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実践ゲーム製作メモ帳

2011-02-24

ゲームの種類と製作難易度

昨日の記事で「STGは本当に簡単なのか?」という質問を貰ったのでついでに色んなゲーム種類と製作難易度(とその理由)を述べる。尚、主観と偏見にまみれてる上に個人製作が前提なのであまり役に立たないと思う。(これはおかしい、というコメントを頂ければ修正する可能性も)

ちなみに、あくまで標準的な構成のものを作る難易度を基準に考えているので、凝り始めると一番難しい、だとかはあまり吟味しない。また、簡単だからといって卑下したり中傷したりする意図は一切無いので誤解なきよう。


ノベルゲーム

作成難易度 ★☆☆☆☆

簡単である。CUIでも、printfとscanfだけで作れる。GUIだと多少難易度は上昇するが、それでも他のゲームと比べると相対的な難易度は最も低い。必要なグラフィックも基本的に立ち絵なので、四方向、八方向求められるRPGや攻撃モーションの必要なACTと比べると圧倒的に少ない。

自作スクリプト読み込みまで作ればファイルIOを叩くので難易度は上昇する。

ただし、そもそもノベルゲームは吉里吉里NScripterなど、プログラミングを一切知らなくても作れるソフトウェアがあるため、自分で作る必要はあまりない。

アドベンチャーゲーム

作成難易度 ★☆☆☆☆

ノベルゲームは実はアドベンチャーの一種だが、なんとなく分けてみた。クイズゲームや占いゲームなどもここに属する。脱出ゲームなどもこれだ。で、話すことは特に無い。ノベルゲーム同様に簡単である。が、脱出ゲームなどグラフィックが大きく関わってくるようなゲームはツールやスクリプトを使うことが出来ないかもしれない。

ブロック崩し

作成難易度 ★☆☆☆☆

まだまだ簡単。進行がリアルタイムで当たり判定などの概念も混じってくるので難易度は大分上がるが、それでも敵のことを考える必要がないし、他のものと比べて演出がごく僅かで足りる。プログラミング初心者でも一ヶ月あれば完成に持ち込める程度。

ただしその先どう発展させるかは……。

シューティングゲーム

作成難易度 ★★☆☆☆

プログラミング初心者向け。敵と敵弾のことを考える必要があり、当たり判定も大量に計算する必要が出てくる。演出も一面〜五面など、テーマを持ってステージを構築する必要があり、各面にボスという概念が生まれる。ゲームに必要な基礎が一通り詰まっているので、これを一本作ってしまえば怖いものは……あるが。

ただし後述のゲーム郡に比べるとまだまだ簡単である。

  • 必要なグラフィックの種類が少ない。
  • 町などがないため、シーン数が少ない。
  • ボスといえど行動パターンの違いは軌道と弾幕の種類程度なので、バリエーションを作るのが楽
  • 物にもよるが五〜七面程度で終わりなので、製作期間が短い。
  • 床が無い。自機の動きに敵の動きが干渉されない。敵弾同士での干渉がない。
  • ルールが単純

などなど。勿論相対的なものなので、プログラミングの初心者たちには大きな壁となって立ちふさがるだろう。

パズルゲーム

作成難易度 ★★☆☆☆

シューティングと同程度かちょっと上の難易度を誇るパズルゲーム。落ち物ゲーが有名だろうか。難易度★二つというのは割りと適当で、作るものによって大分左右する。テトリスなどはシューティングゲームより簡単だろう。

とにかくアイデアと爽快感が求められるパズルゲームは、基礎部分のプログラミングは簡単だがそれ以外の箇所が難しい。遊んでみてつまらないならまだしも、パズルゲームは往々にしてロジックエラー(ゲームの破綻)を引き起こす。外側にブロックを積んでるだけでクリアできるとか、用意しておいたとある行動が全く意味を成さないだとか。

ただしそこのピースが上手く合致すれば、たまに初心者でも非常に面白いゲームが作れたりする。新入社員が作った、だとか大学生のうちに作って大ヒットした、だとか、そういうのは大体パズルゲームだ。パズルゲームをやってるのは製作者本人なのかもしれない。

ちなみに、ぷよぷよなどの対戦型ゲームになると途端に難易度が跳ね上がる。CPU対戦時に、AIを作る必要があるからだ。ネット対戦まで入れようものなら最高難易度になるだろう。

ローグライクゲーム

作成難易度 ★★☆☆☆

ローグライクゲームアドベンチャーゲームを除けば静的ゲーム(非リアルタイムゲーム)の中で最も低い難易度となる。とはいえ、星の都合上パズルと同じ難易度で表現されているものの、ローグライクゲームの間には若干の隔たりがある。

ローグライクゲームが簡単な理由は、後述するRPGと違い、

  • 町が少ない、ワールドマップもない
  • ダンジョンが自動生成されるため、考える必要がない
  • ストーリーやテキスト量が圧倒的に少ない

などといった点が挙げられる。更に、元々ローグはCUIのゲームであったため、CUIでも作成することが可能である。ダンジョン自動生成のアルゴリズムはやや煩雑だが、これはサンプルが結構あちらこちらに落ちていたりするため、比較的構築しやすい。

