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elm200 の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2010-08-24

「英語特区」で済州島は「韓国シンガポール」になるか?


今朝 @TrinityNYC 女史のツィート経由で知ったこのニュース。その強烈さに思わず目が覚めた。

Western Schools Sprout in South Korea - NYTimes.com

済州島に欧米の有名校を集めて広大な「英語特区」を作ろうという試み。現在、多くの韓国人が巨大な犠牲を払って子息を海外で勉強させている。「海外に行かずとも本格的に英語と欧米風の教育が受けられ、費用を節約し、家族の紐帯を維持できる」というのが売りらしい。

ここでは、教師や学生、行政医師、事務員さえも英語だけで話すことになるという。これは単なる計画段階ではなく、今月、実際に、英国の学校が1校開校するらしい。

私がカナダに語学留学した 1999 年には、すでに英語を学ぼうと必死な韓国人たちがたくさんいた。韓国人の気持ちはよくわかる。彼らにとって、英語力は就職に直結するので、実に切実な問題なのだ。上の記事によると、ソウルインターナショナルスクールには韓国人が殺到して、入学を断らなければならない例が多数に上っているという。韓国では「英語による教育」に対する巨大な需要があるから、上の済州島の「英語特区」が成功する可能性は高い。

済州島の人口は約55万人、面積は1,845kmで東京都をやや小さくした程度である。済州訛りの韓国語は、本土の人間には理解できないことで有名で、ちょうど琉球語のようなものらしい。独自の文化を持っていると思われる。南部は温暖で「韓国のハワイ」と称される。(済州島 - Wikipedia)

済州島に巨大な英語教育特区を作り、その後、それを拡大してシンガポール型の経済特区にする。韓国政府はそんな青写真を描いているのかもしれない。済州島は、歴史的に低開発地域であるから、韓国政府としては、済州開発の起爆剤として考えている可能性があるのではないか。

済州島の面積 1,845km に対して、香港 1,104km2, シンガポール 707.1km2。ただし済州島の中心部は山岳地帯であるので、居住適地は少なめか。(まあ香港も半分山の中にあるようなものだが・・・)それでも、人口500万人くらい住む経済特区は十分建設可能だろう。

もし済州島が「シンガポール」になり、そこに多国籍企業が殺到するような状況になるなら、私もそこで働いてみてもいいかもしれない。日本には近いし、なかなか素敵な話だ。

・・・などと妄想していたら、実際すでに済州島は「特別自治道」として、経済特区のような地位を確立しているらしい。病院の株式会社化など、自治体と中央が協力して、迅速な政策の立案と実行に努めているようだ。

「東洋のハワイ」済州島はこうしてできた:日経ビジネスオンライン

いまの韓国なら、 済州島を「シンガポール」にする、なんていう過激な政策だって本当に実行しかねない勢いと怖さがある。一方で、日本政府にはおそらく何もできまい。延々と議論が続くだけだろう。・・・財政が破綻するその日まで。

歴史というのは皮肉なものだ。19世紀後半、帝国主義という当時の「グローバル化」に対応したのは、アジアでは日本が一番早かった。あれから150年。日本はグローバル化への対応が最も遅れた国になった。

日本のことはもうあまり言いたくないけど、すでに2周くらい周回遅れという感じだ。2周というのは、まず1周遅れている上に、遅れていることさえ気がつかないのだから、すでに2周というわけだ。

日本が立ち遅れている最大の原因は、皮肉なことに、過去の巨大な蓄積があり、それを取り崩すことでいまは何とかしのげているからだ。もし、日本政府にそれほど信認がなければ、財政はずっと前に破綻していただろう。そこで、日本人は本当の危機意識を持つことができただろう。

1代目が巨大な財産を築き上げ、2代目・3代目がそれを食いつぶす。よくある話だ。最初の財産が大きいほど、子孫の誤った行動が修正されるまでのタイムラグは長くなる。この資本主義社会では、キャッシュが続くかぎり、周囲から行動修正の深刻な圧力を受けることはないからだ。

過去の巨大な成功が、日本人の一人一人の肩に重くのしかかり、膨大な人的資源の浪費につながっている。日本人は忙しく働いているふりをしているが、その実、そこから何も学んでいない。この巨大な時間の空費は、将来取り返しのつかない災禍となって、この国を襲うだろう。

