ナノが本格生産、年産25万台ペースに

タタモータースのナノ用の工場であるグジャラート工場が6月2日に正式稼働となりました。2,000ドルという格安の販売価格で世界を震撼させたナノは、当初予定していた工場建設が周辺住民とのトラブルで中止となったため供給が極端に少なく、今までは市場に大きなインパクトを与えていませんでした。グジャラート新工場の生産キャパは年間25万台と発表されており、いよいよナノによる市場攻勢が始まります。


インドの自動車市場は昨年200万台の販売台数で、2015年には日本市場を上回る600万台と予測されています。この急拡大しているインド市場で50%以上のシェアを握っているスズキを含め、現代、ホンダ、トヨタ、日産も、ナノの本格販売に対抗して商品価格戦略を変えてきています。



新興国向け低価格車」が近い将来世界市場のボリュームゾーンとなります。必然、部品メーカーも低価格車向けの低価格そこそこ品質の部品生産がマストとなってきます。電気自動車用部品と低価格そこそこ品質部品の二つは、今後、部品メーカーの優劣を大きく変える要因です。日本の部品メーカーとそれを支える2次3次メーカーはこの大きな変化に対応して勝ち抜いていくものと信じています。




***以下はTATAのリリース要訳****
リリース本文は↓
http://www.tatamotors.com/our_world/press_releases.php?ID=569&action=Pull


タタのSANAD新工場操業開始、ナノの供給改善

タタモータースのサナード新工場開所式が6月2日に行われた。開所式にはRatan N. Tata会長、グジャラート州政府閣僚、ディーラー、ベンダー等の取引先が出席した。

このナノ用新工場の生産能力は年間25万台となる予定だが、新工場敷地をフルに活用すれば年間35万台まで生産能力を拡張することができる。新工場からの供給開始は6月末からで2009年からたまっていたバックオーダーを解消できる見込みである。

2008年11月に新工場建設を着手してから完成まで14カ月かかった。新工場の敷地面積は725エーカー、これに375エーカーのベンダー工場団地が隣接している。2008年11月の建設開始と同時にタタモータースは周辺環境改善にも着手し、20キロメートルの範囲内にある20の村の飲料水、衛生状態の改善、学校を整備した。


新工場従業員数は2,400人、ベンダーなどの間接従業員を含むと約1万人の雇用を創出している。