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Accumulation for wisdom

2009-11-16

戦略脳を鍛える

戦略「脳」を鍛える
定価:¥ 1,680
新品:¥ 1,680〜
中古:¥ 707〜
レビュー平均:4.54.5点(55件)
作者:御立 尚資
by amazon通販最速検索 at 2009/11/15

筆者

御立尚資

BCG日本代表京都大学文学部卒業。ハーバード大学経営学修士日本航空株式会社を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&A等の戦略策定及び実行支援、経営人材育成、組織能力向上等のプロジェクトを数多く手がけている。

概要

定石を超えるために「インサイト」を身につける

マイケル・ポーターに代表されるアカデミックな戦略論は、過去の成功例を「後解釈で定石化」している。したがって、それを学ぶことは、「イロハのイ」に過ぎない。ちょうど、囲碁将棋の初心者が、定石・定跡から学び始めるのと同じだ。もちろん定石・定跡を学ぶだけではプロになれるわけではない。さらに、プロ同士の戦いを勝ち抜くには定石・定跡を知った上で、新しい戦い方を作り上げる「プラスアルファの能力」を身につける必要がある。

経営戦略についても全く同じで、戦略論という定石を知った上での「プラスアルファの能力」が必要となる。本書ではその能力を「インサイト」と呼んでいる。

メモ

公式1 ユニークな戦略=定石+インサイト

インサイト」=頭の使い方 and ユニークな視座

公式2    =スピード+レンズ(p.27〜28)

インサイトは左右の脳のコラボレーションだ。すなわち左右の脳を並列的に動かす技であり、1つ1つを吟味するのではなく、多くの情報を一度に並行して処理していくので問題解決までにかかる時間が極端に短い(p.39)

要はこれまでに蓄積したデータからの仮説構築。ビジュアルイメージ。


公式3 スピード=(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング

パターン認識=定石・定跡に照らし合わせること

グラフ発想=なんとなくの仮説、事象のグラフ化

シャドウボクシング=仮説の検証・修正・再検証のサイクル

定石をきちんと学び、それを実践で応用・加工していくことが必要。その上で仮説・検証・修正・再検証を繰り返す。当たり前っちゃ当たり前。

「脱平均」の意識でグラフを眺める

多くのデータは何らかの加工を通じて、平均化されている。平均化された情報は、必ずしも実態を表さない。良い仮説を出すためには、まず平均値情報をばらばらにし、個々のデータ全てを鳥瞰となる。特に、グラフ化してしまうと、たとえ平均値情報でも事実を表したデータだと思いこんでしまいがちなので要注意である(p.70)

確かに・・・時に平均は真実を隠すものだ。研究でもそうだものな。企業に関するデータを紐解いてみたい。

意識的に鍛えて思考をスピードアップする

効率的に戦略脳を鍛えるためには、自分の頭の使い方にはクセがありバイアス*1がかかっていることを普段から意識し、いつもと違う使い方を積極的にしていかなくてはならない(p.82)

自分の場合、バランスはそこそこ良いようだけど、どちらのレベルも向上させる必要があるな。色々なことに問題を見つけ、紐解こう。

公式4 レンズ=拡散レンズ+フォーカスレンズ+ヒネリレンズ(p.85)


拡散レンズ

1.ホワイトスペースを見つける

2.バリューチェーンを広げる

3.進化論で考える

拡散レンズの鍛え方

1.ホワイトスペースを見つける

自社の市場以外での応用や組み合わせで意識的に考えてみる

2.バリューチェーンを広げる

企業活動の幅を広げて考える。

3.進化論で考える

優れた歴史観に裏打ちされた書物を読み、その視点を学びとる。

現在(ないし過去の一時点)を考察する際に、長い時間軸のなかに現在を位置づけ、「歴史上の今」がどういう要因でもたらされたかを考える。そして、その要因をもとに、将来に思いを馳せる。これが、優れた歴史書、あるいは歴史観をベースにした各分野の書物に共通の視点である(p.103)

■参考資料■

網野善彦 『日本社会の歴史』

チャールズ・P・キンドンバーガー 『経済大国興亡史』

ポール・ケネディ 『大国の興亡』

堺屋太一 『東大講義録ー文明を解くー』

1や2は比較的考えてみたりするけど、3という考え方はあまりしたことがないな。歴史系の本を読んでみたくなったぞ!大きな流れの中の今を捉えるなんてカッコいいじゃない。


フォーカスレンズ

1.ユーザーになりきる

ユーザーとしての購買動機をなりきって考える。必要なことは、現場に行き、具体的な事実を経験し観察する行動(p.109)

