2009-11-16
戦略脳を鍛える
![]() | 定価:¥ 1,680 新品:¥ 1,680〜 中古:¥ 707〜 レビュー平均: 4.5点(55件)作者:御立 尚資 |
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筆者
BCG日本代表。京都大学文学部卒業。ハーバード大学経営学修士。日本航空株式会社を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&A等の戦略策定及び実行支援、経営人材育成、組織能力向上等のプロジェクトを数多く手がけている。
概要
定石を超えるために「インサイト」を身につける
マイケル・ポーターに代表されるアカデミックな戦略論は、過去の成功例を「後解釈で定石化」している。したがって、それを学ぶことは、「イロハのイ」に過ぎない。ちょうど、囲碁や将棋の初心者が、定石・定跡から学び始めるのと同じだ。もちろん定石・定跡を学ぶだけではプロになれるわけではない。さらに、プロ同士の戦いを勝ち抜くには定石・定跡を知った上で、新しい戦い方を作り上げる「プラスアルファの能力」を身につける必要がある。
経営戦略についても全く同じで、戦略論という定石を知った上での「プラスアルファの能力」が必要となる。本書ではその能力を「インサイト」と呼んでいる。
メモ
公式1 ユニークな戦略=定石+インサイト
「インサイト」=頭の使い方 and ユニークな視座
公式2 =スピード+レンズ(p.27〜28)
インサイトは左右の脳のコラボレーションだ。すなわち左右の脳を並列的に動かす技であり、1つ1つを吟味するのではなく、多くの情報を一度に並行して処理していくので問題解決までにかかる時間が極端に短い(p.39)
要はこれまでに蓄積したデータからの仮説構築。ビジュアルイメージ。
公式3 スピード=(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング
パターン認識=定石・定跡に照らし合わせること
グラフ発想=なんとなくの仮説、事象のグラフ化
シャドウボクシング=仮説の検証・修正・再検証のサイクル
定石をきちんと学び、それを実践で応用・加工していくことが必要。その上で仮説・検証・修正・再検証を繰り返す。当たり前っちゃ当たり前。
「脱平均」の意識でグラフを眺める
多くのデータは何らかの加工を通じて、平均化されている。平均化された情報は、必ずしも実態を表さない。良い仮説を出すためには、まず平均値情報をばらばらにし、個々のデータ全てを鳥瞰となる。特に、グラフ化してしまうと、たとえ平均値情報でも事実を表したデータだと思いこんでしまいがちなので要注意である(p.70)
確かに・・・時に平均は真実を隠すものだ。研究でもそうだものな。企業に関するデータを紐解いてみたい。
意識的に鍛えて思考をスピードアップする
効率的に戦略脳を鍛えるためには、自分の頭の使い方にはクセがありバイアス*1がかかっていることを普段から意識し、いつもと違う使い方を積極的にしていかなくてはならない(p.82)
自分の場合、バランスはそこそこ良いようだけど、どちらのレベルも向上させる必要があるな。色々なことに問題を見つけ、紐解こう。
公式4 レンズ=拡散レンズ+フォーカスレンズ+ヒネリレンズ(p.85)
拡散レンズ
1.ホワイトスペースを見つける
2.バリューチェーンを広げる
3.進化論で考える
拡散レンズの鍛え方
1.ホワイトスペースを見つける
自社の市場以外での応用や組み合わせで意識的に考えてみる
2.バリューチェーンを広げる
企業活動の幅を広げて考える。
3.進化論で考える
優れた歴史観に裏打ちされた書物を読み、その視点を学びとる。
現在(ないし過去の一時点)を考察する際に、長い時間軸のなかに現在を位置づけ、「歴史上の今」がどういう要因でもたらされたかを考える。そして、その要因をもとに、将来に思いを馳せる。これが、優れた歴史書、あるいは歴史観をベースにした各分野の書物に共通の視点である(p.103)
■参考資料■
網野善彦 『日本社会の歴史』
ポール・ケネディ 『大国の興亡』
1や2は比較的考えてみたりするけど、3という考え方はあまりしたことがないな。歴史系の本を読んでみたくなったぞ!大きな流れの中の今を捉えるなんてカッコいいじゃない。
フォーカスレンズ
1.ユーザーになりきる
ユーザーとしての購買動機をなりきって考える。必要なことは、現場に行き、具体的な事実を経験し観察する行動(p.109)
マーケティングの究極の目標は「人の嫌な気持ちを知ること」。「不平」「不満」「不快」「不信」「不都合」などの「不」がつく日本語をキーワードにヒアリングを繰り返し、その裏側にある気持ちよさを探る。そしてそこから「誰に」「何を」提供するかを見つける(p.110 一部改変)
2.テコを効かせる
どこを押さえればいちばん波及効果があるかを考える(p.115)
3.ツボを押さえる
最小限の資源投入で最大の効果を得るためのポイントを見つける(p.119)
1は想像力と観察力。なかなかなりきるのは難しいな。2と3は、いかに全体の流れのなかからその部分点を見つけられるか?様々な観点から起こり得ることを考える必要があるな。
ヒネリレンズ
1.逆バリをする
人と逆のことを行う
ex. 不況時の地価下落時にマンションを購入しておく
不況のときに広告を増やす etc
2.特異点を探す
通常と違う点(データなど)を深堀りしていく
3.アナロジーを考える
類似性を見つけ、その類似性が共通する事柄に応用することを考える
(改変)
違いを作るために、あえて逆のことをする、違う点に注目して変異を起こす、類似点を似たものに応用する。新卒面接の製品開発のアイデアを出すときにこういう考え方をしていた。日々アイデアを練ることをしていれば鍛えられると思う。
まとめ
まずは定石を知ること、そしてそれを変化・適応させていくことに注力をする。当たり前だけど大事なこと。事業を創りたい、企業戦略に関わりたいと考えるなら必要な能力であるので、普段から意識していきたいと思う。
*1:固定的になっていること

4.5点(55件)