ただし、グラフィックをきちんと作りこむと自機敵機全てに八方向×三枚(歩行)の画像が必要になったりアイテムのアイコンが必要になったりと大変なことに。

RPG

作成難易度 ★★★☆☆

ゲームの花形、RPG。此処からは作成難易度がぐっと上がり、初心者がいきなり手をつけてもまず完成しないだろう。RPGは特にみんな目指すのだが、残念ながら茨の道である。

基本的なプログラムは非常に簡単である。とはいえマップを外部から読み込まないとやってられないため多少の難易度は誇るが、ツールは割りと揃っているのでそこまでというわけでもない。戦闘も、DQ型かFF型かで違うが、特別複雑なアルゴリズムを用いることもない。精々計算式か。

問題はその長さである。膨大なテキスト量、ストーリー、そしてマップ。全て作り上げるまで根気が持たない。RPGツクールという便利なソフトウェアがあるが、果たして長編を一つ完成させた人がどれほど居るだろうか。また、拡張も難しい。独自のジョブシステムや戦闘システム。RPGツクールでも難しいらしい。

何より大変なのは作り上げた後にその全てを通しプレイして、レベルデザインをみっちりやる必要があるということ。キャラドットもマップもストーリーも完璧なのに、最初の敵が越えられないなんてことになったら目も当てられない。そういう意味で、RPGはもしかしたら最も敷居の高いゲームかもしれない。ラスボスを倒し、最も感動するのは他ならぬ製作者自身だろう。

アクションゲーム

作成難易度 ★★★☆☆

そしてアクションゲーム。実を言うと、もう少し簡単かもしれない。そして難しいかもしれない。アクションゲームといっても種類は非常に多岐にわたるので、なんとなく作れば何となく出来るかもしれないし、極めようと思えば延々とアクションゲームだけを作り続けることになる。尚、ここでいうアクションゲームは基本的に2D横スクロールアクションを指す。広義のアクションゲーム

しかしなんといっても難しいのは敵が“動く”ことだ。その敵はシューティングゲームと違って、自分に干渉しようとしてくる。歩行モーションも用意しなければいけない。勿論自機も、STGに比べて非常に多数のドット絵が必要になるだろう。

挙動の突き詰めも大切だ。操作のしやすさは、ゲームの面白さに直結する。同人ゲームだとよく此処がきちんと突き詰められていなくて、あまり楽しくない結果になってしまっているものも少なくない。

ステージ製作においても、ツールを作らねばやってられない。しかも、遊んでいて面白いステージを作らなければならない。ギミックも必要だ。いずれもシューティングゲームには存在しないモノである。

基準点は標準構成であるため星三つの位置に留まっているが、モーションやギミック、レベルデザインを徹底するなら星五つ以上の難易度を誇る。奥が深く、作りがいがある。RPGも良いが、ゲーム製作の花形はやはりアクションゲームではないかと自分は考える。

ボードゲーム

作成難易度 ★★★☆☆

対戦型カードゲームやすごろくゲームなど。将棋オセロ麻雀などもこれに入る。

ボードゲームで一番大変なのはアルゴリズムを考える所だろう。既存のゲームをコンピュータに移植するだけならよいが、そこに自分独自のアイデアを盛り込んだりすると、それは自分で作らなければいけない。

そして、バグが頻発する。シューティングアクションゲームはあまりバグらない部類だが、ボードゲームは酷い。振り向けばバグバグを完全に防ぐには全てのシチュエーションの組み合わせを試さなければいけないが、恐らく何億パターンとかあるので到底不可能である。よって、発見できた物から順番に潰していく。寝れない日々が続くだろう。

そして、対戦型のゲームではCPUAIを考える必要がある。これもまた既存のゲームならまだしも、独自のシステムにしてしまえばそのシステムでいかに有利になるか、AIは考えて行動しなければならない。駒を使うようなものだと、三手先、五手先まで読むようなアルゴリズムを作りながら、あまり重くならないようにもする……となかなか大変だ。更に最近はネット対戦を求めるユーザーも多いため、難易度はどんどん高くなる。

戦略シミュレーションゲーム

作成難易度 ★★★★☆

戦略シミュレーションゲームとは所謂スパロボだのファイアーエムブレムだのそこらへんである。テキスト量はRPGと同等かそれ以上になるし、リソースも「動く」戦闘シーンを作るならとても手間がかかる。そして何より基本的にコンピュータが敵プレイヤーとして君臨するため、障害物を避けながら目的地に向かう経路探索や、どの敵に攻撃するかといった行動評価など、プログラミングの難易度はRPGよりぐっと上がる。

何より難しいのはシステムデザインかもしれない。アクションゲームRPGのように、戦略シミュレーションゲームには雛形というものが存在しない。一番近いものがスパロボだが、これを参考にすると「スパロボ風」と漏れなく冠詞が付いてしまう。没個性ならファミコンウォーズがあるが、ユニット生成は十分イロモノである。そしてそれらシステムデザインと共にアルゴリズムもガラリと変わるので、難しい。同人ゲームにおける戦略シミュレーションの少なさが、その敷居の高さを物語っている。

