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記憶の彼方へ

2009年06月08日

アレン・セイ・アンソロジー

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Allen Say, Photo by Richard Allen

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Official Publisher's site for Allen Say

ひと月ほど前に同僚の山内さんの紹介ではじめて知ったアレン・セイの絵本Grandfather's Journeyに衝撃を受けてから、彼の絵本を一通り全て読んだ。その中で特に感動した絵本について感想を書いた。紹介したい絵本はほかにもたくさんあるが今後の楽しみにとしたい。そしてこの二週間、彼の自伝小説The Ink-Keeper's Apprenticeを少しずつ読んでそのあらすじを紹介してきた。全19章からなるこの本に関しては、第11章まではすでに堀田穣氏による紹介がある。私は第12章から第19章までを拙い訳を交えて紹介してきた。訳しながら何度も涙を流した。そんな中、南無さん(id:namgen)が『紙しばい屋さん』(Kamishibai Man)について書いてくれたことに感涙し、励まされた。

The Ink-Keeper's Apprenticeという題名を堀田穣氏に倣って『漫画家の弟子』と書こうか書くまいか迷った。たしかに、12歳のアレン・セイ漫画家という肩書きで知られる野呂新平の弟子になったのだから、それで間違いではない。しかし、原題がThe Cartoonist's Apprenticeではないことがずっと引っかかっていた。あくまでInk-Keeper(文字通りは「インクを守る人」、「インクの主人」)である。つまり、Inn-Keeper(「宿屋の主人」)が引っ掛けられていると同時にInkが商売道具として欠かせないだけでなく、第15章で先生(野呂新平)が「我らがインクは世界一だ」と誇るように、インクが絵の生命、血のように大切であることが含意されている。アレン・セイが分かりやすいCartoonnistではなくあえてInk-Keeperを使った理由を尊重したい。そういうわけで、Ink-Keeperを「漫画家」に置き換えずに、あえて原題のまま通した。誰か何かいい訳語があれば、教えてください。

過去のアンソロジーと同じように、アレン・セイ関連のエントリをゆるく束ねておくことにする。未完のアレン・セイアンソロジーです。


絵本関連:


自伝小説The Ink-Keeper's Apprentice関連:


なお、The Ink-Keeper's Apprentice 全19章のうち第11章までのあらすじは堀田穣氏のサイトを参照のこと。

アレン・セイ(『仕事蔵』2007年4月6日)

hayakarhayakar 2009/06/09 20:22 思いもかけない出会いを与えていただき、感謝でございます。
本当に、とても素晴らしい絵だと思います。早速購入に走らねばなりません。
ちなみに、アメリカのCartoon業界は、大手のプロダクションになると分業が進んでいて、下絵を描く人はPenciler。ペンを入れる人はInkerと呼びます。
Ink-Keeperの訳は、難しいですね。下絵、ペン入れ、色づけ、全てを守ってるんでしょうね。

elmikaminoelmikamino 2009/06/09 20:59 早川さん(id:hayakar)、こちらこそ絵のプロに喜んでもらえて本望です。
なるほど、PencilerにInkerですか。
たしかに野呂新平は漫画(芸術)に必要な「全てを守る人」で、アレン・セイはそれをしっかり継承したって感じですね。