マーケティングの究極の目標は「人の嫌な気持ちを知ること」。「不平」「不満」「不快」「不信」「不都合」などの「不」がつく日本語をキーワードヒアリングを繰り返し、その裏側にある気持ちよさを探る。そしてそこから「誰に」「何を」提供するかを見つける(p.110 一部改変)

2.テコを効かせる

どこを押さえればいちばん波及効果があるかを考える(p.115)

3.ツボを押さえる

最小限の資源投入で最大の効果を得るためのポイントを見つける(p.119)

1は想像力と観察力。なかなかなりきるのは難しいな。2と3は、いかに全体の流れのなかからその部分点を見つけられるか?様々な観点から起こり得ることを考える必要があるな。

ヒネリレンズ

1.逆バリをする

人と逆のことを行う

ex. 不況時の地価下落時にマンションを購入しておく

  デフレのときにM&Aを進める

  不況のときに広告を増やす etc

2.特異点を探す

通常と違う点(データなど)を深堀りしていく

3.アナロジーを考える

類似性を見つけ、その類似性が共通する事柄に応用することを考える

(改変)

違いを作るために、あえて逆のことをする、違う点に注目して変異を起こす、類似点を似たものに応用する。新卒面接の製品開発のアイデアを出すときにこういう考え方をしていた。日々アイデアを練ることをしていれば鍛えられると思う。

まとめ

まずは定石を知ること、そしてそれを変化・適応させていくことに注力をする。当たり前だけど大事なこと。事業を創りたい、企業戦略に関わりたいと考えるなら必要な能力であるので、普段から意識していきたいと思う。

*1:固定的になっていること

2009-11-02

戦略プロフェッショナル

概要

日本企業に欠けているのは戦略を実践展開できる指導者だ。新しい競争のルールを創り出し、市場シェアの大逆転を起こした36歳の変革リーダーの実話をもとに、改革プロセスを具体的に描く迫真のケースストーリー。

メモ

業績→市場の規模・成長率→競合→当社の強み・弱み

(p.79)

事業部の説明をこの順序で行わせた。現状理解に必要なプロセス


失敗の疑似体験をするための前提は、しっかりとしたプランニング(p.170)

カンは本来、経験の蓄積から出てくるものだが、筋道を立てて考えるやり方(プランニング)を繰り返すことでカンの体得が加速され、ただ経験に頼るだけの人よりもはるかにカンの冴えた経営者が出来上がる(p.171)

カンと論理的なプランニングは、互いに矛盾するものではなく、相性のいい補完関係(p.171)

目標やそのためにやるべき事をあらかじめ前提として行動していないと、何が悪くて失敗したのか?ということがわからなくなっていってしまう。そのためのプランニング。そして、その失敗から得た経験が、自分のなかに蓄積されていき、筆者のいう『カン』につながっていく。

戦略なき計画に失敗もなければ成功もないということか。


企業の経営改善には「戦略」が必要だ。そして、それを実行に移すための具体的な「プログラム」が必要だ。

社内の誰もが理解できる「単純な目標」と、その実現を支援してやるための一連の「プログラム」を打ち出すことによって、「目標と現実のギャップ」に橋が架かる(p.188)

目標と現実のギャップを埋めるために、目標とそこに至るルートを明確にする。そのルートの実現性が重要。


戦略検討のプロセス

1.仕事の優先度

経営トップの時間が貴重な経営資源

2.全体市場の俯瞰

市場規模・シェア・成長率・競合を知る。その上で切り込むチャンスはあるかを読む

3.戦略製品の抽出

市場を製品別に分け、成長製品とダメ製品を明確に認識。今後の戦略展開のキー製品を抽出。その上で、プロダクト・ライフサイクルと市場シェアの情報で整理することで、そのキー製品をどう使うか?いつ使うか?の判断をする

