Hatena::ブログ(Diary)

独楽(こま)な日

2017-08-13

独楽な冒険

突然ですが、人にお薦めを尋ねたりしますか?

美味しいお店だったり、本だったり、映画だったり、音楽だったり。

私は学生の頃、お薦めを尋ねるのが嫌いでした。

何でも自分で判断したいし、自分の中にある興味で一杯一杯だったので。

でも今は積極的に聞きたいと思ってます。

理由はお薦めを尋ねる意味が変わってきたからです。

例えば、食事が美味しいお薦めのお店を尋ねたとします。

その後、実際にお店に行って、美味しかったか、そうでなかったかは、私にとってはあまり重要ではありません。勿論、美味しいと嬉しいです。

私が一番興味があるのは、そのお薦めしてくれた人の心が動いた理由や要素です。

そこには自分の知らない価値や感覚があったりします。

自分の知らない価値や感覚に遭遇するのは、

小さな冒険に似ています。

リスクもありますが、喜びや出会いもある。

冒険家というと凄い人や、縁遠いイメージがあるのですが、

案外、私達だって小さな冒険家だったりするのではないでしょうか。

2017-06-03

独楽な大地

好きなものは、すいすいと頭に入って、不思議なほど記憶にしっかり残りませんか。

それなのに年を重ねると、あんなに好きだったことが思い出せなくなったりします。

それは当たり前なのかもしれませんが、最近ふと思いました。

忘れないように努力するより、

興味をもって新しいことを覚えていくことによって、

過去に覚えたことも忘れなくなるのではと。

なんだかそんな気がします。

問題はどうやって興味を持つか、どうやって好きになるか、ということですね。

段々と色々な思考が身についてきて、若い頃のような無邪気に好き!というのは、なかなかなれません。

良いも悪いも含めて、どう肯定的になっていけるか、それが核のような気がしますが、精進精進。


そんな今日この頃、自主で動いているプロジェクトのために色々と本を読んでいます。

とにかく専門用語も多く、調べると更に知らないことが出てくるので、ひぃーとなりながら、グーグル先生のお世話になっています。

そんな中の一つに、とても面白い記事があったので、ちょっとご紹介。

アイヌの伝統民家「チセ」

http://www.chinetsu.jp/cise01.php

アイヌの住居は当然ですが、極寒の豪雪地域です。

今の私達の暮らしからは、現在のような建築ではなく、自然の材料だけで作られた住居でどうやって生きていけるのか、全くもって想像もつきません。せいぜい、昔の人は苦労してたんじゃない?とか。

上記の記事は実際にチセを建てて、寝泊りし、データを取りながら、アイヌの長老から聞いたことや、文献等の状況に近づけていく、そんな作業を10年ほどしたものになります。

本当に貴重な研究で大変感動しました。

そして永い歴史と地域風土に育まれた知恵というのは、想像を遥かに超えるものがありました。

色々と面白いので是非読んで貰いたいのですが、

私が特に感動したのは、大地の5m下では真夏と真冬の温度が反対になっているということでした。

夏の熱が地下5mに届くのに半年かかっているというのです。

それは大地が半年先まで、夏の熱や冬の冷熱を持ち越す力を持っているとも言い換えれます。

雪解けして直ぐに新しい芽が出るはそのお陰だと。

そしてアイヌの住居「チセ」はそのことを活用した作りになっていました。

丁度、読んでいる本にも、日本では竪穴式住居が長く一般的だったとあり、まさに目から鱗でした。

竪穴式住居も大地を掘って、そこを生活の場としているのです。

驚きじゃないですか?

何か言葉に出来ない感に打たれました。

私はその後、住居に床を作っていき、色々ありながらも、現在のような椅子生活がメインなった日本の文化も好きです。

ただ東京に住んでいると、本当に土をほとんど見ないのです。そして何か忘れものをしているような気がしてしまいます。単に過去に戻ろうという気持ちはないのですが、改めてスケールの大きい奥深さに出会う大切さはあるようにおもいます。