日本人は、もう日本政府に何も期待するべきではないと思う。この政府はどうにもならない。過去20年間、グダグダを続けてきて、いまさら素晴らしいものに突然変身するわけがない。日本人の個人一人一人が、このグローバル化の現実に直面し、政府の助けを期待することなく、あるいは政府の妨害に屈することなく、自分の道を切り開いていくしかない。外国に出るというのが一つの答えかもしれないし、日本にとどまりつつ、外国と連携するというのも一つの方法かもしれない。道を切り開くのは独立自尊の精神を持って行動する私たち自身なのだ。

(以上の文章は、私のTwitter上のつぶやきから再構成しました)

暑がり屋暑がり屋 2010/08/24 12:21 グローバル化に大きく乗り遅れたこの期に及んでなお、日本語の教育の方が大事だ、日本国内では英語なんて必要ない、楽天は馬鹿だ、いやけしからん、英語を強要される動きが我々にまで及んだらどうしてくれる、要するに英語なんて嫌だ、絶対に嫌だ、などヒステリックな反応が湧き出る現状を見るにつけ、なんとかこれを変えられないだろうか、と思いますね。

シンガポールで人々の雑多なエネルギーに接していると、今の日本の内向きな精神構造やそれに基づく閉塞感が、いかに人々の心を蝕んでいるかがよく実感できます。みんなが自信をなくした結果、物事がうまくいかないのを誰か他人のせいにしてしまいたくて、狭い内輪な世界で互いに足を引っ張り合っている、そんな状態に見えます。自信の喪失、これこそが今の日本の一番の問題でしょう。

私は英語駆使能力を上げることはとりあえずの急務だと思います。外界との接触機会を増やすきっかけや誘因になりえる。もちろん必要条件に過ぎず十分条件ではないが、自信を取り戻すにはまず最初にこの壁を乗り越える必要がある。周りが見えないければ、自分の立ち位置も見えないものです。現状は周りがよく見えないが故に過剰な不安と恐怖におののいている状態ではないかという気がします。

こういう時こそ有無を言わせぬ政治家の英断が必要なはずなのですが、まあ残念ながら期待できませんね。トップダウンではなくボトムアップで、まず自分の周りから変えていくしかないのでしょう。

MM 2010/08/24 12:23 衝撃です。韓国にとっては素晴らしいアイデアです。
想像したくないですが、20年後にはシンガポール化した済州に、グローバル企業が集まり、アジア中のエリートと一部の日本人(国では売国奴呼ばわり)が働くようになるのでしょうか。

そうなるとグローバル企業に見捨てられた日本には美しい自然と温和な国民とおいしい食事とノスタルジックな街並みと観光業と農業だけがのこり、中国、韓国、そして売国日本人観光客のチップを頼りに生きていくことになるのでしょうか。

代打名無し代打名無し 2010/08/24 14:40 >美しい自然と温和な国民とおいしい食事とノスタルジックな街並みと観光業と農業だけがのこり
それでいいじゃん。 って思ってる日本人は多いと思う。
没落後の日本に、美しい自然やおいしい食事が在り続けるのかどうかは分からないけれど。

にゃーにゃー 2010/08/24 22:38 日本国内の一部のグローバル企業では採用の8割を外国人としているが実は外向きのポーズで、(英語だけでなく)勉強していない使えない日本人はいらないとしているところもあると聞きます。

まあ、その通りなんですよね、再教育のコストをかけるより現地の優秀な人間を雇ったほうがいいに決まっている。進出先の国で日本人を一定以上雇いなさいと決まっていればいいですが、事実は逆で現地の人を雇いなさいということはあっても日本人は別にいてもいなくてもいい感じだと思います。

fu24fu24 2010/08/25 01:09 話に迎合できなくて悪いんだけど、
日常会話や専門分野の英語ぐらい、平均以上の学歴の日本は皆できるんじゃないかな。
そりゃ、耳が慣れてないだとか、必要なフレーズをその時に思い浮かべられなかったって言う不慣れはあるだろうけど。
寧ろ問題なのは、多少誤解が出たり、それによって自分が無能だと判断されるリスクを知っていても、コミュニケーションを楽しむだとか、これを機に耳を慣らしてやれだとか、偶には英語力の錆でも落とそうだとかいう積極性を個人が持ってないことじゃないかと思います。
まず個人にそれがないのに、国の試みがないだとか言い出すのはおかしいんじゃないかな。
それとも、そういう教育ママがいる方がお子様な国民には良いのだということでしょうか。