4.製品の差別化能力の確認

技術・製品の評価。競合の製品と比べ、何が優れているのかを明確にする。その上で、売れない理由が製品にあるのかどうかを判断。

5.価格と利益構造のチェック

競合と比べた価格体系と利益構造を認識。障害になるようなら見直しも必要

6.戦略ロジックの策定

ユーザー訪問によって戦略展開のネックが何かを模索し、また競合の商売の仕方を探る。この過程を通じて、問題のネックをつかむ

7.組織の強み・弱み

戦略を実行できる組織でなくてはいけない。そのための分析と改善策を考える

8.市場ターゲットの絞り

市場のどの部分から攻めていくのかを決める

9.戦略展開の時間軸

基本的に時間的制約のあるなかで戦略を実行していかなくてはならない。そのため、時間軸を設定しておかなければ有効な戦略も作ることはできない

10.価値観の「混乱化」

従来のやり方を否定し、価値観をひっくり返すことが、組織を新しい戦略に収束していくための第一歩。経営トップが一体となって取り組む必要性がある

11.新戦略と実行プログラム

新戦略を達成するために、そのための具体的で実行可能なプログラムが必要。実行可能という点がミソ

これらのプロセスに共通するのは、「競合」「絞り」「実行可能」の3点。この3点を軸に考えていく。


「実績によるプランニング」、つまり過去の実績や経験に基づいて将来の売上げの予測を立てるのは、「勝者の倫理」である。それなのに負けている者が過去と同じ発想で将来の予測を立てたところで、大した変化を起こすことができないのは明らかではないか。

そこでもう1つのやり方が必要になる。「目標先行のプランニング」だ。まず先に目標を設定する。とりあえず、それは実現可能か不可能かを横に置いておいて、「これぐらいやらないとまずい」という数字を先に出してしまうやり方だ。例えば「競合他社はこれぐらいやるだろうから、我々も最低これぐらい売らねば成功とは言えない」というふうに考えるのだ(p.219)

自社の置かれた立場でプランニングを立てる。たぶん、市場や製品のライフサイクルによっても変わってくる気がする。成熟していれば「実績によるプランニング」でも良さそう。逆に成長途上であれば「目標先行のプランニング」になるのではないか。


「目標先行のプランニング」を成功させるには、次に要件が備わっていなくてはならない。

1.トップとして、強いリーダーシップを発揮する覚悟があること。その目標がなぜ達成されなければならないかを部下に説得し、創意工夫を促し、「ともに考え,ともに戦う気概」を見せなければならない

2.新しい戦略を考えだす作業手順をマスターしていること。作業のステップごとに、どんな選択肢があるのかキチンとチェックし、責任者として自分でそれを詰めていく「緻密さ」を持っていること

3.誰もやったことのない新しい戦略を実行に移そうというのだから、多少のリスクは気にせず、また何があっても「夜はグーグー眠れる」性格であること(p.224 - 225)

リーダーと同時に参謀である条件。俺はたぶん漠然とこうなりたいという人材像がコレなんだと思う。たくさん勉強して、意識の変化も必要だな。


戦略は十分にシンプルか?(p.225)

単純なものほど効果がある。プレゼンでも常にシンプルになるように作ってたな。同じような理由で。時間をかけて複雑にしないと理解されないことなんて、自分で理解できていることではない!みたいな。


事業戦略にかかわるプランニング作業のなかで、セグメンテーションは最も「芸術的センス」「創造性」を問われる。多くの場合、セグメンテーションがうまくできれば、戦略の核になる部分はできたも同然である(p.262)


この手法を実務的にどんな時に使うかといえば、2つの正反対のアプローチがある。1つは「先に商品ありき」で、もう1つは「先に市場ありき」である。

「先に商品ありき」というのは、すでに手元に何か商品があって、それをどんな人に売ろうかと対象を絞る場合である。

「先に市場ありき」というのは、これから新しく商品開発や事業開発をする時に問題になる。まず市場を見る。顧客の購買動機や特性の変化を分析し、すでに世に出ている商品で満たされていないニーズ(製品空間)を見つけ、それに狙いを絞って開発を行う。(p.263)

「集中」のための「絞り」に必要。軸の設定や優先順位付が重要となってくる。色々なケースでやってみたいな。シンプルにできるか?


セグメンテーションが効果的であるための条件

1.測定可能である

そのセグメントの内容や大きさを測るための情報を得られること

2.到達可能である

そのセグメントに効果的に到達し得る営業手段を持ち得ること

3.十分な規模

そのセグメントを狙って何かやる価値があるぐらいに市場規模があること

測定できないと明確に分けられないし、到達し得る手段がないと絵にかいたモチになる。規模は当たり前だな。うま味のないところを狙っても仕方ない。

あとに書いていたけど、セグメンテーションで戦略の優先順位などを付けた後、その戦略の実行具合を確かめるシステムが必要になる。そのフォローが大事。

2009-09-19

外資系コンサルの真実

ちょっとした概要

現代の日本社会にしっかりと根付き、政治や経済の中枢に隠然たる影響力を及ぼすようになった外資系コンサルティング会社と、そこに働く人々についてのお話。

コンテンツ

  1. コンサル至上主義」の時代
  2. 外資系コンサルティング・ファーム」の実態
  3. 「戦略コンサル」の智恵のエッセンス
  4. コンサル至上主義」の落とし穴
  5. コンサル至上主義」を超えて

