輸出市場にも台頭してきている中国

2010年の中国の乗用車輸出台数は18万台と前年比75.7%も増加している。一方、平均輸出価格は台当たりUS$7,093と前年比9.6%ダウンしている。乗用車の輸出先国のNo.1はロシア、そしてイラン、チリ、ブラジルの順番で続いている。

商用車と乗用車を合わせた輸出だと、輸出額トップ3はアルジェリア(6.1憶ドル)、イラン(4.8憶ドル、ベトナム(3.6億ドル)となっており、ロシアへの輸出の伸びは勢いがある。

日本や欧米などの先進国向けの自動車輸出は現時点では少ない。日本や欧米にはその国の自動車メーカーが強いという事もあるが、排気ガス規制、車両認定制度などに中国製自動車がまだついて行けていない等理由もある。

以上が先日のダウジョーンズからのニュース要訳です。

衣料品、雑貨、家電、パソコン、携帯電話、ありとあらゆる工業製品を世界に輸出しまくっている中国が、自動車も世界に輸出しまくるようになるのか?日本の自動車メーカーの巨大な調達ピラミッドに属する我ら中小製造業にとって、非常に重大な事です。

キーワードは「電気自動車」と「中国自主ブランド車」です。中国には100を超える電気自動車メーカーがあります。複雑なすり合わせ技術を必要とするガソリン車と比べて電気自動車は参入障壁が低く、コストや社会インフラが電気自動車を受け入れる状態になった時、中国製の電気自動車が世界市場を席巻する可能性があります。丁度今のパソコンや携帯電話のように・・・・。

広州汽車とホンダの合弁会である広汽本田がアコードを生産販売しているように、日本メーカーの合弁会社が日本メーカーモデルを生産販売している限りは、中国車とはいえ日本製の部品が使われいるが、中国メーカーが自主ブランドを生産販売すると日本製部品は、一部の代替の効かない部品以外は全て、中国部品メーカーのものになってしまいます。2010年の中国自動車市場1,800万台のうちの300万台は既に自主ブランド車となってきていいます。自主ブランド車の伸び率1ケタパーセントとまだ低いものの、中国メーカーが開発力をつけてく来ています。低価格車種については中国国内市場だけでなく、輸出市場においても中国自主ブランド車が今後伸びてくると思います。


上の写真は昨年12月の広州モーターショーでの長城汽車の大きなブース。自主ブランドで最も大きいのは奇瑞汽車、2010年の販売台数は70万台、その次が長城汽車で40万台となっています。写真の中央にあるモデルはHAVAL M1という小型車で、こういった小型の低価格車は中国自主ブランドの中で今後もっともっと競争力を持ってくると思います。