11/06(日) SALLE GAVEAU@池袋LIVE INN ROSA

11/06(日) SALLE GAVEAU@池袋Live Inn Rosa に行って来ました。セットは以下、

砂-SUNA-
1. ダブ・インスト (約9分)
2. ウエラズ (約4分)
3. 新曲 (約4分)
4. 木洩れ陽 (約5分)
5. そのままの位置 (約4分)
6. 夜をつなぐ (約5分)
7. 雨よ (約6分)

約39分

砂-SUNA- Member:
奥山恵一郎(Vo)
渡辺勝(Gt)
新井秀夫(Gt)
森俊也(Key)
大久保“KUUBO”晋(B)
高田正則(Dr)
岩本平太(Perc)


KILLING FLOOR
1. (福島 as、Solo 無し、約3分)
2. (福島 ss、Solo:tb -> tp -> ss、約14分)
3. (福島 as -> ss -> as、Solo:ss -> tb、約6分)
4. (福島 as、Solo:tb -> as -> tp、約9分)
5. (福島 ss、Solo:tp -> tb -> ss、約10分)
6. (福島 as、Solo:st -> tb、約8分)
7. (福島 as、Solo 無し、約5分)
8. (福島 as、Solo:st -> tp -> tb -> as、pr -> pr-dr -> dr -> のソロ繋ぎを5周、約11分)

約67分

KILLING FLOOR Member:
Mikio Fukushima(as,ss)
Shin-ichiro Sekiguchi(tp)
Hamano Kenta(tb)
Katsuyuki Nishiyama(stick)
Atusi Nakazato(dr)
Tomomi Takenoya(perc)
Daichi Itoh(perc-dr)


SALLE GAVEAU:
1. アローイ (鬼怒無月作曲、約7分)
2. パレード (鬼怒無月作曲、約5分)
3. 7 Steps to Post Tango (佐藤芳明作曲、約8分)
4. カルカッタ (林正樹作曲、約7分)
5. クレーター(鬼怒無月作曲、約9分)

Encore:
6. 1/29 Tango (鬼怒無月作曲、仮タイトル、約5分)

約47分

SALLE GAVEAU Member:
鬼怒無月(g)
喜多直毅(vn)
佐藤芳明(acc)
鳥越啓介(b)
林正樹(key)



ROSA5TH ANNIVERSARY『Future Alien6〜アヴァンギャルドな夜〜』と言うことで凄いメンツです、このメンツが一堂に会する事自体が物凄いことで、しかも本日は、林さん SALLE GAVEAU 加入後、フルメンバーで初のお披露目となります。鬼怒さんが SALLE GAVEAU の MC にて「Rosa さんならではのブッキングですね、阪内さんありがとうございます」と仰ってましたが、本当に本日の企画をして下さった阪内さん@Live Inn Rosa に感謝申し上げます。

先ずトップバッターは、砂から、先日の江古田 Buddy では、早坂紗知さんがゲスト参加(ご存知の方も多いと思いますが、渡辺勝&SIL,BALLAD UNIT 繋がり)されていたのですが、残念ながら今回は無しでした。メンバーが長くシーンで活躍されているベテラン揃いですので安心して聴いていられます、基本的にはオリジナル・レゲエで、本格的なレゲエを日本語詞で早くから演奏されていたので、その筋では有名なバンドです。休憩中に Shine Head の「Jamaikan In New York」を流していた辺り、流石 Live Inn Rosa(ここの休憩中の選曲は鬼怒さんも毎度 MC ネタにする鋭さを持っています)ですね。ちょっと軽く泉谷しげる入ってる奥山さんの怪しげな踊りと声量の無いながら味のあるヴォーカルが、ちょっとネイティヴ入っている KUUBO さんの5弦ヘッドレスベースによるもたったグルーヴ、それぞれがキッチリ味のある演奏をする他のメンバーと一体となってのレゲエ感の創出が心地良く出来ています。相変わらずの味のある演奏をキッチリ40分弱堪能させて下さいました。ただ、真夏の夜に野外で聴いたら、もっと最高だったろうなとは微妙に思いましたね、雨降りの池袋にはちょっと違和感を覚えたのが正直なところです。