2017-03-23

独楽を待ちながら

昨日まで、作業机の上に本を立てかけてました。

購入して3ヶ月近く経ちながらも、本は一切開かないで表紙を眺めるだけ。

その本の名は「イイダ傘店のデザイン」といいます。

http://www.pie.co.jp/search/detail.php?ID=4481


イイダ傘店さんは、もともと傘と何のゆかりもなかった飯田純久さんが、

傘の生地やパーツ等々を一からデザインして、

更にそれらを作り上げる為の職人さんも探して、

出来上がった生地やパーツを飯田さんと数人のスタッフさんが、

作業で一本一本作りあげるオーダー専門の傘屋さんです。

http://www002.upp.so-net.ne.jp/iidakasaten/index-2.htm


「こんな素敵な傘、見たことない」


本当に凄いのに、さらっとをやっちゃう天才肌な人っているじゃないですか。

そんな印象でした。

勿論、そんな簡単なことじゃないとは重々承知していますが…越えれない壁に思えてしまうものです。

という訳で本を開くまでもなく、表紙だけでも十分幸せでお腹一杯だったのでした。



ですが最近、個人的にとても悲しいことがあったので、本を読もうかなと思いました。

読むとやっぱり凄いなぁと何度も思うのですが、個人的にとても響くところがありました。

それは「待つ」ということ。


「待つ」って私はある意味とても苦手で、凄く後ろ向きな気持ちになって「待つ」ことが多いのです。


本には前向きな「待つ」のエピソードがありました。

違う考え方や心の持ち方はとても大事ですね。

誰しも辛いことや、悲しいこと、不安やトラウマがあって、それが人を弱くも強くもさせますが、ちょっと良いヒントを貰えました。

まぁ、非常に特殊な感想です。


実際の本の内容は、ものづくりの素敵さがとても伝わる明るい本です(笑)。

2017-01-30

独楽なお皿

セーターの左ポッケにいつも出来る毛玉畑や、靴下に穴が空くのはいつも左親指の先。

観てみたいなぁ。そうなっていく過程を。

きっと無自覚な自分の癖がはっきり分かるんだろうな。


先日、私とは全く面識のない人がジャンルの違う映像を観て、同じ人=私が作ったと思ったらしく、

へーっ、分かるものなんだなぁと思いました。

ものづくりは意志や自覚の重なりで出来ているようなものですが、

敢えて自分の匂いや灰汁を消すようにすることもあるわけで、

そうやって作ったつもりでも自分では気付かない何かを残しているようです。


それはそれで嬉しい。

誰でもいいような映像は作りたくないから、フリーを選んでいるのだし。


自分では一言に映像を作るといっても大きくは二つに分かれると思っています。

一つは映像表現。

映画やドラマ、アート作品とか。

映像が表現したもの、それが主役になるもの。


もう一つは映像伝達。

CMやミュージックビデオ、PR映像等々。

宣伝や紹介したい商品やサービス、音楽があり、映像は伝える手段。


まぁ、どちらにもかぶるグレーゾーンはありますが、大きくはこの二つに分けられると考えてます。


現在、私が仕事させて頂いているのは主に映像伝達です。

映像はあくまで、商品やサービス、音楽の魅力を伝える手段なので、

時には映像の作り手の匂いや灰汁等の表現が邪魔になるときもある訳です。


でも、やるからには自分ならではの映像にしたいとか思っちゃう訳です。

もちろん宣伝したい対象を伝えるためにという意味ですが。


学生の頃は、俺が俺が的な灰汁が強すぎて、自分を消す魅力がさっぱり分かりませんでした。


最近は映像って、料理のお皿に例えると分かりやすいなぁと思ったりもします。

お皿も色々ありますよね。


料理を引き立たせるシンプルなものや、お互いに個性を主張して丁度良いものもある。

料理と皿で作りたい雰囲気もあるかもしれない。


理屈では分かっていたような当たり前のことでも、気づくと面白いなぁと思います。


きっと自分は味や灰汁は消しきれないのだろうな。

消しきったときは、お皿がない状態。

それは映像を辞めているということになりそうです。

2016-12-18

独楽な磨き上げ

f:id:eizouseisakukoma:20161216144938j:image

『じーざす! この汚れ、広がる!?(心の声)』

と、現場で冷や汗を流しながら、カメラのイメージセンサーを掃除したのはいつだったのか…。

イメージセンサーは超デリケートで下手に傷が入ると大損です。

…なにはともあれ、撮影したものに異常は無くなりました。

でも、若干汚れてるよなぁ。

そんな折、銀座ソニーさんでもイメージセンサーのクリーニングを行っていると知って早速予約しました。


当日、担当の技師の方に上記の話しもしてお渡しすると

「では18時30頃に来て頂けますか」

と言われて、2時間も掛かるものなん?とちょっと驚きました。

本当は興味本位かつ、勉強のために作業を見たかったのですが、そんな感じではなかったので、近くのカフェでコーヒーを飲みながら待っていると、ソニーさんから電話が。

イメージセンサーのクリーニングはまだ終わってないのですが、傷が見つかりまして…」

「え?」

とりあえず、途中なのでクリーニングを終えて状況を確認することに。


病気の診断を待つような気分で待って、約束の時間になったので再びソニーさんへ。

「…どうでしたか?」

「やっぱり縦に傷がありまして、…でも写りには出てないです」

「ほんとですか!」

いやー、良かったです。

で、実際に観てみますか?となりまして、是非是非と。

技師さんの使用していた筒状の拡大鏡をお借りして覗きます。

…覗きます。

…覗きます。

…覗き

「この角度だと見やすいです」

…覗きます。

…覗き

「小さな白い点が一個あるのは分かるんですけど…」

技師さんが覗いて

「あ、これは新しい埃ですね。その右隣にうっすらと縦のラインが」

…覗きます。

…覗きます。

「…駄目だ。右隣…全然分かりません」

技師さん、覗いて

「あ、今ちょっとゴミが動いて、あと小さなゴミもまたついちゃってますが、その間に」

…覗きます。

…覗きます。

「…すいません、やっぱり駄目です」

「まー、これを(拡大鏡)使いこなすのも多少時間かかりますからねー」


その後、新しく付いたゴミを取る作業を見させて貰いながら、これは時間かかるわと思いました。

もしもの時に参考になるかと思って、色々お話しを聞かせて頂くと、

洗浄液で汚れを浮かして、それを綿棒等で吸い取り、

最後は洗浄液の蒸発と合わせて綿棒等で吸い取り、液体の蒸発跡もない状態に磨き上げるとのこと。

感覚的にもそれが分かるということで、まさに職人技でした。


傷も影響ない程度でホッとしたこともあり、かつ良い技を見せて貰ったなぁと、ちょっとホクホクして帰路につきました。