ちょこっとメモ

  • どんなに優秀であっても、日本の企業の場合は、会社全体を動かすようなポジションに就けるのは50代以降。コンサルティング会社での出世、業績の積み重ねによって、30代でもそういったポジションに就ける可能性がある。社長や経営者の「近道」としてとらえられている。

マッキンゼーボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン、ATカーニー、アーサー・D・リトル、モニター・グループ、ローランド・ベルガー、コーポレートディレクション

⇒企業や組織の経営者(トップ・マネジメント)レベルの問題解決を主な業務とする。具体的には、「中期経営計画の立案」、「新市場への参入戦略」といった企業戦略や事業戦略にかかわる抽象度の高いテーマを得意とする。

アクセンチュア、IBMビジネスコンサルティング、キャップ・ジェミニ・アーンスト&ヤング、デロイト・トーマス(日本ではアビーム・コンサルティング

⇒会計関係にとどまらず、企業戦略や人事、ITから業務プロセスなどなど広い領域をカバーする。

  • 「IT系」

ヒューレット・パッカード、EDSなど

⇒ITシステムを導入する際には、ビジネス・モデルを構築し、それに最善のシステム構築を考えることが重要であるため、最近では、その前段階となるビジネスプロセス改革やさらに上流の戦略策定のコンサルまで行うようになってきている。

  • 「特化系」

⇒人事や年金といった特定の機能や、小売業・医療機関向けといいた個別の業界など、ある領域にだけ特化している。

  • Up or outの世界
    • あらかじめ定められた年数以内に「昇進(up)」できなければ、「退社(out)」しなければならない。およそ3〜4年以内にプロジェクト・マネージャーになれないといけない。
    • アナリストやアソシエイツクラスでは転職は容易ではなく、プロジェクト・マネージャーになれば人材市場の価値が上がる。
  • ファクトベースの考え方

印象論や自分たちのあいだの常識に物事を捉われないための事実を探究。そこから問題の本質を探る。

  • 仮説思考

間違っている可能性はあっても、「本源的な問題はどのあたりか?」「どのようにすれば解決できそうか?」という仮説を立てる。というか仮説を立てて動かないと、情報が多すぎて時間が足りない。そして、それをファクトで検証し、その結果で「解の仮説」を修正する。そして、また検証する。このサイクルをガンガンまわす。


感想

よく言われていることではあるが、コンサルの問題や良点、意識すべきことなどの再度の認識に役立った。やはり最優秀ともいえるような人たちが集まっている職と言える。当然、そこは学歴などの問題も関係してくるし、学歴が足りない人でなりたい人はどうするのだろうか?という疑問を抱いた。諦めるしかないのか?

2009-09-18

仕事力は習慣で鍛えなさい

斬新なビジネスモデルやアイデアなどのスマートさも大切ですが、会社の強みや仕事の筋力の中核は、泥臭いことの積み重ねによって形成されるものだと思います。

筆者プロフィール

秋山咲恵(あきやまさきえ)

株式会社サキコーポレーション代表取締役1987年京都大学法学部卒業。現アクセンチュア入社。経営コンサルタントとして活躍後退職、2年間の主婦生活に転じる。

大手電機メーカーで開発に打ち込む姿を見て、『技術者が本当に輝ける舞台を』という思いから、1994年に創業。

製造業では数少ない女性経営者

コンテンツ

1章 「つまらないこと」こそ武器になる

  • コンプレックスの場所に「自分の軸」がつくられる
  • 体を動かし理屈を超える
  • 素直さ、まじめさは仕事の「分母」
  • 雑事に手を抜かない「平熱の誠実さ」
  • 100のノウハウより1個の本気がものをいう
  • 「原因自分説」がプロの仕事を生む
  • 着地点の見えない仕事こそ引き受けなさい
  • 「人のために」と視点を変えて、もうひとふんばり
  • 「絶えざる自己否定」で変化率を高める

2章 リアリティと「きれいごと」を往復する

  • 「商品を売る」という発想を捨てる
  • マイナスをテコにする「リアリティ重視の戦略」
  • 客観的なデータより、具体的なひとりのお客様
  • 1人に売れれば、100人に売れる
  • いい仕事をするために「頭の中に映画をつくる」
  • 最強の仕事は精密さとリアリティの往復から
  • 現場が思いがけないストーリーをつくる
  • 「思い」がいい仕事、深い仕事の起点になる
  • 「こころざし」は違和感の出所で見つかる
  • 自分の背丈を超えるお金を信用しない
  • 「こうあるべき」を「ほんとうに、そうか」と反転させる