続いては、Killing Floor、かなり久しぶりな気がします、知らないうちにモーソフが解散していたと言う事実も、物販コーナーで知り驚きました。編成も色々と変わっているとは聞いていたのですが、今回の Dr, Perc-Dr, Perc の編成のうち、Perc-Dr と Perc は個人的には初めてですね。Perc竹ノ家さん、何故か裸足で叩いていらっしゃいました。正面にスネア2つにカウベル2つをマウントさせ、右サイドにコンガ2本、小径のクラッシュシンバルがかなり高い位置に一つ据えられ、小物も旨く使いつつ、耳を惹く変わったアプローチを取っておられました。まあ、Killing Floor のメンバーなので当然かも知れませんが、かなり変わったお方のようです。しかし、毎度お馴染み福島さんの演奏は素晴らしいのですが、MC はやはりダメダメで、Killing Floor のライブが初池袋であることと、ネタとして持ってきた”大戸屋は、東京・池袋(現在の池袋東口店)に「大戸屋食堂」として開店したことに始まる”という事実の絡め方が全然出来ておらず、客席を(いつものことですが)かなり引かせていました。恐らく福島さんの課題はここで、中途半端に MC するより、すっきり MC 無しで割り切るのも手かも知れません。演奏は、67分もしっかりやってまして(恐らく割り当ては 40min/band でしょう)、こちらも楽しませていただきました。

最後にトリとして登場するのは、鬼怒さん率いる SALLE GAVEAU です。前回の江古田 Buddy から、現シーンにおける最高の新世代ピアニストとして各方面から注目を集める林正樹さんが加入されたのですが、前回は鳥越啓介さんがお休みだった為、今回が実質、新生 SALLE GAVEAU の初ライブとなります。しかし、このユニット、メンバー表を見ているだけで幸せになれる本当に究極のメンバー編成ですね。このユニットに触れるたびに思い出されるのは、昨年2月に行徳ニュースタートセンターで行われたライブ(当時のユニット名は、"Play Post Tango & More")における喜多さんの MC での”本日いらっしゃってる皆様は、アルゼンチンタンゴやダンス音楽としてのタンゴを期待されていらっしゃったのかも知れませんが、どうかガッカリしないで下さい。タンゴと言う音楽もピアソラがそうしたように解体と再構築を繰り返し、時代の波に揉まれながら先鋭化されてくる中で生まれてきました、取り分け鬼怒無月さんのような演歌から、前衛、ロック、ジャズと幅広くやっていらっしゃる方がお書きになるタンゴは自然に先鋭性がその書いた曲の中に盛り込まれるものです。本日いらっしゃった皆さんは、ひょっとしたら、ピアソラのモサリーニの、もっともっと後に、未来に生まれてくるべきタンゴの新たな形をお聴きになれるかも知れないのです。そんな形でお楽しみいただければ幸いです”という(詳細覚え違いあるかも知れません)言葉です。事実、それ以後も機会を見つけてこのユニットのライブに足を運んでいますが、その度に喜多さんの言葉が意味していたことがより具体的に表現されている様を実感できています。その中での林正樹さんの加入です、期待が確信に変わったことは言うまでもありません。そんな SALLE GAVEAU の音楽史的にも重要な究極の5人編成となった初めてのライブ、10年後、20年後に伝説的に語られるであろうことは疑いようも無いですね。今回、鬼怒さんは Bucuss の Les Paul モデル1本で通す形、林さんは Roland の Key でのエレピ演奏となりまして、ある種そのプログレッシヴ・ロック的な要素を強調する演奏となっていた気がします。かつ、林さんの加入もあって、鳥越さんのアルコ演奏の割合が格段に増していて、バンドサウンドのチェンバー的な要素も信じられない事に更に増していました。各メンバー間の仕掛けやトラップのバリエーションも累乗的に増え、その恐ろしいまでのバンドサウンドのバリエーション的な拡張は、正直私の素人耳では把握し切れず、ただただ、その強大、壮麗な音像の構築美に酔いしれたのみでした。中でも喜多さんの演奏は絶品!「パレード」や「1/29 Tango」での微分音フレージングもいつもにも増して効果的で切れ味鋭かったですし、喜多さんが奏でる全ての音には、音楽の神様でも乗り移っているのではと思える程でした、本当に冗談抜きで、パガニーニにでも乗り移っているのではと思える程に狂気が内包され、凄まじいまでのフレージングでした、正に圧巻。アンコール含め約47分という短い時間ではありましたが、SALLE GAVEAU の初めの一歩、しっかり堪能させていただきました。次回は、いよいよ”タンゴ日本一決定戦”( By 鬼怒さん MC )、11/14(月) SALLE GAVEAU vs クワトロシエントス@江古田 Buddy です、興味と機会をお持ちの方はお見逃し無く!


n.p. 喜多直毅「Hypertango II」