特に本市の名声を高めたもの又は広く市民に敬愛されているものに授与される。

受賞者(現在2名)
1、渡辺貞夫
受賞日:昭和59年4月2日
受賞理由:世界的ジャズプレイヤーとして、国内外において高く評価され、ジャズ界初の芸術祭大賞を受賞するなど、世界のナベサダとしてその地位を不動のものとした。

2、増淵まり子
受賞日:平成13年1月9日
受賞理由:シドニーオリンピックソフトボッ便りール競技において、日本代表チームが銀メダルを獲得するに当たり、主要メンバーとして活躍。

 また、重複しますが宇都宮市の当該ページはこちらです。
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/gaiyo/aramashi/003003.html
 褒章に関する記述をウィキペディアから引用します。

褒章(ほうしょう)とは、社会や公共の福祉、文化などに貢献した者を顕彰する日本の栄典の一つ。貢献した分野により、紅綬褒章緑綬褒章黄綬褒章紫綬褒章藍綬褒章紺綬褒章の6種類がある。
紫綬褒章(しじゅほうしょう)「学術芸術上の発明改良創作に関し事績著明なる者」に授与される
紺綬褒章(こんじゅほうしょう)「公益の為私財を寄付し功績顕著なる者」に授与される。