3章 教科書では学べない「自分の高め方」

  • 仮設を立てる習慣が自分を磨く
  • よいコミュニケーションは「伝え過ぎないこと」
  • 生き金を使える人、死に金しか使えない人
  • 無形の収穫が将来の財産になる
  • 「人任せ」のリーダーが陥りやすい失敗
  • 信頼はするが、期待しない

4章 迷ったら「型」「そもそも」に返る

  • 「1つだけ絶対に失いたくないもの」を決める
  • 「そもそも」「もともと」は魔法の口癖
  • 「食べていける」という実感から始めよう
  • 枝葉でなく、「本質」を見る力
  • 集中力を鍛える近道は「追い込む」こと
  • 自分の時間に「先手を打つ」
  • 「いまをやり抜く」「未来をつくる」ふたつの時間管理術
  • 「生きているメモ」に必要な2つのこと
  • 「型」をしつこく繰り返すことの意味
  • 一流の仕事をしたかったら、一流の相手とつきあえ

フレーズ集

『目の前の現実から逃げず、愚直にやり抜く』(p. 17)

  • 向き不向き、できるできないではなく、やるかやらないか。
  • 問題はそこにモチベーションを付加できるのか?
  • 現実からは一時的に逃げることはできるけれど、どこかで向き合うことになる。なら、早めに向き合うべき。

理屈を理屈でねじ伏せようとすると、論理の決着はついても、納得感が得られないままになることがあります。ところが、実感をもって経験したことは言葉にならなくてもその人の心に深く刻みこまれるのです。

実感はしばしば論理をやすやすと超えてしまう。ときには「頭で考える」ことから1歩踏み出して、体を動かしてみることの大切さ。「やらない理由」を探す暇があったら、自分にできることを探してでもやることに意義。(p. 25)

  • 理屈だけで納得感は得られない。やってわかることもある。
  • 「やらない理由」はいらない。やると決めて何ができるか?を考え、動く。

ここでいう素直とは、物事の本質にまっすぐに目を向けられる態度のことです。既成概念や固定観念にとらわれず、「私心なく」物事の根っこに目をやれるか。そこから、人に学べる謙虚さも生まれてくるし、のびやかで明朗な心も醸成できるのです。(p. 28)

  • 物事を雑事にとらわれずに見る力。事実に正面から向き合う。
  • いいなりと素直は違う。

私が上司として部下を見るとき、まじめさを測るわかりやすいポイントがあります。それは、ミスは不都合なことが起きたときに、どんな態度をとるかということです。

(中略)

自分を守りたい気持ちと失敗の原因と向き合う勇気のどちらが勝つか。ここにまじめさが現れます。失敗という局面でなくても、ちょっとした勇気が必要なときに、「すみません、実は・・・」と言える習慣がどれほど身についているでしょうか。(p. 32)

  • 誠実さともいえる。
  • やはり現実と向き合えるかどうかということ。

スピードや効率か、愚直なまでの泥臭い積み上げかは、けっして二律背反ではありません。(p. 33)

  • 基礎と応用。基礎があってこそ応用が生きる。両方必要だけど、まずは基盤となる基礎。

つまり優秀な人、仕事ができる人というのは、仕事に向かう立脚点が異なっているのと同様、「ここまでやれれば合格点」という到達点もやはり他の人とは違っています。仕事をどこまでやったらよしとするか、その自分に課すハードルが高いのです。

同じことをやって、他の人が自分に合格点をやる地点でも、それで満足し立ち止まることはありません。「最低限のことはクリアしたが、ここをこうすればもっとよくなるかもしれない、この点はやれたが、ここがまだやれていない」という具合に、もう一段階も二段階も、未達成の部分や可能性を深堀りしてみる習慣が身についているのです。(p. 45)

  • 自分が優秀であるとは思わないけど、この満足し立ち止まることはないというのが分かる。時間が許す限り、もっといい方法や結果にならないかを追及していく。
  • 深く掘り掘りしていきたいな。
  • 自分以上のものを目指す経験を積むことが仕事の筋力を鍛える。

変化を恐れないということは、過去にとらわれないということであります。

(中略)

