2010-04-22
■中国語が世界共通語になる条件
言語について考えるのが好きなので、もうちょっと、本職の言語学者たちにはほほえましいであろう与太話を続ける。
英語は人類最後の世界共通語になるだろう - Rails で行こう!
世界共通語を、異なる背景を持つ人たちのコミュニケーションのため、国際的な活動の中で、人類にとってとくに重要だと思われるもの(科学・文芸・政治・経済・法律等)において主に使用される言語、と定義してみる。
すくなくとも向こう30年程度の期間では、英語の世界共通語としての地位は、ますます確固たるものになっていくのは間違いない。私はそれ以降も未来永劫、英語が人類の共通語になると考えているのだが、かならず「他の言語はどうなんだ?」という人たちが出てくる。
反駁するのは簡単だか、ここではあえて、英語以外の言語が世界共通語になる可能性について考えてみる。
第一に、この先、新しい自然言語が発明されて、普及する可能性は、ほぼゼロといっていい。19世紀末に発明された人工言語エスペラントには根強いファンがいるが、残念ながら、世界の実用的な共通語として使われる可能性はゼロだろう。*1
巨大で多様な話者を抱える言語は、他にスペイン語・アラビア語・ロシア語がある(インドの諸言語も話者人口は巨大だが、インドではインテリは全員流暢な英語を話すので、新しい共通語の必要性は感じていないだろう。よって省略)。スペイン語は発音は比較的容易だ。文法はやや複雑。ロシア語を学んだことはないが、文法はかなり複雑なようである。アラビア語についてはほとんど知らないが、表記法において母音が省略されるので、きちんと読めるようになるのに長い訓練が必要だと聞いたことがある。
スペイン語圏は、政府の力が伝統的に弱く腐敗している。この先も経済成長は難しいかもしれない。ロシア語は、かつてソ連を中心とする「東側ブロック」の共通語だった。しかし、いまや世界に押し出していく勢いはない。アラビア語はいま急速に勢力を拡大しているイスラム圏の共通語となる可能性はあるのかもしれないが、私には論じるほどの知識がない。詳しい方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
唯一可能性が残っているとすれば、中国語しかない。
中国語が世界共通語となった世界
もし将来において中国語が世界共通語になっている場合、次のようなことが起こっているだろう。
- 中国経済の繁栄(一人あたり GDP 30,000 ドル以上)
- 中国の民主化とそれに伴い(たとえば今日のシリコンバレーにおけるような)創造的な活動の世界的拠点になっている。
- 科学技術の世界でもっとも発展した研究拠点。
- 中国軍の世界的展開と巨大な軍事的プレゼンス。
- 中国は若者のポップカルチャーの世界的リーダー。
- 中国政府が中国語の正書法としてピンイン(アルファベットによる発音表記)を採用し、漢字表記を廃止している。
- アメリカの圧倒的没落。自由と民主主義を擁護する戦闘的な態度を失い、北米大陸のおとなしい内向きの国になっている(アメリカのメキシコ化)
- 世界の多くの国際機関が本部を中国に移転している。少なくとも国連・世界銀行・IMF のうち2つ以上。
現在でも最大である話者の多さは、中国語を世界共通語に押し出すのに有利に働くのは間違いない。
一言で言えば、現在、アメリカが担っている経済力・政治力・軍事力・科学技術力・文化的影響力のすべてを中国が引き継ぎ、アメリカが見る影もないほどに徹底的に没落することが必要条件だろう。
ここで日本の動向が中国語の世界化に大きな影響を与えうるかもしれない。日本語は中国語圏以外では唯一漢字を使う国である。もし日本が中国語を第二公用語として採用すれば、中国語話者とその経済力は一気に拡大する。もしその過程で中国が民主化し、世界のすべての人たちに敬愛される普遍的な文化を中国語圏に育てることができれば・・・。
・・・ま、無理だと思うけどね。
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