- 作者: 舛添要一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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とても面白かった。
八年前に書かれた本だけれど、ためになる。
舛添さんが言うには、今の日本の最大の問題は、国民が大きな不安を抱え、気持ちが萎縮してしまっていること。
そのために、経済が不活発になり、デフレとなっているという。
国民の不安は大きく三つ。
1、少子高齢化なのに、さまざまなシステムが対応しきれずおくれをとっている。
2、デフレに象徴される経済の見通しが暗いことへの不安。
3、雇用や失業への不安。
と指摘している。
その上で、舛添さんは、今の日本に必要なのは、鼓舞激励型のリーダーシップであり、「私たちの未来はこんなに明るくなりますよ」というビジョンを示すことだという。
そして、今実行すべきなのは福祉の充実であることを強調し、福祉こそが地元に密着した雇用を創出し、多くの各個人の労力や金銭的出費を軽減し、不安の払拭につながるという。
構造改革は総供給の拡大には役立っても、総需要の拡大には役立たないと指摘し批判。
デフレは、貧富の差をますます拡大し、金持ちに有利だと指摘する。
そして、今の政治の最大の課題は、インフレターゲットであるとし、小泉構造改革や日銀の無為無策や失策を批判している。
今考えても、それらの認識は基本的に正しかったように私も思う。
舛添さんが言うように、小泉政権の頃から、福祉の充実とインフレターゲットに全力を注いでいれば。。
ただ、今からでもせめて目指すべきなのかもしれない。
さらに、舛添さんは、社会的流動性を高め、何度も転職や再チャレンジできる社会や、本当に女性が働きやすい、男性稼ぎ主中心からの転換を提言している。
「何度も失敗する自由を!」
「失敗しないのは仕事をしていない証拠」
というのは、今もって声を大にしてもっと言われるべきことなのかもしれない。
また、末尾で、読書することと、考えを文章に書くこと、の二つの重要性を力説していることも、全くそのとおりに思えた。
面白い本だった。