世界のスーパーマーケットが参集

週末は Phoenix Millsというムンバイ南部で一番大きなショッピングモールに行きました。Mills(=工場)の名前が残っているように、元々は大きな工場だったところにつくられたショッピングモールで、その当時の太い煙突を一本だけ残しています。写真の左上にある赤と白の模様があるのがその煙突です。


スワロフスキー、ZARA、BodyShop、サムソナイトマクドナルドなどの国際的なブランドの入った優雅なモールビルですが、中核テナントはBigBazarというインド最大のスーパーマーケットです。でもBigBazarで買い物をして違和感があったのは、殆どの商品がMRP(Manufacure Recommended Price=生産者指定価格)で売られていることでした。大量仕入れ大量販売で定価から割り引いた価格で商品を販売するのがスーパーマーケットのビジネスモデルであるはずなのに、インドではスーパーでも定価販売なんです。


インドの小売業は外資規制しており、現時点では外国資本が1%でも入った企業は小売はできません。例外はフランチャイズとして進出できる分野(例 マクドナルド)と外国資本が51%以下の単一ブランド小売店(例 ZARA)となっています。この小売業への外資規制が自由化される方向で政府内で調整されているようで、世界的なスーパーマーケットが参入してくるのは時間の問題です。外資規制が解かれる前に、WalmartTescoなどは既に卸売分野でインドに進出しています。


Bharti財閥との合弁で卸売分野に2007年に進出したWalmartは現在6店舗を持っていますが、ここへきて店舗網拡大にアクセルを踏みこんでおり、合弁会社Bharti Walmartはこの2年以内に新規店舗を20店オープンすると発表しました。卸売合弁会社でインドにしっかり地盤を築き、小売外資規制緩和の時点でスタートダッシュして巨大なインド市場を獲得する戦略です。

新聞記事に日本の小売の名前が出ていないのが寂しいが、水面下ではインド進出の準備をされていると思います。10年以内にアメリカ、中国に次に位置する大消費市場になるインド市場ですから。


***以下は5月5日付のTheWallStreetJournal記事の要訳***
記事全文は→http://www.livemint.com/2011/05/05230121/Bharti-Walmart-to-double-store.html

世界で一番大きな小売店との合弁企業Bharti Walmart Pvt. Ltd.は、これからの2年間で新たに20店の卸売店を開き、インドで一番の卸売店を目指している。同社は現在までに45百万ドルを投資してインド国内に6店のBest Price Modern Wholesale storeを設置している。CEOのJain氏によると、今後はインド南部に力を入れ、2012年までには195百万ドルの投資を行い新規店舗を設置、又同時にサプライチェーンも整備していく。

フランスのCarrefour SAもニューデリーに卸売店をオープン、イギリスのTesco plcは今年後半に最初の卸売店をオープンする計画である。ドイツのMetro AGは2003年にインドで最初の卸売店を既にオープンしており、今後5年以内に50店舗までに拡大していく。



***以下おまけ***

牛も一緒に雨宿り
ムンバイは先週から雨季に入りました。高架下で雨宿りしていた時に撮った動画です。