2006年10月01日
言語の壁を飛び越える15才
梅田さんの『ウェブ進化論』の韓国語版が発売されたという。中国繁体字版<台湾>の出版も間近らしい。素晴らしいことだ。(梅田さん、おめでとうございます。)
「ウェブ進化論」韓国語版発売(中国繁体字版<台湾>もいずれ出ます) http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060929/p1
梅田さんの労は、いろんな形で次々とねぎらわれ(「報われ」ですね)ていく。韓国は世界一のネット環境だと聞く。その韓国で『ウェブ進化論』はどう受け止められ、どんな種がまかれ、成長するのか楽しみだ。と思った直後、すでに意味深長な成長の兆しが現れていることが記されていた。
『ウェブ進化論』を読んだ韓国の中学生からのコメントが梅田さんのブログに届いたのである。そのrokengalan君のコメントに私は二重に驚いた。そもそも91年生まれの15歳が見ず知らずの言葉も通じない外国人の著者にカジュアルに直接メッセージを送ること自体に驚き、さらにrokengalan君が、「言葉の壁」を「翻訳機を通じて」軽々と飛び越えていることに、へー、やるもんだなあと、本当にびっくりした。梅田さんは、
日本の中学生たちも、日本語訳が出た本の在欧米著者のブログに英語で書き込みしたりしているのかなぁ。きっとしている人がいるんだろうなぁ。本当に面白い時代です。
と書いていらしゃるが、(そのように深く前向きに受け止め、面白がっている梅田さんに感動し)、そうだと本当に面白い時代が日本にもやって来ていることになる(、と嬉しく思った)。
ところで、rokengalan君のいう「翻訳機」が具体的に何なのかは不明だが、例えば、グーグル等の自動翻訳サービスを使って、翻訳精度は二の次にして、とにかく、言葉の壁というか異言語間の森をかいくぐって、コミュニケーションをとろうとする若い世代がどんどん増えれば、そのことが、グーグルの革命にとっての最大の問題でもある「言語の壁」問題に、思わぬ方向からのソリューションが到来するかもしれない。そんなことを思った。
グーグルの狙いが見えた
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本の電子化にかぎって、グーグルの本当の狙いは何かという問題について、bookscannerさんが「直球勝負」で来た。私は当然、「見送り三振」。凄い。ど真ん中に来たのに、何度か視界から消えた。私の狭い視界から消えた部分は、まだ誰も答えを持っていない、グーグルしか、だと思うので、今後の捜査に委ねるとして、本筋の論の展開には、ただただ唸るばかり。bookscannerさんの見事な診断と処方箋はみんなの財産だと思う。もちろん、「記憶する住宅」の美崎さんの存在は計り知れないくらい大きい。
『グーグルが本の電子化で狙う「うまみ」の正体は』に応える(当面の最終)http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20061001
サンフランシスコで活躍した、なんていったけ、探偵から推理作家になった人、あわててグーグルで検索して、想起しました、「ハメット」のような、サンフランシスコ繋がりで連想しただけで、実力からいうと、やっぱり「チャンドラー」のようなbookscannerさんの手腕に私は脱帽した。謙虚に前向きに、bookscannerさんの診断と展望を引用しておく。
引用とか参考文献を介した「正当派のつながり」だけでなく、アンカーテキスト効果のもたらす「なんだ、このつながり」ってのが出てきて、新しい発想につながっていくんじゃないかな
そんな発想装置として機能するんだったら、たくさんの人がわんさか押し寄せるだろうから、Googleは高いお金出して、本を電子化しても、やっぱり元とれるよね。
そんなこんなで、ウィトゲンシュタインは、ウルトラマンともリンクが張られたわけで、こりゃ、どえらい世界だな、って思った。
これが、あと数年でGoogleが提供できるかもしれない発想装置なのかな、と思うと、ニヤっとするわけ。
そんな未来を垣間見た数日だったな。
私も、本当にそうでした。
ところで、私の視界から消えた瞬間の球筋の行方、消息については、
検索好きの人からすれば、アンカーテキスト効果やページランクなんてのは当たり前じゃん、って感じなのかもしれないけど、本当に知りたいのは、アンカーテキスト効果ってもんの存在そのものじゃないんだよね。むしろ、数多くある単語の中から、なんで、「本が本を読む」って単語だけが、Kellyさんの論文へつながったのか、って部分が、知りたかったんだけど、迷宮入りだな。こりゃ。
