不自由

コンパクトデジタルカメラCanon PowerShot G7が入院中のため、ケータイカメラSony Ericsson W51Sを本気で使い始めた。使っているうちに、その使い難さが、目のやりどころ、撮るもの、そして撮り方を微妙に変える、さらに歩き方にまで今までにないリズムを生んでいることに気づいて楽しくなる。そういえば、不自由=情感、という等式を書いた人がいたな。ケータイカメラで撮った写真には独特の情感が出ているような気がしないでもない。



あちらこちらの家で大根干しが始まった。



白樺の木の下でGさんに会う。あれ? カメラどうしたの? と聞かれる。故障して修理に出したので、ケータイのカメラを使っていると答えると、カメラ命だね、と冷やかされる。



落ち葉



T's Galleryこと武田さんちのオブジェ「古エジプト」の横に先日プレゼントしたプラタナスの実が飾ってあった。武田さん、ありがとう。右側に写っているのは栗の実。



藻岩山



苅谷さんの姿はなかったが、横に張った針金に何かのオマジナイか「魔除け」のようにして大根の葉が三つ等間隔でぶら下げられていた。意味不明。見ようによっては、大変味のある苅谷流アート作品のようにも見えてきて、しばし見とれた。





たんぽぽ公園に近づくと、あの陽を浴びて美しく煌めいているはずの黄葉のイチョウが無惨な姿を晒していた。黄葉はおろか枝ごとバッサリと切り落とされていた。エゾノコリンゴに続いてイチョウまでもか、、。公園の入口付近は大量のイチョウの黄葉で覆われて、あのギンナン独特の匂いに包まれていた。剪定を依頼された業者のおやじさんたちに声をかけて、黄葉にケータイカメラを向けていると、青い作業服のおやじさんが興味津々の様子で最近のケータイカメラの性能の良さについて講釈してくれた。なるほど、でした。



自転車をおして坂道を上ってくる帆足さんに会う。黒いキャップとサングラスが板についてカッコいい。整骨院に行っての帰りだった。腰を痛めたという。過去にヘルニアの手術を二回している。今回は骨が完全に潰れたと言って顔をしかめた。分厚いコルセットを腰に巻いているのを見せてくれた。なぜ車で通院しないのかと聞くと、足腰の筋肉を鍛えるためだと言う。なるほど。できるだけ移動には自転車を使い、坂道、特に階段のある坂道を上るなど、トレーニングしている。偉いなあ。今回腰を痛めたのは白老の浜に釣りに行った時だった。二泊したがカレイが一本しか釣れなかった。今年は太平洋はダメらしい。ただし実は釣れる場所はあるのだと言う。ところが、そういうスポットはコレが占領しているんだ、と言って左手の人差し指で頬を上から下に向けて切る仕草をして、知り合いがトラブルに巻き込まれたエピソードを聞かせてくれた。腰を痛めているのでしばらく釣りには行けないが、もうあそこはダメだと寂しそうに呟いた。



道井さんの姿はなかったが、荷台に荒縄が積まれた電動自転車がスタンバイしていた。