君はそれをプー太郎というけど

相変わらず魔法にかかったかのように眠たーーーい日々。夜8時にもなると朦朧としている。週の後半になればなるほどぐったりしていくので、やはり普通に疲れが関係するようだ。しかし妊婦とはなんと疲れやすいいきものであることか。体中の機能が子宮に集中している、ってことでいいんだよね。腹の子が元気であるなら、この眠気と戦う(そしてすぐに負けて倒れこみ目を閉じるのだが・・・)日々も甘んじて受けいれるってもんだ。

いっぽう、徒歩での通勤・退勤は続いている。よく考えたらふつうに1時間走れるんだから、体重も増えていないこの時期、30分歩くのなんてまだお茶の子さいさい(死語)なのだった。歩いていると、ときどき妙にテンションが上がってきて今にも走り出しそうになる。ただ、歩きながら寝そうになるときもあるんだけどね。あーランニングハイを味わいたーい。

今日(9週1日)は、

  • 9:00 起きる。朝食にサンドイッチとヨーグルト、牛乳
  • 10:00 読書
  • 11:00 寝る
  • 13:00 起きる
  • 13:30 昼食。散歩がてら、平尾山荘近くのレストランへ。パスタランチ食べる。すごく感じのいい店。
  • 14:30 その足で車の助手席に乗り、ヤマダ電器ほか数件にて所用
  • 14:30 帰宅。疲労困憊で寝る
  • 18:30 起きる。そうじいろいろ
  • 19:30 夕食、コロッケ定食(夫・作)
  • 20:00 「小公女セイラ
  • 21:00 テレビなど見ながらだらだら

みたいなスケジュールでここまできています。ちなみに、前日の就寝時間は23時前です。「そんなにぐーたらな娘に育てた覚えは無い」と実家の母に小30分説教されました。彼女曰く、私は夫にいつ捨てられてもおかしくないそうです。否定できない・・・

『白河夜船』 吉本ばなな

毎日あまりにも眠いのでふと本棚から手にとった。眠り続ける主人公の話だ。

白河夜船 (角川文庫)

白河夜船 (角川文庫)

最後の数ページでべーべー泣きながら読み終わった。この涙はもはや、話の筋に感動したとかいうものじゃない。確かに2,3年ぶりに開いたとはいえ、最初に読んだのは、小学校高学年のときなのだ。そしてこの作品に限らず、吉本ばなな(改名前ね)の初期作品群は、私にとって思春期の道連れ。私という人間の背骨・・・とまでは言わないが、どこかの血肉になっているに違いない。ふだんは意識することなんてないけど、こうして読み返すとすごくよくわかる。冷静に考えると未熟さの否めない作品なのに、欠点がまったく目につかないのだ。もちろん、再読を繰り返しながら大人になっていくうちに、より深い理解ができる部分はあるけど、基本的にはこの作品の雰囲気、文章、登場人物の言葉、すべてを受け入れていた少女のころそのままの気持ちで、今もまだ読んでいるのだと思う。

吉本ばななが20代の前半で書いた、眠り続ける主人公の悲しみや疲れ、世界の底まで通じるようなおそれは、私にとってしっくりと肌になじんだものであり、最後におとずれる奇跡のような救いは、体中の毛穴からしっとりとみたしてくれるようなあたたかさだった。

なんか、ほかの初期の作品たちも久しぶりに読み返したくなってきた。自分のルーツになるような本があることをこうして体で実感するって、なかなかいいものなのだ。とても地味だけれど、かなりの自己肯定というか自己救済というか、そういう感じ。


蛇足。

よしもとさんが年月を追うごとにスピリチュアルな方向に傾き排他性を増してるのは悲しいことだが、彼女もいろいろあったんだろうなあ、とぼんやり思う。三十路の私は、彼女が若くしてデビューしたときのあの騒ぎをかろうじて覚えている世代だ。今の綿矢りさとか、そんなもんじゃなかったからね。お金とか人間関係とか、さぞかし大変続きだったんだろう。世の中を少しでも救いたい、という気持ちでいることを日記なんかに書いてるよしもとさんだけど、私にしてみたら彼女自身を救ってあげたくなるときがある。例の、チェーン居酒屋とか大型電気店とかのことをねちねちと書いてる文章読むとね・・・。気持ちはわかるけどさ・・・。

『不毛地帯』 第7話

マッチゲさんこと小出・復活! いきいきと演じる姿を見せてくれてます。こわいよー! そのうち消されそうなにおいが、彼の体からぷんぷんと漂っている。

遠藤憲一松重豊阿部サダヲと、3人も気持ち悪い役者が出てて、その気持ち悪さがちっともかぶってないところがいい。おかげで、竹野内豊が、まー男前に見えること見えること。イケメンパラダイス的なドラマよりも、キモメン(演技力必須ね)がわらわら出てきて、その中に一羽、放たれる白鳥・・・みたいなドラマのほうが私の好みかもしれない・・・。

ラスト近く、ホテルで待つ小雪に電話をしなかったこと、そして妻・和久井映見の必死の訴えに心を動かされて「私に撮っても家族が一番大事だ」とはっきり言って抱擁したこと、このふたつの唐沢の言動に本当にほっとした。昭和の古き時代を描いているとしても、これでこそ、平成22年のドラマ。逆の展開が繰り広げられるのはのは、昭和時代に作られたドラマですが、見ててものすごくストレスたまるんだよね〜。でも、和久井さんには次週、不幸が襲いかかるようですね。

 『小公女セイラ』 第7話

カイトの田舎から変な子が出てきてめんどくさい展開。それでも1話できっちりカタルシスを感じさせてくれる。古典名作を原作にしていても、「不毛地帯」同様、これぞ平成22年のドラマです。ていうか、昔はよく、あんなせからしいドラマを見てたもんだよな。「東京ラブストーリー」だって、もう相当な欝ドラマだよ、今考えれば・・・。

で、樋口可南子が泣かせてくれます。彼女の魂にミレニウス女学院の代表生徒としての誇りと自信がしっかりと根付いていることがわかって、見てる私のほうがどんだけ救われたことでしょうか。私のかわりに泣いてくれた斉藤由貴にも心からお礼を言いたいですね。

そして予告の最後、まさみさん(←役名)が優しく言ってたセリフ「あなただけが正しいわけじゃないのよ、セイラさん」に、おーーーーーきたーーーーー!と興奮。この子が言うのか!!!