それと、シンガポールが今経済的に大きく成長できてる理由は、いろいろ解釈の別れはあるでしょうが、その上位3つぐらいはご了解済みでしょうか。確認的に書いたりはいたしませんが、英語だけならフィリピンでも公用語として用いられているわけですから、どうもタイトルの内に大きな隔たりを感じます。

nagoya_servantnagoya_servant 2010/08/25 17:57   英語立国論の反証例としては、アジアではフィリピンが筆頭にきますよね。インドも今までそうだったし。
フィリピン人ははるかに日本人より英語がうまいのに、母国の経済発展は依然遅れたままだし、その結果、彼らにとっての英語は主に出稼ぎの手段みたいな感じではないですか?
出稼ぎは別に悪くないけど、でも、出稼ぎ先の国では2流市民扱いでしょう。母国で持っている資格や能力よりはるかに格下の職にしかつけない。
時々行く洋書店の休憩スペースでニューズウィークを熱心に読んでいるフィリピン人を見掛けますが、服装からは明らかに労務者系の仕事。

 「日本人はもっと英語が使えるようにならなければならない」という主張には賛成ですが、しかし、政策としてなら、ターゲットを絞るのが効率的ではないでしょうか。
すなわち、まず、この国のエリート層が英語を使いこなせるようにする、それを達成したら中産階層まで広げる。
それには、大学の改革からではないでしょうか。

南に吹く風南に吹く風 2010/08/26 01:52 済州島の英語特区、とてもインパクトのある話ですね。マスコミはこういうニュースこそもっと報道すべきだろうに。

シンガポールが成功した理由には、税率を抑えて海外投資を推進したこと、賦課方式を採用せず積み立て方式にして社会保障の政府支出を抑えたこと、国家レベルで人材教育にうんと力を注いできたこと、小さな都市国家であるが故にインフラ整備や治安維持にコストがかからないこと、などが挙げられると思いますが、でもそれらに加えてやはり言葉の統一、特に英語をメインに据えたことはとても重要だったのだろうと思います。このあたりのことは、リー・クアン・ユーの名著、「From Third world to First」を読むとよくわかります(残念ながら邦訳なし)。

移民が多く、福建や広東の方言を使う人間がその多くを占めていたシンガポールに、リー・クアン・ユーは将来を見据えて英語および北京標準語(Mandarin)を強制導入しました。多くの軋轢を乗り越えた結果、現在は英語がメインです。私を含めて日本人にはなかなかピンと来ませんが、福建や広東語を強制的にMandarinに切り替えたのも、実は相当に大きなアドバンテージになっているんだろうと思います。(もちろん負の側面もあるでしょうが)

今の二十代の若者は人によっては五カ国六カ国語を操りますが、メインは英語で、全般に若い世代ほどきれいな英語を話します。このアドバンテージがどれほど大きなものか。私は初めてそれを目の当たりにしたときに、かなりのショックを受けました。
http://blog.livedoor.jp/sgh_pathol/archives/229060.html

この真似をすべきだと主張する気はありませんし、そんなことは不可能でしょう。それにシンガポールにも負の側面はたくさんあります。ですが、日本は政府も国民も語学のディスアドバンテージに関してはもっと危機感を持つべきだろうと思います。たかが言葉、されど言葉、です。

荒巻荒巻 2010/08/26 05:04 >1代目が巨大な財産を築き上げ、2代目・3代目がそれを食いつぶす。
いやぁ、別に良いじゃないですか。その2,3世代が食いつぶしてくれるおかげで
世の中の金回りが良くなるんですから。今の時代は、偶々それが日本だっただけですよ。

ただ、確かに、これから国に頼ることはできないと思いますね。
とりあえず、適当に頑張りますか…。

焼きマシュマロ焼きマシュマロ 2010/10/04 14:09 英語特区への序章というわけではないですが、韓国ではすでに<英語村>と呼ばれる英語体験宿泊施設が国内に複数存在します。村の中には銀行、郵便局など現実社会に存在するありとあらゆる設備があり、当然職員もすべて外国人。英語で仮想体験できるアミューズメント施設となっています。また料金も非常に安く設定されていて小中学生が団体で宿泊するようです。

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