音楽ゲーム

作成難易度 ★★★★☆

ダンスダンスレボリューションやらビートマニアやら、同人ゲーム製作者がまるで手にかけようとしないのがこの音楽ゲームだ(幾つかは存在するが)。まず、音楽にタイミングを合わせるのが難しい。ノート(何か落ちてくるあれ)を作るのも自分なので、多少音楽に造詣が深くなければならない。当然、音楽もフリー素材ではない魅力的なものでないといけない。

そして何より、色んなジャンルが商業勢に開拓されてしまっているので同人製作者が開拓する余地があまりない。特にビートマニア系はBM98というユーザが自分達でノートを作れる強いフリーソフトもあった故か、わざわざ自分で一から作ろうと思う人は少ないようだ。

アイデア次第でまだ入り込む余地はあるかもしれないし、それを作るのは貴方かもしれない。

リアルタイムストラテジー(RTS)

作成難易度 ★★★★☆

作りたくない。以上。

というのは冗談だが、とにかく大変である。前述した戦略シミュレーションゲームをそのまま更に難しくした感じだ。経路探索はより高い精度を求められるし、複数のユニットを同時に選択した場合、隊列なんてものも組まないといけない。敵のAIも戦略シミュレーションより更に高度なものとなる。

Age of Empire等が代表的だが、そもそも日本であまり流行ってるジャンルではないので知らない人も多いかもしれない。逆にこれほど難しいとなるとまだまだ同人ゲームで開拓されていないジャンルなので、狙い目かも。

格闘ゲーム

作成難易度 ★★★★★

文句なしの最高難易度。憧れている人は多い。

まず、ドット。百数十枚を八キャラとか十六キャラとか作る。この時点でハードルが雲まで届きそうだ。そして出来上がったキャラクターを一つずつモーション付けしていく。攻撃範囲と食らい判定も設定。そしてテストプレイ。

何より、格闘ゲームをある程度遊んでいる人でなければ、格闘ゲーマーが何を面白がって格闘ゲームをやるのか理解できないので、作れるはずもない。そして格闘ゲームの世界チャンピオンが作ってもゲームバランスが滅茶苦茶になってボロクソに叩かれる。かといってバランスを均一にするためにトゲを一つ一つ叩き潰していくと、何にも面白くない平凡なゲームになる。

とにかく作るのが大変な上に不安定要素が多すぎるのが格闘ゲームというジャンルである。それでも作りたいなら、まずドット絵を描いてくれる人とコネを結ぶ所から始めなければならない。

レースゲーム

作成難易度 ★★★★★

メジャージャンルだが難易度は高い。同人ゲームでほとんど見かけない。

まず、3Dが前提である。この時点でほとんどが振り落とされる。SFCマリオカートは擬似3Dの2Dゲームだが、あれは3Dで作るより多分難しいので考えないように。そして、コースやキャラクターのデザイン。接地面の判定や角度。コンピュータAI。どれも一流の技術とセンスがなければやってられない。これ以上は語る必要もあるまい。

ちなみに見下ろし型のレースゲームは大分難易度が下がるが、特筆しない。多分ボードゲームと同じくらいじゃないかな。

FPS

作成難易度 ★★★★★

海外で人気ナンバーワンのジャンル。3D前提。

とにかく持てる技術を総動員して作らなければならない。アルゴリズムも難しいし、コンピュータもまるで人間のように動く。一人モードを充実させるならRPG以上のストーリー作成が待ち構えているし、演出も常に映画並のものを求められる。

更にネット対戦もほぼ確実に必要となり、一対一どころか八対八でコンマ1秒の同期を求められる。まるでキチ○イのようだ。

が、やはり人気がある。というかアメリカではFPS=ゲームと思ってる人も少なくない気がする。MOD(改造)との相性もよく、CounterStrikeの改造MODなんかはそれだけで単品のゲームが出ている。そしてその改造MODMODがあったりして、そこにファンが付いて……。恐ろしい。

ちなみにあまりにも難しい故か(そして人気がある故か)、UDK - Unreal Development KitみたいなFPSを作るミドルウェアが結構充実しているので、これらに頼るなら実はそこまで作るのが難しくなかったりする。というか普通はこれらに頼る。コンシューマーでも。

総評

纏めると、ゲーム製作の難しさは以下のような点に起因する。

難易度が低いゲームでもこれらの要素が変動すれば、たちまち高難易度のマゾ製作ゲーになるだろう。逆に、これらを無理矢理削ってしまえば難易度はぐっと下がる。格闘ゲームも全部棒立ち人間にすれば(ゲーム性は聳え立つクソのようになるが)作れなくもない。

つまるところ上に挙げた「基本構成」というのはもし自分が作るならここまで作る、というなんとも曖昧な基準を前提としているので、ゲーム製作者毎に(下手するとうちのサークル内の人間でも)違う主張を持っているだろうと思われる。決して上に挙げたものが全てではないし、ゲーム製作者の総意でもなんでもないので注意。

まああまりゲーム製作視点からの各ジャンル総評というのは無かったような気もするので、頭の片隅にでも留め置いて頂ければ幸いである。

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