bookscannerさん、是非「迷宮」の中を案内してくださいよ。一番面白いところかもしれない。
中山さんがHASHIさんと会っちゃった
ブログの醍醐味と効用について、記録しておくべき驚くべき事件を、中山さんが『横浜逍遥亭』で報告してくださった。
「HASHIさんにお会いする」http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20061001#c
「2週間前に東京都写真美術館で始まった「橋村奉臣[HASHI]展」をほとんど偶然に訪れ、強烈な印象を受けた」中山さんが書かれた素晴らしいエッセイに深く記憶を撹拌させられた私は、思いつくままに、直接見てもいない橋村さんの絵について、直観的に書いた(「写真の批評性」)。それに鋭敏に応答してくださる形で、中山さんは再び別の観点からのHASHI論を書かれた(「橋村奉臣作品の機知」)。それにも深く心動かされた私は思わずまた直観的に書いた(「写真の物語性」)。
私はそれ以上の展開、リンクを想像もしていなかった。正直言って、忘れかけていた。
ところが、今日になって、中山さんに頭をガツーンと殴られた。「三上さん、忘れていないでしょうね」という声なき声とともに、橋村さんと作家の立松和平さんのトークショーに足を運んだ中山さんからTBが届いた。たまげた(魂消た)。
中山さんはトークショーの後、橋村さんとサシで対話されることになったのだ。なぜなら、橋村さんは、ブログ上での中山さんと私とのやりとりを先刻ご存知だった!詳しくは中山さんの臨場感溢れる上記の記事「HASHIさんにお会いする」をご覧ください。あまりにびっくりするやら、うれしいやらで、ちょっと引用しちゃいます。
間髪を入れずに「『横浜逍遙亭』? あなた、中山隆さん?」とおっしゃるではないか。橋村さんの表情は、破顔一笑というほかはない風に変化して、椅子から立ち上がり、「いやー、僕、あなたに何とか合いたいと思っていたんだよー。あなたと三上さんにぜひお会いしたいと思っていたんだよー」、立ち上がって大きな手のひらで握手をしてくれた。橋村さんが隣の関係者の方に「この方、ニューヨークにも4年住んでいた中山隆さん、僕のことブログで書いてくれた人」とまるでよく知っている知り合いを紹介するかのように語るのを聞きながら、呆気にとられて驚くほかなかった。ブログの威力と有り難みを感じ入りながら。
結局1時間以上、トークショーでは訊けなかった様々な話をお聞きすることができた。HASHIさんは、「今日は、あなたに会えて本当によかった」と言ってくれ、「三上さんにもお会いしたいなー」と何度も繰り返していた。
橋村さん、いつか是非札幌で個展を!こうして、私はブログのもつ、「怖さ」と背中合わせの「醍醐味」をまたひとつ体験した。ところで、また見逃せない鋭いことを中山さんは記していた。
HASHIさんの言葉の中で記憶に残るひと言を挙げると“pure”だ。ご自身の創作態度を語る中で語られたHASHIさんの“pure”はカタカナのピュアではない、破裂音を伴った英語の“pure”だ。HASHIさんの“pure”は日本語の中から浮かび上がって僕の心に焼き付いた。
そのときの印象を含めてHASHIさんに感じたことについては、またあらためて記したい。
これは楽しみだ。カタカナのピュアではない破裂音を伴った英語の“pure”。物凄く魅力的だ。



三上さん、
はてなのチャンドラーに関する説明見ました?
「『ウルトラマン』の第8話『怪獣無法地帯』に登場」って感じで、またもや、ウルトラマンの登場です。(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%c1%a5%e3%a5%f3%a5%c9%a5%e9%a1%bc)
ひょっとして、これって三上さんのジョークだった?
有翼怪獣チャンドラーですか。すごいな。
…ウィトゲンシュタイン-美崎薫-ブルース・リー-ウルトラマン-チャンドラー-bookscanner-…
「韓国に住む 91年生まれ中学生」からのコメント、続く自動翻訳ソフトを駆使しての報告、新しい時代の息吹きを感じました。近く母校で特別授業(中学二年生対象)をするので、そのときにこの話をしようかなと思っています。
いつも、みなさんのコメント、楽しく読ませてもらっています。
梅田さんが、母校で、特別授業・・・とのこと、いいですね。
中学生の時から、こういう授業が受けられるとは、うらやましい。
IT初心者なので、ただただ、時代の流れに、少ししがみつき、バタバタしています。
いつも、読ませてもらうばかりでしたので、ひとこと、お礼を。