実は新しいものを受け入れて生まれる自分というのは、それまでの自分の上にしか成り立ちません。何かを捨てたり、失ったりするのではなく、自分の器を広げることへのチャレンジなのです。だからこそ、変化を恐れずにチャレンジする気持ちをもつことが大事です。(p. 54)

  • 自己肯定によって自信をもつのも大事だが、成長の変化率が高いのは自己否定だと思う。
  • 自己の否定部分を認めるところから入る。

「商品(技術)を売る」という発想を捨て、「売れる技術をつくる」。(p. 59)

  • この発想は自分もした。そもそもただの『技術者』ではなく、『経営者人材としての技術者』を目指したのはこの理由から。
  • 顧客志向。自分的には市場志向くらい広めの解釈だが。

そのときの業界の常識よりも、自分の目で見て感じた現場の「リアリティ」を信じた。(p. 64)

  • あくまで今・現在の事実に焦点をあてる。
  • 常識は過去の事実だもんな。参考にはなれけれど、捉われてはいけない。

「具体的な誰か」のリアルなイメージにつながっていかない分析や分類は、商品を売る上では机上の空論で終わってしまうと考えるべきです。(p. 67)

  • 顧客はそれぞれに欲求があり、置かれた背景がある。それはデータ上には浮き出てこないものであるため、市場や顧客のセグメンテーションと並行して、「具体的な誰か」をモデルにして具体性や個別性を高めることで現実性を伴わせるということか。
  • 論理と現実だな。

仕事を実行するプロセスに起こるであろうさまざまな紆余曲折を、ひとつの起承転結のストーリーとして事前に頭の中でシナリオ化してみるのです。(p. 72)

事前のイメージは、仕事を成功に導くためのきわめて有力な「仮説」なのです。(p. 73)

  • 求める結果にいたるプロセス(=戦略)を持っているのと持っていないのでは、仕事のやりやすさも違うしな。
  • 個人的にはストーリー=仮の戦略。適時修正が必要だからこそ、方向性を見失ったりしないような仮説・戦略が必要と言える。

いい仕事には、機械の精密さと人間の五感マニュアルと現場感、ロジックとリアリティ…こうした2つの対極的な要素を行き来することが1流の仕事を生み出すことなのです。(p. 81、改変)

  • うーむ、なるほど。人間の根幹的な能力・感性はやはりどちらかではなくて、両方なんだな。「日本の経営」を創るで言っていた実践と抽象化も同じだもんな。
  • 1流を目指したい。俺は…どうなるんだ。

直面した現実と自分の志すきれいごとの両方を行ったり来たりしながら、少しでも近づけるような具体的な方法を考え続ける。それが、本気というものなのだと私は思っています。

だから、いい仕事、深い仕事をしようとしたら、まず「そうしよう」「そうしたい」と本気で願うことから始めなくてはなりません。思いや志の強さ、深さ、熱さは物事を成就させるための十分条件ではないにせよ、必要条件の筆頭であることは確かです。(p. 91)

  • 理想と現実のギャップを知る、そして何が足りないのか、どうすればいいのかを考え抜く。理想を持ち続けてそこを目指す強さが本気の度合だと思う。
  • 人は何かを行うとき、そこに意義が必要だと思う。その意義が無いと思いや志、熱さとかを持てない。

「こうしてほしい」というこちらの指示を、「そのためにはこうすればいいのでは」と方法論に転じられる人。つまり、他人の言葉を、自分の中で咀嚼して、自分の言葉で語ることができ、抽象論から具体論をイメージできる人。そうした、人の言葉を自分のリアリティでとらえられる人は間違いなく伸びていける人だと思います。(p. 113)

  • なんでも自分のフィルターに通す。そして、具体的な思考・行動に落とし込める人。
  • さらにこれらの経験から、自分のフィルターの精度を高めていく。仮説の重要性。

人に任せるということを自分が何かから解放されることのように思ってはいけないということです。言い換えれば、部下に任せた仕事の結果はどんな形にせよ、やはり自分の責任なのだということです。(p. 127)

  • 研究室における後輩への指示で学んだな。これは。
  • 信頼はするが、期待はしないというスタイルがしっくりきた記憶がある。

アイデアは、わいてくるものではなく、ひねりだすもの。答えは、見つけるものではなく、生み出すもの。そして、それを支えるのが、集中力なのです。(p. 157)

  • アイデアに関しては両方あるものだと思うけど、答えは生み出すで同意。
  • 自分を追い込んでみないと出てこないものも確かにあるな。自分の場合は、成果の質もそうだわ。

人間と時間は主従関係でしか仲良くなれないようです。(p. 160)

