Real 2.0へ

ブラウザ上で写真編集ができるサービス「PXN8」と動画を編集・共有できるサービス「Clip Cast」が登場しました。それぞれについてのCNET Japanの紹介記事はここです。
CNET JapanWeb2.0の挑戦者:ブラウザで編集できるオンライン写真エディタPXN8」
http://japan.cnet.com/column/ehub/story/0,2000065901,20204207,00.htm
CNET Japan「ブラウザ上で編集もできる動画共有サービスが登場」
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20208927,00.htm?ref=rss
そして、それぞれのホームはこちらです。
『PXN8.COM - Online Photo Editor』のサイトhttp://pxn8.com/
『Clip Cast - Online Video Studio』のサイトhttp://clipcast.jp/

さて、いうまでもなく、両者ともに発展途上のウェブ・サービスであり、高価な単体ソフトのPhotoshopやFinalCutProを使い慣れている人にとっては「とても使えたもんじゃない」レベルであることは確かです。しかし考えてもみてください。オンラインの、ウェブ上で動く、フリー(無料)のソフトなんです。PXN8は予想以上の種類の編集機能とエフェクト機能、Flickrへのアップロード機能まで備えており、Clip Castもシーンの切り取りや繋ぎ合わせができるだけでも大したものではないでしょうか?(A君、試してみた?)

ところで、これは私のいつもの空想に近い極論かもしれませんが、このようなサービス群が相互作用や統合を起こして、よりよいサービスに進化していくプロセスに、この私も「潜在的な開発者」として何らかの仕方で参加していくことが大切なことだと思っています。私はそのようないわばReal 2.0へ己の意識と態勢と行動を進化させるしかないのではないかと強く感じています。いうまでもなく、私の現状はいわばReal 1.0状態です。すなわち、どこかでだれかが創造してくれたすばらしいサービスや完成品を受け身にただ消費するという旧来の消費者としての意識と態勢と行動のレベルに甘んじているわけです。

しかし、企業や開発者がたとえWeb 2.0に移行しても、素人の利用者である私の方がReal 2.0に進化しなければ、せっかくの大きな変化とチャンスを見逃してしまい、結局「誰にとってのWeb 2.0なんだ?Web 2.0ってどこの話?」で終わってしまいかねないと危惧します。Clip Castはまだ評価版の試験運用なので、バグ・機能追加の要望などを受け付けていることが明記されていますから、参加しやすいですし、そうではないPXN8の場合にも、独りで開発しているワルター・ヒギンズ君宛に、気づいたことや要望を伝えることなどを通して「ある意味で」開発に参加することができそうです。その「ある意味」がそんなに遠くない将来に「大きな意味」に変わるような気がしています。

ふと、念のため、以前紹介した「一寸先を読む」(さん)で「image」カテゴリーで紹介されているウェブ・アプリケーションをチェックしてみたら、機能的にはPXN8より数段上とおぼしきPicture2Lifeがすでに6月30日に取り上げられていました。流石。
「Picture2Life --オンラインフォトエディター」http://d.hatena.ne.jp/husigi/20060630
そして、同じカテゴリーで「retrievr」という画期的な画像(静止画)検索サービスがあることを知りました。
「retrievr」http://d.hatena.ne.jp/husigi/20060507
その生き生きとした紹介文が魅力的なので引用しておきます。

Flickrは知られた写真共有サイト。世界中のカメラマンから自慢の1枚が毎日のように届けられる。すでに天文学的な数の写真が蓄積されているはずだ。/そんな膨大なデータベースから見たい写真を探し出す手がかりを、Flickrはキーワードやタグという形で提供している。でも、これだけでは自分のイメージする写真になかなかたどり着けない。/そこで、retrievr の出番だ。左上の空欄に自分が求める写真のイメージを適当にスケッチする。本当におおざっぱでよい。こだわるのは色具合だけ。しばらくすると、なんとこのスケッチに近いトーンの写真がどんどん拾い出されてくるではないか。/はじめてこのサイトに出会ったとき、時を忘れて没頭してしまった。あまりに衝撃的だった。以来暇を見つけてはスケッチし続けている。

これは、梅田さんが『ウェブ進化論』で触れていた今後の「検索」が抱える最大の難問である「マルチメディア・コンテンツの検索」に「目から鱗」的な発想からのヒントを与えてくれる非常に興味深いサービスだと思います。