日本は米国から自立せよ

第二次世界大戦後、日米安全保障条約によって、日本の安全保障は基本的に米国によって担われれることになった。軍事・外交政策に関して、日本は、米国にコバンザメのように従属していれば、国際社会において大過なくすごすごとができた。そうして日本は経済の再建に専念することができたが、そうした「属国化」政策によって、軍事・外交的な自由選択権を失ったのも確かだった。日本の自衛権憲法 9 条に縛られて、軍事の話をすれば「軍国主義者」と罵られ、タブーの話題となってしまった。

米国は、飴(経済協力)と鞭(軍事的制裁)を巧みに使い分けようとする。ただし、米国が飴をやるとき、支援先の政権を甘やかしすぎて、結局失敗することが多い。ベトナム戦争当時、米国は南ベトナム政権に湯水のようにカネをつぎ込んだが、結局、権力者を腐敗させただけだった。革命以前のキューバもそうだったし、いまはイラクアフガニスタンで同じ過ちを犯しつつある。

いまの日本の政治のふがいなさは、長年、米国に甘やかされ、国民が自分の頭で自国の未来について真剣に考えてこなかったツケなのだ。日本人が日本民族自立の誇りを取り戻すためには、憲法を改正し、防衛力を自由に行使できる「普通の国家」になる必要がある。

戦前の軍国主義の記憶や現在の過激な右翼勢力と距離をおきたいのなら、公募で新国歌と新国旗を制定したらいいだろう。個人的には新国旗には桜の花がいいと思う。新国歌は、日本国憲法国民主権基本的人権の尊重・平和主義の思想をこめた、現代語のわかりやすい歌詞にしたらいい。

日本は、米国から自立して、自分の運命は自分で決める立場に戻るべきだ。戦略上日本と組んでいるだけの話で、根本的に文化の異なる米国が、最後まで日本を助ける保証はどこにもない。

中国の台頭という21世紀前半最大の政治経済的地殻変動がすぐ隣で起こっているのに、何の戦略的思考もないまま漂う日本の現状は危険すぎる。いますぐ日本は目を覚まして、負の側面を避けつつ、中国の勃興から、最大の利益を獲得する戦略を立てるべきだ。