  • まあ確かに。
  • コントロールしないと流れていくだけだしな。

まとめ

  • まずは現実を直視、受け入れること。すべては現実から動いていく、決まっていく。
  • 仕事は理屈だけでは回らない。行動と理屈の両輪を回していくことが重要。
  • 何をするにしても、前もってストーリーを想像しておく。

2009-09-15

「日本の経営」を創る

概要

  • 世界における日本の相対的地位はジワジワと低下を続けている。
  • 多くの日本企業は元気を失い、現在のような「アメリカ流経営スタイル」では、日本ならではの強みを発揮できない。
  • アメリカ流でもなく、旧来の日本流でもない、独自の新しい「日本の経営」を編み出し、社員を輝かせながら、生き生きと仕事に取り組む組織を構築し、日本企業の元気さと世界の中での競争力を高めていかなくてはならない。

筆者プロフィール

三枝匡(さえぐさ ただし)

(株)ミスミグループ本社代表取締役会長・CEO。1967年一橋大学経済学部卒。三井石油化学を経てボスコン(BCG)勤務、75年スタンフォード大学経営学修士MBA)取得。30代から経営の実践に転じ、赤字会社再建やベンチャー投資など3社の代表取締役を歴任。86年(株)三枝匡事務所を設立。2002年に株式会社ミスミグループ本社社長・CEOに就任。2008年より現職。

伊丹敬之(いたみ ひろゆき

東京理科大学総合科学技術経営研究科教授。1969年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。72年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了Ph.D。その後一橋大学で教鞭をとり、85年教授。この間スタンフォード大学客員教授などを務める。2008年より現職。

コンテンツ

  1. アメリカ流経営、9つの弱み
  2. 「日本的経営」も威張れたものではない
  3. 論理化する力・具体化する力
  4. 日本における「経営の原理」
  5. 「創って、作って、売る」サイクルの原理
  6. 人の心を動かす戦略
  7. 事業の再生、大組織の改革
  8. 抵抗勢力との闘い
  9. 失われてきた経営者育成の場
  10. 今、求められる経営者人材

フレーズ集

日本企業の組織の継続性という強みは、やがて組織の硬直性という弱みに変わり、最終的には日本的経営の劣化に結びついていった面があるのですが、一方、米国企業の組織の断続性は日本企業よりひどいものがあります。(p. 28)

  • 日本人はコツコツ型。組織的な動きは遅くなっていく。長期リターン型
  • アメリカは短期ドカッと型。大雑把。人的資本の蓄積も効率が悪く、企業体としては強くなりにくい?動きは早い。

日本の子会社が、アメリカ本社の単なる植民地みたいに運営されていることを、非常につまらないと思った。「俺は社長だ」と言ったって、結局は現地のお頭にすぎないのかと。多国籍企業といったって、アメリカ本社の会社はあくまでアメリカ人の会社だと。(p. 35)

アメリカ人に現地人として使われるより、日本人として海外で現地人を使う立場の方がいいなと。(p.35)

  • 就活外資系企業をいくつか受けたときに感じた。大きなプロジェクトとかは本社の決定待ちだったり。独立的ではないんだよな。
  • 三枝さんの結論、すごく分かる(笑)まあ自分がそんな立場になるかは定かではないが、日本人として負けたくねー。


「だってアメリカではやってるもん」(p. 36)

  • 属人思考。権威に弱い日本人には多いんだろうな。ブランド信仰もこれであるような気がする。


もともと日本人の経営技量が枯れているのに、その中でもさらに経営経験の少ない若者が集まってきている。技術のネタも二番煎じが多い。ベンチャーが若者の世界だというのは、とんでもない誤解です。あれは本来、プロ経営者の世界です。

日本がベンチャーで成功しようと思うなら、アメリカのインスタント成金主義*1たちが演じている白兵戦に対抗しないと勝てない。しかしそれをアメリカと対抗するスピードで回したら、今度は日本の強さ、良さを壊してしまう面がでてくる。(p. 43)

  • アメリカは人種のるつぼ。共通価値としての金。トップレベルの人材が金というニンジンを掛けて、ガツガツと争う。そしてスクリーニングされる。生き残った企業のレベルはハイレベル。
  • 日本は本来、個人の力量というよりは組織としての強さが強み。平均点の高さ。スピードをもって短期的に成果を出すべきベンチャーの育つ風土ではない?
  • 個人的には、若者の世界というよりはプロの世界という意識はあった。その中での刺激が成長促進につながるのではないかと。甘かったのかもしれない。
  • 選択間違った?と考えても仕方ないので、日本におけるベンチャーの成長モデルを考える。
  • 経営者人材を育てるという意識はあるのだろうか?


