ワタリガラスcommon ravenに出会っていた!

5月6日、朝の散歩で撮影した91枚の写真のスライドショーの中に下のような二枚のカラスの写真がある。


こうして写真でみると「カラス」以外の何者でもないが、肉眼で見たときの第一印象は、「でかい!何だ?鷲か鷹かな?」だった。嘴の太さ大きさ、翼の付け根、肩の辺りの盛り上がり方からもハシブトガラスとは思えなかった。撮影直後、樹の枝から飛び立った姿は、鷲や鷹ではなくやっぱりカラスの仲間に見えたので、巨大なハシブトガラスかな、ととりあえず思った。しかし、何か異様な印象は残った。とにかく、カラスにしては大き過ぎた。

改めて、オリジナルの写真を見直して、肉眼で見た時の印象も想起しながら、総合的に判断するに、これはどうもワタリガラスCorvus corax ,common raven)に違いないと思えてきた。サイズ的にも、嘴や体型の特徴からも、そして北海道には稀にだが渡り鳥として飛来することがあることなどからも…。そもそも最初に目に飛び込んできたときの印象が「カラス」ではなかった。


1月21日のエントリー「カラスはカラスでも」で、カラスの種類や古来神話で語り継がれてきた象徴的な意味について次のように記録した。

カラスは古くから,神意を伝える霊鳥とされた。神話のメインステージのような「山」から来てそこへ帰っていくからだろう。現在は凶兆を告げる鳥と考えられることが多い。
日本のカラスはハシブトガラス(Jungle Crow)かハシボソガラス(Carrion Crow)。英語のcrowはカラスの総称でもある。
『カラス研究室』の柴田さんによれば、カラスは「鳥類でもっとも進化した」種であるらしい。世界には「変わった種類のカラス」もいて驚いた。なおカラスは自然分類上は「スズメ目」に属するが、心情的にはスズメの仲間とは認めがたい。
ところで現在日本では北海道の一部にしか生息しないと言われている最も大型のカラスであるワタリガラス(raven)こそは、日本列島を含め、北米大陸からユーラシアにまたがる広範囲の地域で古代神話の隠れた主役だったようだ。アラスカで亡くなった星野道夫さんもそこに強い関心を抱いていた。

星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話

星野道夫の仕事〈第4巻〉ワタリガラスの神話

そのときから、ワタリガラスヤタガラス)のことが気にかかっていたが、まさか出会えるとは夢にも思っていなかった。

以上は、ど素人の判断なので、もしかしたら、例外的に大きなハシブトガラスだったのかもしれないが。