企業は経済組織体ですから、利益を上げることが必要であることは誰も否定しないんですが、それと働いている人たちへの配慮をどうバランスさせるかというのは、企業経営の根本問題の1つ。(p. 44)

  • アメリカはこのバランスが利益に傾いてしまっている。そのため社員の忠誠心(コミットメント)は下がる。
  • 日本は、終身雇用年功序列で社員が守られていた。そのかわりとしての忠誠心。だが、これは薄れつつある。従来の制度はもはや通用しないと思うが、バランスを保つ制度、社員を大切にする制度は日本企業の発展には欠かせない。
  • アメリカは「利」、日本は「情」。日本らしさを保ちつつ、利を得るには?

「歴史は飛ばない、しかし加速できる。」(p. 55)

  • 歴史は今までの事象が積み重なってきて、次の事が起こる。人間の成長もそうだと思う。加速させたいな。

「あなた自身が10年前にやっていた仕事の広さ、権限というものを、今の10歳下の若い人に与えていますか?」(p. 75)

  • 細かい分業化、専門化による仕事観の狭まり。
  • 日本の世代構成にも問題?これは変えられないから、制度で対応するしかない。

因果律データーベース」(p. 100)

  • 仮設⇒実行⇒結果⇒・・・この繰り返しでの蓄積。
  • 経験から抽象化セオリー化・一般理論化して蓄積する。

理論と現場の行ったり来たりの中で、「抽象化、理論化、敷衍化」を行い、アメリカからの輸入コンセプトばかりを追いかけるのではなく、日本企業自身で創造的に新しい経営のやり方を編み出すことが求められていると思います。(p. 116)

  • 敷衍化(ふえんか)…展開すること。
  • 自分の会社に関してやってみよう。まずは抽象化、理論化から。

われわれの体は60兆個の細胞でできている。その細胞が、どうしてちゃんと動くのかを考えると、どこか中央から指令が行っているわけではないんだそうです。結局、細胞細胞が互いに微妙な情報交換を行って、個々の細胞が、自分の置かれた場所で適切な役割に変わっているんですね。だから、全体がうまく機能するんだというわけです。それで私は人間の組織も、そういうふうになったら1番いいなと考えたわけです。(p. 156)

  • 情報とエネルギーの交換というほうがしっくりくる。個人的に。
  • これは、生物系出身の自分も考えた。全体最適とする組織の構造としてはベストだろう。ただ細胞とは違う自我をもつ個人をどう扱えば、このような構造のメリットを出すに至るか?意識のベクトルをどこで整合させる?

アメリカはみんなが戦略家たらんとするから、住み分けをして、それに成功したころは結構いいパフォーマンスなのですが、その一方で無駄な努力もしているんですよね。どちらがいいかはわかりませんが、一握りの戦略家と多数のフォロワーという形態が保てるなら、これが1番強いと思いますね。それが日本ならではの行き方でしょう。(p. 347)

  • その一握りの戦略家になりたいな。
  • 常に戦略を練る訓練を継続する。
  • そうであるという意識を持って取り組む。能力と気概

経営的人材が育つということについて、3つの条件が整っていると育ちやすいということを、『よき経営者の姿』で書いています。高い志と、仕事の場の大きさと、それからその人が持っている思索の場の深さ、この3つです。

  1. 高い志というのは、人間の個性みたいなものですから、単純には鍛えることはできません。
  2. 仕事の場の大きさというのは、経営者が配慮して、ポテンシャルのある人に大きい場をなるべく与えるといったことです。
  3. 思索の場の深さとは、ものを深く、スケールを大きく考えるための刺激を与えることができると思います。

(p. 354)

  • うちの会社はどうだろうか…。最近の人事の方の考え方を見ていると『場』を与えてくれる感じはしない。
  • 高い志、下の例であれば理解できるが、これに『実行』を付加しないと高い志を感じてはもらえないか。
  • 思索のスケールや深さは自分ではわからんな。

私は、志の高い人というのは、心の中ではいつも何か物足りないのだと思います。ここは自分の居場所ではない、これで終わってはつまらない、だから次のことを手掛けたいと、常に満たされないものを持っていて、それが原動力になっていると思うんですよ。(p. 355)

  • 志が高い…かはわからないが、何か物足りない、これで終わってはつまらないという満たされない気持ちで動いているのは分かる。

*1:短期的に金を求めること